千五百三十ニ(和歌)(モリカケ桜疑獄二百一の五) 敵と見なせば批判を加へる一方、身内への甘さ
辛丑(2021)
三月二十ニ日(月)
朝日新聞の有料会員ホームページに
「この前まで仲間と…」最側近の標的にされた前川喜平氏

と云ふ記事が載った。前文は
「敵と味方」を切り分ける安倍政権の矛先は、中立であるべき公務員にも向けられた。政権に批判的な官僚には厳しく接し、体を張って政権を守った官僚は処遇した。それぞれの典型は。

本文は
「この前まで仲間だと思っていたのに裏切られた」
2017年初夏、首相官邸で毎週金曜日に開かれている「次官連絡会議」に出席したある事務次官は、官房副長官の萩生田光一の言葉を覚えている。

で始まる。
萩生田が標的にしたのは、この年1月、文部科学省による違法な「天下り」問題に関与したとして、事務次官を引責辞任した前川喜平だ。前川は、この次官会議の少し前、首相の安倍晋三の友人が理事長を務める加計学園の獣医学部新設問題をめぐり、「総理のご意向だと聞いている」と文科省が内閣府から言われたと記録された文書について、「次官在任中に受け取った文書に間違いない」と明言。「最終的に内閣府に押し切られた。行政のあり方として非常に問題がある」と訴えていた。

有料会員ではないのでここから先は読めないが、その萩生田が今は文科相だから驚く。

三月二十三日(火)
昨日に続き朝日新聞ホームページの
麻生氏も心配した乱暴な「身びいき」 友情が残した禍根

前文は
安倍政権後半は身内への特別扱いを疑わせる問題が相次ぐ。首相が「腹心の友」と呼ぶ友人が理事長を務める加計学園の問題もその一つ。首相の「盟友」からは早くから危惧の声が上がっていた。

本文には
7年8カ月続いた第2次安倍政権の後半期、安倍との距離の近さによって引き起こされた疑惑がたびたび政治問題化した。安倍の妻、昭恵が名誉校長を務めていた森友学園への国有地取引、加計学園の獣医学部新設、安倍の後援者が大規模招待された桜を見る会……。いずれも安倍による身びいきとも、縁故主義とも指摘された。一方、安倍はこうした疑惑に強く反論。官僚が安倍の意向を過度に忖度(そんたく)することも問題視され、「忖度」は17年の新語・流行語大賞に選ばれた。

記事は続いて
「腹心の友」と呼ばれた加計と安倍の距離は極めて近かったようだ。安倍は首相時代の夏季休暇中、山梨の別荘に加計を呼び、バーベキューやゴルフを共に楽しんだ。首相動静に載っているだけで、第2次政権では、問題が表面化する前の16年12月までの4年間で11回食事をともにした。

本文とは別の、連載の説明には
敵と味方を峻別する――それは安倍政権の特徴の一つだった。敵と見なせば、ためらいなく批判を加える一方、身内への甘さがたびたび指摘された。社会に生まれた溝は深まり、いまも修復されずにいる。

敵味方 区別するのが 安倍ならば 社会の敵は 安倍晋三だ 社会に溝が


三月二十四日(水)
本日は
「自民党職員じゃないのに…」演説のネタ、集める公務員
を紹介しよう。前文は
安倍首相の政権運営を自民党内で批判する数少ない有力者だった石破元幹事長。同じ党であっても、首相側はこの政敵に厳しい視線を送った。振り回されたのは公務員たちだ。

本文は
首相、安倍晋三の敵か味方か――。安倍政権下の永田町ではそのことが大きな意味を持った。
2018年春。大使に赴任することになった外務官僚は、旧知の自民党元幹事長、石破茂に転任のあいさつをしようと、議員会館にある石破の事務所に連絡を取った。石破は留守。秘書は「党の会合に出ている。党本部であいさつして欲しい」と告げた。
外務官僚は迷って、この日のあいさつを取りやめた。理由を周囲にこう漏らした。「党本部で石破さんに会っているところを他の議員に見られるわけにいかない。首相官邸に告げ口される」。


三月二十八日(日)
本日紹介する朝日新聞ホームページは
熱狂的支持、敵に攻撃…トランプ氏と共通点 日本に傷痕

前文は
安倍首相とトランプ米大統領の共通点は「敵と味方」を峻別(しゅんべつ)する政治手法にあった。その手法は社会の分断を深めたと指摘される。安倍氏が戦った「敵」とは何だったのか。

本文は
2016年米大統領選の直後、世界の首脳に先駆けて大統領就任前のトランプと会談したのは首相、安倍晋三だった。その後も、たびたびゴルフをプレーするなど親密な関係を築いた二人は、政治手法でも共通点があった。
トランプは「強さ」を前面に押し出し、「敵」を激しく攻撃することで3割とも4割とも言われる岩盤支持層を固めた。そのことは社会の分断を深刻化したと指摘される。
安倍もまた、「闘う政治家」を標榜(ひょうぼう)し、政敵を強く批判することをちゅうちょしなかった。2人は元々社会に入っていたミシン目を意識的に利用したのか。それとも、分断された社会によってあおられたのか――。いずれにせよ、2人の在任中、政治において「敵」か「味方」かが強く意識されるようになったことは否定できない。
(終)

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