千八百七十三(うた) 大正池
壬寅(西洋野蛮歴2022)年
十一月十二日(土)
信濃毎日新聞のホームページに
北アルプス上高地の「大正池」が小さくなっている…観光客「知らない」9割 地元中学生が聞き取り調査

が載った。信濃毎日新聞は信濃の地方紙で、かつて松本へ行くと食堂などで店内に信濃毎日新聞の松本駅時刻表が貼ってあった。駅の売店で毎日新聞も販売するので、信濃毎日と毎日は別の新聞だと分かった。資本関係も業務提携もない。
大正池は1915(大正4)年、焼岳噴火に伴う泥流が梓川をせき止めて出現。水力発電所の調整池として利用されており、東京電力リニューアブルパワー松本事業所(松本市)によると、年間約1・8万立方メートルの土砂が自然に流れ込む。同事業所がしゅんせつしているが、かつて約13万立方メートルあった池の容量は近年、約9・7万立方メートルまで小さくなっている。

小生が小学生の時に母が云ふには、かつて大正池が見えるとバスの車内で「おおー」と歓声が沸き起こったさうだ。それほど美しかったのだらう。小生の知る昭和四十年頃は、池に残された木は枯れて単なる池だった。しかし写真で見る大正池は美しかった。今では、当時の写真は掲載しないかも知れない。載せても白黒だから、今の人たちには美しく見えないかも知れない。
写真には大正池と残された木と背景の山が輝く

この調査は、百瀬さんと云ふ中学二年生が行った。百瀬は普通「ももせ」(高低低)と読むが、小生の祖母は「ももぜ」(低高高)と云った。
大正池が狭くなる理由は、東京電力が管理するからだ。発電に支障がないやうにしゅんせつするのであって、美しい景色を保つためにしゅんせつするのではない。
しゅんせつは環境省が行ひ、発電能力維持用の分を東京電力が負担すべきだ。或いは補助金を出して、東京電力が行ってもよい。せっかく自家用車の乗り入れを禁止したのに、このままではアルピコ交通と濃飛バスが儲けるだけに終はってしまふ。
上高地東電濃飛アルピコと龍之介のためあるのではない
上高地帝国ホテルと五千尺白樺荘のためだけではない
五千尺一万尺と勘違ひ高山病に病は気から
上高地温泉ホテル明神館嘉門次小屋や徳澤園も

今回歌が多いのは、一つの特集は4KB以上(正確には3.01KB以上)の自己規制があるためだった。ホテル名は昭和二十年代にあったものに限った。それ以降を含めると、長歌になってしまふ。(終)

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