千六百九十五(和語の歌) インドの安保理決議案棄権を支持
壬寅(西洋野蛮歴2022)年
ニ月二十六日(土)
国連の安全保障理事会で、ウクライナ問題の決議案にインドが棄権した。これは大変に良いことだ。
まづ戦争には反対だから、決議案に反対してはいけない。だからと言って、ロシアがウクライナに軍事侵攻したには理由がある。理由を精査すれば、ロシアだけに非がある訳ではない。
まづNATOは反露軍事同盟だ。かつての米ソ冷戦時代ならいざ知らず、ソ連崩壊の後に維持するだけならまだしも、かつての東欧を組み込み、旧ソ連のそれもロシアとは方言程度の違ひ(日本の関東と関西の差程度と云はれる)のウクライナまで組み込まうとしたら、ロシアが怒るのも無理はない。
NATOの存在理由を考へよう。かつては米ソ冷戦下での軍事同盟だから、ソ連も納得した。今は存在自体がロシアにとり不快だ。
或る国を敵(かたき)と決めて群れを為す腹と心で黒さを増やす
米ソ冷戦終結の前と後では、ロシアへの敵対度が倍増したことに気づくべきだ。倍増である。安倍晋増の略ではない。あ、あの男の名は晋増ではなかった。
ニ月二十七日(日)
ここまで来たら、外国の説得で円満に収めることがよい。だから、欧米の言いなりではないインドの存在は貴重だ。もしすべての国が欧米と同じ立場だったらどうなるか。ロシアは暴発する。さうならないためにも、中立は貴重だ。
中に立つ国は戦を避けるため此の世すべての良きを識(し)るべし
それなのに、アメリカとドイツが、武器をウクライナに供与することを決めた。この二か国はウクライナ国民のことを思ってゐない。これでは犠牲者を三倍増させるだけだ。三倍である。晋三安倍の略ではない。
ニ月二十八日(月)
インドが棄権したことを、アジアアフリカ会議の流れと見た。六十七年前にバンドンで開かれ、非同盟などを決定した。西洋列強の植民地から独立し、民族運動が高揚した時期だった。
強い国その領(おさ)めから独り立つ新たに集ふ三つ目の力(終)
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