千六百四(普通の歌、和語の歌) 新型コロナワクチン
辛丑(2021)
七月十六日(金)
母は新型コロナワクチン一回目を五月下旬に接種した。市役所特設のホームページ(おそらく全国の自治体共通)で五月末までに接種を受けられる医院をやっと見つけて予約を入れた。
問診はなく看護師が注射の後に、医師に云はれたらしく看護師が戻ってきて、うちで普段診察を受けないのになぜ来たのか、と云ふ。市役所の申し込みページで、ここかもう一つしか空きがなかったと答へると医師に伝へに行き、また戻ってきて普段診察を受けるのはどこかと訊く。
医院名を答へると看護師が伝へに行き、戻ってきてそこの医院でも注射を行なってゐると云ふ。既に注射が終ったのだから、そんなことを言っても意味がないし、そもそも市役所の事業だ。市役所のやり方に異議があるなら、市役所に云ふべきだ。
市役所の ホームページで 予約を取った 説明も きちんと読んで 医院へ行った (良寛の歌集は旋頭歌を改行しないため、私も初の試みでそれに合はせた)
念のため、帰宅の後にインターネットで実施医院一覧を見たところ、母のかかりつけ医院は載ってゐない。神経内科なので、予防注射は行はないやうだ。医師が間違ったことを云ってはいけない。
それにしても医師とは一回も顔を合はせなかった。江戸時代の将軍ではあるまいし、お目見えならず、と看護師を側用人に仕立てて何回も往復させるのは非効率だ。
七月十七日(土)
二回目は予約が取れず、間隔が丁度一ヶ月空いた。市役所の案内に同封された資料では一回目から三週間空け、「接種後3週間を超えた場合は、できるだけ速やかに2回目の接種を受けてください」とある。しかし予約が取れない。
二回目は、一回目とは別の医院になった。一回目の医院は六月中の空きがない。あっても側用人経由だから面倒だが。
無事二回目が終了した。今度の医院は親切だ。きちんと説明があった。副作用は一回目も今回もまったくなかった。
七月二十七日(火)
私にも市役所から接種の封筒が届いた。一番早く予約が取れるのは小児科医だ。早速申し込んだ。乳幼児は両親や同居家族が新型コロナに感染したら大変だ。小児科医が社会の要請に合った判断をされたことに敬意を表したい。
干支還り 更に五歳(いつとせ) 過ぎたとき 幼児(おさなご)医やす 房(へや)訪れる
一回目が終了後に、二回目も予約できると云はれ三週間を二日過ぎるだけで予約が取れた。一回目、二回目とも医師から適切な説明があった。二回目を摂取した翌日に腕がかすかに痛くなったが、これは副作用と呼ぶほど大げさなものではない。
七月二十八日(水)
妻にも、市役所から封筒が来た。職場の集団接種で一回目を受け、そのときに市役所の接種券が必要になった。
上の子は動物病院に勤務するので、医療関係者として既に接種した。下の子は、まだまだ先になりさうだ。(終)
追記八月五日(木)
動物病院勤務者の接種について調べたところ、東京都庁のホームページに
東京都は、6月25日より都庁南展望室ワクチン接種センターを開設いたします。
本センターでは、都内に在住または在勤で64歳以下の柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、獣医師及び東京2020大会関係者 、点検済み店舗のコロナ対策リーダー等への接種を行います。
「及び」より後ろの人たちは6月25日から、「及び」より前の柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、獣医師は7月1日からださうだ。動物看護師は含まれないのか。これについて或る動物病院のホームページに
この度、東京都獣医師会から都内動物病院に勤務するスタッフに向けてワクチン優先接種の通達がありました。(中略)つきましては、副反応の発現等により予期せぬ出勤予定の変更・スタッフの欠員が生じる可能性がございます。
とあった。これはよいことだ。獣医師には接種して、動物看護師には接種しないなんてことはしてはいけない。東京都庁のホームページで、最後の「等」に含まれるのかも知れない。しかし開始時期の異なる「及び」より前が、「及び」より後ろの「等」に掛かるのは変だ。
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