千五百四(和歌)(モリカケ桜疑獄百九十九の八) スーパー世襲政党
庚子西暦元日後(2021)
閏十一月十八日(月)(2021.1.18)
地方紙の共同ホームページである47Newsに
菅内閣、短命に終わるこれだけの理由 スーパー世襲政党のロジックと無責任政治体制

と云ふ記事が十二月末に載った。
安倍晋三前首相は、数々の不祥事やスキャンダルに関して在任中一切責任を取ることなく、今もまた桜を見る会前夜祭の経費補てん問題の責任を秘書に押しつけて逃げようとしている。それでも「責任は私にある」と胸を張ることは大いに好んでいた。

で始まる。上智大学教授中野晃一さんの記事である。
政界に 世襲があったら 重大だ 私利と私欲と 友だち優遇


閏十一月十九日(火)
森友学園や加計学園、桜を見る会など、それぞれ一群を成す事件や疑惑は一義的には安倍首相による国家の私物化に起因するものだった。菅官房長官として職責上矢面に立たされていたのであり、どこか人ごとという投げやりな態度で済ませてきたのだろう。(中略)田中真紀子氏の容赦なくも的確な評によれば「安倍家の生ゴミのバケツのふた」として安倍前政権から引き継いだ「臭いもの」にふたをし続けることが「菅政権の役割」ということだ。田中角栄元首相の娘だけに、自民党政治を熟知していると言わざるを得ない。
臭いもの 蓋をすれば 余計に腐る
生ごみの 蓋まで臭ふ これは倍臭
(反歌) 落選の 議員を雇ひ
教授職 給料自体は
対価でも 選任過程 これは買収


閏十一月ニ十日(水)
菅内閣が、安倍政権から継承するものは、悪臭漂う「安倍家の生ゴミ」だけでなく、それらに「ふた」をするごとく、公文書を改ざんしたり破棄したり、国会で延々と虚偽答弁を繰り返したり、法の支配をゆがめ、説明責任(アカウンタビリティー)を放棄することがまかり通る悪夢のような「2012年体制」であると前に指摘した。

閏十一月ニ十一日(木)
菅は、来年9月の任期切れで用済みとなる可能性が高いと見るべきである。
なぜか。
自民党の世襲政治である。1991年に就任した宮沢喜一以降、自民党総裁・総理はことごとく世襲議員であり、小渕恵三首相が倒れたさなかに密室の談合で選ばれた森喜朗だけが例外である。2006年に安倍が小泉純一郎の後を継いで以降、自民党は、単なる世襲ではなく、元首相の子か孫でなければ首相に就けないと思えるほどの「スーパー世襲政党」と化しているのである。

これは大変なことだ。
菅もかつては世襲制限を掲げていたことがある。ところが、有権者もメディアもすっかりならされ、3世4世となる自民党世襲議員の圧倒的な特権は不問に付されるようになってしまった。
何の実績もない小泉進次郎が初当選時から「将来の首相」扱いされ、滝川クリステルとの結婚に際して一部メディアが「将来のファーストレディー」と騒いだことの異常さは話題にもならなかった。


閏十一月ニ十ニ日(金)
同じく元首相の孫で自身も元首相にて今や8年の長きにわたって副総理兼財務相として居座る安倍の盟友・麻生は、党内第2派閥を率いる。
配下として元総裁の子にして3世議員の河野太郎を菅の次の首相に押し込み、80歳でもなおキングメーカーとして影響を保持しようともくろんでいる。傲岸(ごうがん)不遜で知られる麻生が「たたき上げ」の菅を対等の人間として見ているとは到底考えられない。

国民は、傲岸不遜AAコンビの麻生と安倍に、反対しよう。

閏十一月ニ十三日(土)
世襲でなく、派閥に属さない菅は、安倍が政権を再び放り投げるという特異な状況でなければ首相になれなかったはずである。(中略)自前の官房長官さえ選べなかった。加藤勝信は官僚出身だが、安倍の父・晋太郎の側近中の側近だった加藤六月の娘婿で、安倍晋三からすれば次の首相候補とすることを念頭に官房長官に据えさせたと見るべきだ。(中略)西村も加藤同様官僚出身で、その岳父が吹田愰という岸信介の地元山口における側近で、吹田は岸の政界引退に際して選挙区で後継指名を受け国政進出を果たしたほどである。つまりやはり姻戚・血縁を通じて安倍・岸家の人脈だ。
傲岸不遜AAコンビの、一族支配、お友だち依怙贔屓に反対する、大国民運動を起こさうではないか。

閏十一月ニ十四日(日)
将軍や殿様の子供は、家臣の中から守役を選任し育てた。わがままに育ったり、お友だち依怙贔屓をしたら、お家がもたないためである。正妻や側室のお友だちを依怙贔屓しないように、寝室にも家臣が隣室で待機した。
麻生と安倍みたいに中途半端な世襲だと、わがままに育ちお友だち依怙贔屓をするから、たちが悪い。中途半端が一番悪い、と昔から云はれる。二つの相反する物から、都合のよい部分を取捨選択するからだ。
世襲AAコンビを、一族お友だち含めて永久追放しよう。

閏十一月ニ十五日(月)
朝日新聞のホームページに
「信念」で官僚も反対できた小泉政権 安倍官邸は一転

と云ふ記事が載った。
第2次安倍政権と同じように首相官邸主導の政治を進め、長期政権を築いた小泉政権。指摘される大きな違いは「人事」のあり方だ。小泉政権下でも、すでに官房長官や副長官らが、各省庁の局長以上の人事を審査する人事検討会議はあったが、「省庁が上げた人事を退けた記憶はない」(当時の官邸スタッフ)という。
実際、小泉政権で事務次官を務めた男性は、自らが示した省内の人事に「官邸が異論を挟むことはなかった」と話す。自身の部下が取り組んだ大型プロジェクトで、官邸側と意見が合わないこともあったが、その部下が人事で不遇をかこつことはなかった。この元次官は言う。「官僚は政策の選択肢について優先順位をつけて政治の側に提示する。その上で政治家が決断してくれれば我々の士気は高まる。人事にまで政治が手を出すと陰湿になり、士気は下がる」

その結果が、安倍マスクやGotoイートの不正利用など、費用対効果の低い政策だ。

閏十一月ニ十六日(火)
週間文春のホームページによると、週刊文春1月14日号に
自衛隊“幹部クラスター”を招いた“安倍前首相の甥”参加の忘年会

と云ふ記事が載った。
昨年末に防衛省が発表した海上自衛隊トップ、山村浩海上幕僚長らの新型コロナ感染。(中略)山村氏のほか、海幕ナンバー2の西成人海上幕僚副長ら海上幕僚監部では計8名がコロナに感染。(中略)「軍事組織は危機管理の点から、トップとナンバー2が同時に欠ける事態は絶対に防がなければなりません。そのため、コロナ禍では2人の同席を控えるのは常識。まして、菅義偉首相の8人会食が批判された直後の時期。山村氏の行動には『指揮官失格』との声も出ています」(防衛省関係者)

そして
「実は、山村氏らの送別会と同じ16日、同じ都内のホテルで副官3人が参加した別の“忘年会”が開かれていた。そしてこの宴席には同じ“秘書官”的な立場の統合幕僚長副官、防衛相副官、さらに岸信千世大臣秘書官も同席していたのです」(別の防衛省関係者)
岸信千世氏と言えば、岸信夫防衛相の長男にして安倍晋三前首相の甥。昨秋、30歳を前にフジテレビを退社し、11月13日付で秘書官に就任した。いずれ父親の地盤の山口2区か、子どものいない安倍氏の後継者として山口4区からの出馬が確実視されている。

岸と安倍の世襲は絶対に許すな。お友だち依怙贔屓も絶対に許すな。(終)

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