千六百七十四(歌) 記事を読んで『自衛隊の「超メンタルが強い人」の共通点とは?』
辛丑(2021)西暦元日後
閏月十二日(水)(2022.1.12)
Diamondのホームページに
自衛隊の「超メンタルが強い人」の共通点とは?
が載った。単行本で「メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術」が出版され、それを紹介する記事だ。
①仕事に依存しすぎていない、②コントロールできないことに執着しない、③信じるものがある、の3つです。
これだと判らないので、解説を読まう。①は
仕事以外に没頭している趣味があります。(中略)終業のラッパが鳴ったとたん、外にマラソンに行って20kmくらい走ったり、休日の朝4時から洗車に行ったりと
②は
自分のところに仕事のボールがあるときには、ものすごく熱意を持って取り組むのですが、自分からボールが離れると、驚くほど無関心になります。「あの仕事、どうなったのかな」なんて微塵も感じていないようです。
また、人の感情をコントロールできないことを知っているので、相手が激怒していても平然としています。
③は
「信じるものがある」です。(中略)細かいことにこだわるような信仰心ではなく、「俺の生き様はこう!」というような人です。(中略)ずっと序列トップで、余裕でえらい地位につけたのに、「現場主義」を貫いて出世コールを蹴り、その後、現場トップの師団長で退官された人がいました。「信じるものがある」人はオーラがちがいます。
記事に注目したきっかけは「細かいことにこだわるような信仰心ではなく」だった。
特定の宗教を信じるのではなく、社会習慣としての宗教を信じないと、狂信または不信になると感じるやうになった。産業革命以降の科学の発展が、さうした。似たことは前から云ってきたが。
だが「信じるものがある」の解説には「俺の生き様はこう!」とある。これは、世間の横並びや出世は気にせず生活することだ。この生き方も大賛成だ。
日本では 社内に多い 横並び 同じく多い 出世欲 利益が出れば 良いのだが 一旦悪く なったとき 生き抜くことが どちらもできぬ
閏月十三日(木)
「自分からボールが離れると、驚くほど無関心になります」。これは自衛隊特有の現象だ。民間会社では、手を離れても「あの仕事、どうなったのかな」と気を掛けないと駄目だ。これができる会社は伸びるし、できない会社は衰退する。自衛隊は今のままでいいのか、民間に習ったほうがいいのか。おそらく両方だらう。
社内には 理事だ参事だ あるものの 一佐や二尉と 変はらぬ制度
京セラの稲森さんなら、軍隊の階級みたいなものは要らない、と廃止するだらう。
「人の感情をコントロールできないことを知っているので、相手が激怒していても平然としています」。これは重要だ。一番悪いのは、自分も怒ることだ。
二番目に悪いのは、なだめることだ。かつて、病気で体温が高くなったら下げた。今は、高い方が免疫力が高まるなどの理由で下げない。熱が出るには、理由があった。相手が怒るには理由がある。無理になだめてはいけない。
良いのは平然とすることだが、相手への思ひやりがないとできない。かつて労働相談で、経営者への怒りのあまり、怒鳴り声になる人がゐた。怒鳴り声を聞くと、私が怒鳴られたわけではないのに、一瞬相手への怒りがこちら側にも起きる。しかしここで、総資本対総労働だ、と思ひ返して相手への思ひやりが戻った。
閏月十五日(土)
此の本の著者は
エリート街道をひた走っていたが、上司のパワハラと早朝深夜の激務が重なりメンタルダウン。復職を果たした後、「出世ばかりが人生ではない」「人に認められるためではなく、もっと楽しく生きたい」と思い、転職。現在は外資系企業の社員として活躍している。
上下関係が厳しい組織は、必ず問題を生じる。本当の上下関係とは、上が下に思ひやりを持つことだ。え、それだけなの、と思ふ人もゐるが、そもそも上下関係があるのだからこれでうまく行く。
上下関係が厳しいと、上は自分の成績の為下に無理を強いたり、自分のわがままで下に当たる。上下関係が厳しい組織は堕落し易いと云ひ替へることもできる。するとパワハラやうつ病、自律神経失調症が発生する。自衛隊、警察など改善の必要がないか、常に監査すべきだ。
幕僚や事務など、命令系統から外れた部署は、階級を外す方法もある。欧米のやり方を日本に持ち込んではいけない。(終)
(追記、1.23)監査とは、落ち度を見つけることではない。セカンドオピニオンと言ひ換へてもよい。当事者が「早く監査が来ないかな。問題点を指摘してくれるぞ」と期待するものでなくてはいけない。
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