二千百五十三(和語のうた)メモ書き歌(雨と強風)
壬寅(西洋野蛮歴2023)年
十一月七日(火)
大雨と大風続き夜明けから 日の出も風は収まらず 長月に来る嵐の如し

反歌  この星を壊し続ける野の蛮星はいよいよ終はりの時か
反歌  唸る風歩くも難し世の終はり前触れとして来たるを示す
今日は、旧暦で長月二十四日。

日帰りの旅へ発つまであとひと日 心が弾む筈なれど 強い風にてまづ沈み 強い風にて次には揺れる

反歌  沈むのは旅の障りに非ずして星が暑さで壊れる障り
明日の旅行自体は、心配してゐない。

うなり風何時まで続く 雨はほぼ上がるの雲に気を取られ 風につきてはあはや見逃す

反歌  我が心静める術を得てからは如何なる風も平らかにして
風が強くてもまったく気にしなかった。

陽が出たぞ晴れ渡るとも うなり風止まずと云へど 沈まずに心も晴れて明日の旅立ち

反歌  雨降りて土が固まる風吹きて空が固まり森も固まる
「ぞ」を使ふのは初めてではないか。それくらいここは「ぞ」がよいと思った。反歌、は雨の諺を、風に当てはめた。

止まぬ風 人と獣と虫や鳥蛇や魚も住む星を壊す行ひ 神々の怒りに気付け心を変へよ

反歌  星壊す野(の)蛮(ゑびす)どもは神々の怒りの声に耳そばだてよ
「野の夷」だと「の」が連続するので「のゑびす」にした。四十年ほど前から同音の繰り返しを避け、二十年(年数は不確実)くらい前から同じ助詞の繰り返しも避けるやうになった。同じ助詞を繰り返し使はないことは、究極の文章論と言ってもよい。

ところがそののち天気が一転し
晴れたのち暫くすると音止みて静かな空に こののちは音無し日和続くを願ふ

反歌  外出るとうなり消えるも風はあるだが晴れにより心穏やか
反歌  更に後外は風止み陽とともに嵐のもとを遠く追ひやる
雲と風が連動してゐたか。天気図を見れば、あり得ることだ。典型例は台風だが、低気圧でもある。(終)

メニューへ戻る うた(六百九十二)へ うた(六百九十四)へ