二百三十六(乙)、第三勢力は拝米新自由主義派にだまされるな

平成二十四年
二月二十二日(水)「前原の無節操会談」
民主党の支持率が低いのは党内の拝米新自由主義派が原因である。野田の衆議院選挙の演説で明らかになつたやうに、国民は消費税5%分を官僚の天下りから捻出するといふ公約を信じて民主党に投票した。消費税を上げてもらはうとして投票した人は1人もゐない。
民主党と自民党の両方が駄目だから、国民の視線は第三勢力に向かつた。ところが前原が早々と大阪市長と秘密会談を持つた。これほど無節操な話はない。民主党低迷の原因は野田派と前原派だ。主犯の一人が第三勢力と秘密会談を持つとは無節操すぎる。

二月二十三日(木)「風見鶏」
消費税導入のきつかけを作つたのは中曽根である。風見鶏と呼ばれその無節操には定評があつた。かつては国民民主党や改進党にも所属したが、後に拝米だけが取り柄になつた。
元祖新自由主義と呼んでもよい。国民の生活をまつたく考へない。日本列島を不沈空母と呼び、アメリカにへつらつた。空母に限らず軍艦は領土と国民を守るためにある。日本列島が空母だとすると、いつたい何を守るのか。アメリカしかない。ミツドウエイ海戦で判るやうに空母は最初に攻撃され最後は沈没する。日本を犠牲にしてアメリカを守るとはとんでもない売国奴である。読売新聞と昔から親密なのも納得がいく。
野田派、前原派とそつくりである。消費税に取り付かれたのも当然であつた。

二月二十四日(金)「もう一つの無節操」
今の自民党では森が無節操の代表である。民主と自民で消費税増税を可決し、その後に信を問へといふ。それでは嘘つき男の野田と主張が同じだ。死刑を執行した後で裁判を行へといふのと同じだ。
森はかつて自民社会連立政権といふ戦後で最も無節操な政権を作つた。自民党は昭和30年の結党以来38年間政権を続けた。それを新生党が中心になつて社会党、公明党、民社党その他と連立し細川、羽田の両政権を樹立した。ところが自民党幹事長の森は社会党中間左派の村山と組んで自民社会連立政権といふ醜悪な政権を作つた。社会党の中間左派と言へば聞こへがよいが左派崩れ、議員の地位を守りたいだけの連中である。
これで社会党は解党し、その混乱に乗じて拝米新自由主義の変な連中が出てきた。

二月二十六日(日)「周囲の拝米新自由主義に踊らされてはいけない」
拝米新自由主義は野田派、前原派だけではない。マスコミや周囲の官僚などいたる所にいる。河村名古屋市長、橋下大阪市長、石原東京都知事はマスコミや周囲の誘導に乗らないやう警戒すべきだ。最近は消費税、南京事件を始め第三勢力を妨害する誘導が目立つ。

二月二十七日(月)「55年体制後期症候群」
時事ドットコムにみんなの党最高顧問で参院議員の江口克彦氏のインタビユーが載つた。江口氏は松下幸之助氏の秘書を長く勤めた。
・民主党の人も自民党の人も、松下幸之助の政治理念を身に付け、一つの共通項があると思っていた。しかし、今の政経塾出身議員に松下の哲学、理念は全くないことが分かった。
・誰もが党の中で自分を売り込み、出世しようと考えている程度で、私は失望した。
・野田氏も前原氏も「私」にとらわれている。松下は「私」にとらわれず、こだわらず、偏らない、つまり「私心がない」ことを大事にした。彼らの一つ一つの活動は、松下が期待した政治家像とは真逆だ。松下が望んだのは、哲学と政治理念をしっかり持った上での政治で、何よりも国民のことを第一に考えなければならない。首相は消費増税ばかりで、政治哲学と国家ビジョンがないのが最大の欠陥。そもそも「人間観」がない。
まつたく同感である。自民党と社会党の55年体制も後期になると、自民党は大臣になりたい、社会党は議員を続けたい、といふ連中ばかりになつた。松下政経塾の出身者はまさに55年体制後期症候群である。

三月一日(木)「野田の頭の中は西洋思想の悪い部分を集めたごみ溜めだ」
野田が国会で自民党議員の質問に答へて(党内で)「熟議を重ねて党議となっている。51対49の党内世論でも手続きを踏んで決めたら進める」と述べた。野田の頭の中は西洋思想の悪い部分を集めたごみ溜めといふほかない。
日本では古来、(1)「偉い人が決める」、(2)「明らかに多数の意見に決まる」といふ二つの方法があつた。(2)の「明らかに多数」とは概ね3/4以上であらう。
実際には完全な(1)または(2)になることはほとんどない。(1)は偉い人がわがままになるし、(2)は意見が割れると決定できないから現状維持になる。だから(1)と(2)の中間になる。これが我が国の民主主義のあるべき姿である。
ところが野田は51対49でよいといふ。法律や規則は、従へばよいといふものではない。法律や規則は最低水準を書いたに過ぎない。

三月二日(金)「与野党は癒着してはいけない」
スポーツの競技には、試合は真面目にやらなくてはいけないなどといふ規則はない。二つのチームが対戦すれば自然にさうなるからだ。もし監督や選手が相手チームと密談したとなると八百長の疑惑が出てくる。政治の場合も同じだ。与党側に腹黒い人間が現れると、与野党対立を形骸化しようとする。真面目に対戦しないなら歳費とその他の手当てを国庫に返却しろ。
昨日は野田と自民党総裁の密談のニユースが国内を駆け巡つた。ところが野田も自民党総裁も密談を否定してゐる。
今回の消費税騒ぎは、菅直人が与野党対立が形骸化しやうとしたことから始まつた。菅直人はこれで長期政権を保てると皮算用を立てた。菅は首相の座を追はれ野田が後を継いだ。ところが野田がまた同じことをする。野田の場合は消費税を引つ込めたら政権は終りだと官僚や大手マスコミから吹き込まれたのだらう。しかし消費税を引つ込めない限り政権は終りだ。なぜそんなことも判らないのか。

(消費税反対その二十)へ (消費税反対その二十二)へ

メニューへ戻る 前へ 次へ