千四百九十六 (和歌)津軽鉄道復活大作戦
庚子(仏歴2563/64年、西暦2020、ヒジュラ歴1441/42年)
十二月五日(土)DMV
DMVとは、鉄道の車輪を出したり引っ込めたりできるマイクロバスである。津軽鉄道は、北海道新幹線の奥津軽いまべつからDMVを道路に走らせ、津軽中里から津軽鉄道を走らせる計画を立てた。しかし開発を進めたJR北海道が北海道内での相次ぐ事故で資金に余裕が無くなり、開発を中止。津軽鉄道も計画を中止した。
もう一つ、DMVと既存の鉄道車両を同じ線路に走らせることの難しさ(ホーム高さ、信号と踏切の検知装置)がある。この問題は、四国の阿佐海岸鉄道が、既存の鉄道車両を全廃しすべてDMVを走らせることで、四日前に車輛全廃と駅工事に入った。
津軽鉄道は、ストーブ列車が特長だから、これを廃止することはできない。それならば、五所川原と金木を気動車とストーブ列車、金木と津軽中里をDMVにする方法がある。
本当は、DMVの出入り口を工夫し、鉄道用のホームに乗降できればよいのだが。検知装置は光学、電波など、安く改良できるのではないか。
なほ阿佐海岸鉄道は、DMVを導入することにより、現在の鉄道運賃やバス運賃より、大幅に値上げするらしい。沿線住民の負担を減らすため、回数券を考へるらしい。これには絶対反対だ。
公共交通は、誰でも同じ料金で利用できるところに意義がある。珍しい乗り物だから値上げし、しかし沿線住民には割引をするなんて、そんなことを許してはならない。金沢市や京都市の宿泊税と同じで、観光を破壊するやり方には反対しよう。
津軽鉄道では、ストーブ車輛は運賃の他に500円が必要だが、普通車輛も連結する。阿佐海岸鉄道がそれと同じことができればよいが、DMVではできないのだから沿線住民だけを優遇してはいけない。

津軽には 太宰治の
斜陽館 津軽鉄道
立佞武多 観光資源は
豊富にて あとは一度の 乗り換へのみに
(反歌)全国が 津軽鉄道 応援し ストーブ列車は 今でも走る
(反歌)津軽へは 二度の乗り換へ 将来は 一度となれば 来る人増える

十二月六日(日)DMVを黒字化するには
北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅と、津軽鉄道の津軽中里駅の間を連絡バス「あらま号」が走ったが、今年九月三十日で廃止された。北海道新幹線が開通した2016年から今別町、五所川原市、中泊町などでつくる運行協議会が1日4往復を走らせた。しかし乗客はほとんどゐなかった。
原因として、このバスはまったく知られてゐなかった。私は比較的乗り物に詳しいが、その私でさへ今回津軽を旅行するまで、このバスのことを知らなかった。
DMVにすれば有名になる。JR北海道にとり奥津軽いまべつ駅は、膨大な赤字を垂れ流すだけの駅だ。JR北海道がこれまで開発してきたDMVが有効化する。
奥津軽 いまべつ駅を 有効利用
もう一つ DMVも 有効利用

JR東日本にとり、新中小国信号場(大平駅の少し手前で貨物が青函トンネル方向へ分岐する)から先は、超過疎区間だ。だから新中小国信号場から三厩までの線路を廃止し、この間はDMVが道路を走るやうにすればよい。大平駅からは津軽中里に行く。青森から蟹田までの電車は新中小国信号場まで延長する。JR東日本にとり、線路と気動車を廃止できるから、悪い話ではない。津軽鉄道に有利な条件で引き受けても、損はしない。
津軽線 津軽鉄道
黒字化は DMVが
最適だ それに加へて
奥津軽 いまべつ駅も 有効になる

車輪は走るためにある。だから導通が不十分だ。車輪の後ろに導通する機器を付ける方法もある。検知器を省略できるのではないか。
大平から三厩は鉄道が廃止されるが、反対運動をどう説得するか。DMVは鉄道の扱ひで運賃はJRとキロ程を通算する。DMVは鉄道と接続(遅れた場合は待つ)をする。今は五往復だが、これを七往復くらいに増やし、一往復は蟹田まで、四往復は津軽中里経由金木まで行く。
鉄道のBRT化で反対運動が起きたやうなことはない筈だが、この際、新中小国から津軽中里まではJR東日本の新設路線とするくらいの大盤振る舞ひをしても、JR東日本に損はない。

十二月七日(月)縮小再生産か、拡大再生産か
東北太平洋沖大地震のあと、被災路線を復旧するかBRTにするかで、ずいぶん時間が掛かった。あれは縮小再生産の一環でBRTにするからだ。津軽半島の活性化のためにDMVを導入するのであれば、周辺自治体は賛成するだらう。

十二月八日(火)五所川原駅周辺の繁栄
五所川原駅周辺の繁栄は、津軽鉄道に掛かってゐる。五能線にしか乗らないのになぜ、と疑問を持つ人が多いことでせう。津軽鉄道があるから、五所川原駅は乗り換へ駅として大きく取り上げられる。津軽鉄道がなければ、中間駅として小さな存在になる。
人口が周囲の駅より多い、と思ふ人もゐることでせう。今は自家用車が広まったから、人口はあまり関係しない。近くに学校があるかどうかのほうが大きい。
だから五所川原駅周辺の人たちにとっても、津軽鉄道は重要だ。駅前のバス待合所も、昭和の香りがして捨てがたい。五所川原市は、交通弱者に優しい街として、特長化してほしい。(終)

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