千五百六十ニ(和語の和歌) 一級水系で再編した日本を論評
辛丑(2021)
四月二十一日(水)
Jタウンネットに
地域性の違いとぴったり? 一級水系で日本を再編した「109都府県」がめっちゃ良い

と云ふ記事が載った。ツイッターに投稿された
なんとなく一級河川で都道府県を再編してみたら1都1府107県もできてしまった

の紹介と、多数の読者から寄せられた反応だ。反応を抜粋すると
東北地方に関しては、「北東北の地域性の区分とかは実際こんな感じ」
関東地方については(中略)「利根県のでかさよ」
中部地方には(中略)「静岡県の文化圏の違いとほぼ合ってます!←特に富士川の流れがサイレントヒルの文化圏を東西に分断(笑)」「愛知県は東から『東三河』『西三河』『尾張』の三地域に分けることがありますが、この地図の通りの分け方をされます」(中略)「一級河川が多いので予想はしていましたが、富山県細かくなりましたね」

と好意的だ。しかし私は別の感想を持った。
水系に分けることは、つまり山脈を境界にすることだ。古来、山脈は人の流れを分断した。だから文化圏と合ふことが多い。信濃川流域は、信州から長岡新潟市まで広大だが、信濃川が山脈の谷間を通過する部分で南北に分けるべきだ。
一方で、大きな川も人を分断する。利根川は流域が広大だが、北側と南側で分けるべきだ。武蔵の荒川流域と多摩川流域は狭く細長いが、この辺りはもともと足立郡と豊島郡が細長い。つまり歴史的に川で分断された地域だ。
水系が別でも、緩やかな丘なら統合してよい。例へば富山県内は一つの水系でよい。

以上をまとめると
(1)水系で分けることは山脈で分けることだから、まづ山脈で分ける。
(2)次に大きな川の両岸で分ける。
(3)緩やかな丘は、水系を統合する。
この三つを実行すると、再編都府県は完成したものになるだらう。
山と川 大昔から 境あり 物運ぶ馬 旅人の 絶えぬ流れが 道作り 踏み固められ 今に繋がる

(反歌) やまとのみ 言葉の歌を 試みる 水の境に 似る変はり目か(終)

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