千五百五十五(和歌) 原発事故処理水を海洋放流の疑問点
辛丑(2021)
四月十ニ日(月)
福島原発処理水を海洋放流することが決まった。疑問点は、百倍以上に希釈することだ。基準以内なら、希釈する必要はない。希釈するから、周辺国が疑問を持つ。
判りやすい例を挙げると、ダムに牛乳瓶一本分の汚水を放流することになった。しかし百倍以上に希釈すると発表された。牛乳瓶一本を百本分以上に希釈しても、ダムから放流される水の成分には影響がない。
なぜ希釈するのか。ダムの水を飲む下流の人たちは、さう思ふだらう。放流するなら、希釈せずにすべきだ。
希釈でも 汚物総量 変はらずに 下流の人は 疑問を抱く


四月十三日(火)
もう一つ疑問がある。風評被害が出た場合は、保障すると云ふ。それでは駄目だ。風評被害が出ないやうにしなくてはいけない。
福島で捕れた海産物を、自民党が中心になって全国で購入して国民に示すことが、一つの方法だ。
もっといい方法は、東京湾にも放流することだ。その場合、エネルギーの無駄は許されない。三重水素水を濃縮して輸送するか、水を電気分解して三重水素だけを取り出し、輸送の後に燃料電池でエネルギーを回収して放流すべきだ。
三重水素水や三重水素を取り出すと、その時点でエネルギーを消費する。水を電気分解して、水素だけを移動させ、燃料電池で電気を回収する方法がよいかも知れない。或いは、処理水を鉄道で輸送するか。

四月十四日(水)
日刊ゲンダイの電子版に
原発処理水にはトリチウム以外に12の核種が残留…「国民に事実を」と指摘したのは自民・原発推進派

が載った。
大手メディアはほとんど問題にしていないが、「ALPS」で取り除けないのは、トリチウムだけではないという。トリチウム以外にもヨウ素129、セシウム135、セシウム137など、12の核種は除去できないという。

これは初耳だ。こんな重大な情報を報道しないとは驚く。
自民党の「処理水等政策勉強会」の代表世話人・山本拓衆院議員がこう言う。
「断っておきますが、自分は原発推進派です。菅首相も支持しています。ただ、原発処理水に関する報道は、事実と異なることが多いので、国民に事実を伝えるべきだと思っています。東京電力が2020年12月24日に公表した資料によると、処理水を2次処理してもトリチウム以外に12の核種を除去できないことがわかっています。2次処理後も残る核種には、半減期が長いものも多く、ヨウ素129は約1570万年、セシウム135は約230万年、炭素14は約5700年です」

そればかりか
さらに「通常の原発でも海に流している」という報道も、誤解を招くという。
「ALPS処理水と、通常の原発排水は、まったく違うものです。ALPSでも処理できない核種のうち、11核種は通常の原発排水には含まれない核種です。通常の原発は、燃料棒は被膜に覆われ、冷却水が直接、燃料棒に触れることはありません。でも、福島第1原発は、むき出しの燃料棒に直接触れた水が発生している。処理水に含まれるのは、“事故由来の核種”です」(山本拓議員)
一度、海に捨てたら取り返しがつかない。

そのとほりだ。
人類が 流したことの ない物質 放流すれば 癌や奇病に
水俣や 神通川の 経験を 生かし調査し その後にせよ
(終)

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