千四百六十 (和歌)蜂の一生から、六道輪廻を知る
庚子(仏歴2563/64年、西暦2020、ヒジュラ歴1441/42年)
八月二十四日(月)
昨日は、蜂が一匹現れ、崩壊した巣の外壁から内側までを歩き回って飛び去った。別の一匹は近付いたものの外壁には降りず、そのまま飛び去った。どちらも、土に落ちた巣には見向きもしなかった。
母が「可哀さうだね」と云ふので、働き蜂は寿命が二週間で、成虫は樹液などを食し、昆虫や他の蜂は幼虫に与へるためだから、巣が無くても生きられることを説明した。
翌日は偶に蜂ども飛びて来てかつての巣無く戸惑ひて 暫くの後ゐなくなる生き抜くだらう命の限り
足長蜂と雀蜂は、冬には女王蜂も働き蜂も死滅し、越冬できるのは新しい女王蜂だけだ。蜜蜂は、働き蜂も越冬し数ヶ月生きるものの、平時の働き蜂は他の蜂と同じで寿命が短い。
蜂の一生で思ふことは六道輪廻だ。一匹の女王蜂から多数の蜂が生まれ、冬になると新しい女王蜂だけが生き残る。蜜蜂の場合は働き蜂も生き残るが、春が来れば二週間で寿命を迎へる。
一匹が生き延びるため数千が次々生まれ死んでゆく 蜂の運命残酷だしかし気付かず明るく生きる
運命だ、残酷だと考へるのは人間だけで、動物は一切気にしない。これをどう解釈するか。
八月二十五日(火)
かつて人間は、動物より上位だった。その後、地球を滅亡させる行為を繰り返し、既に滅びた動植物は膨大な数に及ぶ。釈尊やキリストやムハンマドの時代とは異なる。
人間と動物の地位を変更しても、背教を心配する必要はない。昔の人間は動物より賢こかった。産業革命後の人間は動物より愚かになった。教祖や預言者の生きた時代と今では、これだけ違ひがある。
人間は今では悪魔破壊者に 神を恐れぬ悪行は人に非ざる変性人だ
八月二十六日(水)
今回の種類はコガタスズメバチ攻撃性は強くなし 攻撃性が最大はオオスズメバチ山に棲む 二位はキイロスズメバチ街に棲むにて極めて危険
攻撃性が強くないのなら、そのまま棲んでもらふこともできた。しかし
最初棲むアシナガバチを滅ぼして あとに大きな巣を作り巨大な躰見せつける 許容限度を大きく超える
コガタスズメバチは、名前と異なりオオスズメバチに次いで大きい。網戸の外で巨体が、巣から出入りする様子は不気味だ。オオスズメバチやキイロスズメバチみたいに攻撃性は強くないが、これは巣の大きさに関係するさうだ。
南方の国では冬がないので、巣が巨大化する。すると攻撃的になるさうだ。丁度シカの角が伸びたときは攻撃的で目付きまで意地悪になるのに、角を切るとおとなしく目付きも温和になるのと似てゐる。(終)
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