二千百二(和語のうた、普通の歌)乗り旅宣言
壬寅(西洋野蛮歴2023)年
九月二十二日(金)
信越線が不通になって分水駅まで行けなくなったときに、まったく不満が無かった。その理由は、小生が乗り旅だからだらう。小生は乗り鉄ではない。そのことが分かったのは、七年前に下の子の文化祭を見に、新潟まで往復したときだった。
上の子は獣医学科で六年制なので、まだ通学中だ。下の子も大学生なので、家計を考へて新幹線を使はなかった。往路は夜行バス、帰路は長岡まで高速バス、そこから普通列車で戻った。文化祭の時季なので、青春十八切符は無い。普通の乗車券を使った。
夜行バスはともかく、帰りの長岡までの高速バスは鉄道より楽しい。そのとき、小生は鉄道が好きなのではなく、旅行が好きなのだと痛感した。
行った先でも楽しいし、往復の乗り物も楽しい。小生は、乗り鉄ならぬ乗り旅だった。乗り旅を昔からある語で云ふと、「乗り鉄道バス航空機船舶」で国交省の統計みたいだ。国交省式に云ふなら「乗り(鉄道、乗り合ひ自動車、航空機、船舶、および政令で定めるもの)」となる。
草枕旅の楽しみ 行く時と 行った先での建物や見晴らしそれら後ろ為す時の流れと 帰り道 三つ楽しく旅の楽しみ

反歌  行く前に調べることも楽しみだ四つ楽しく旅は楽しい
「後ろ為す時の流れ」とは、建物や景色の背景と歴史だ。今回の特集は和語のみで歌を詠む。

九月二十三日(土)
観光地は、半分が目的、半分が乗り旅の手段だ。これは、宿泊する人も同じではないだらうか。観光地は手段、宿泊し飲食することが目的。
観光地が目的かどうかは、きちんと調べたかどうかによる。小生は、分水町をきちんと調べた。つまり目的だったが、信越線が不通になったので、乗ることを目的に切り替へた。だから不満が出なかった。さう考へることもできる。
どちらが正しいだらうか。移動はやはり楽しいから、小生の場合は昨日の説だ。あと、長岡で地酒と地元料理の弁当を買ったので、これもよかった。分水が、地酒と地元料理で代替した。これが正解だった。
行く先が不通となるも 途中駅郷土料理と地酒とで埋め合はせればこれも楽しい

反歌  越後では酒と郷土の料理にて分水までの分目的に(終)

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