千四百三十五(モリカケ疑獄百九十四の六) 一番怯えるのは河合夫妻問題
庚子(仏歴2563/64年、西暦2020、ヒジュラ歴1441/42年)
六月十日(水)
モリカケ桜IR検察庁マスク河合夫妻の安倍が、一番怯えるのは河合問題ださうだ。mainichibook,comの「サンデー毎日×週間エコノミスト」ホームページに
「検察庁法改正」による「河井夫妻1・5億事件のもみ消し」で官邸VS検察バトル勃発の真相=鈴木哲夫(ジャーナリスト)【サンデー毎日】

と云ふ記事が載った。
今年1月の通常国会が始まる直前、自民党の元幹部は、こう話していた。 「今国会で首相官邸が一番ピリピリしているのは『桜を見る会』問題でも何でもない。河井克行・案里夫妻に絡む公選法違反事件だ。何を恐れているか。彼らに渡った1億5000万円の選挙資金の原資だ。その金が誰の指示で、どこから出て、どう使われたのか。検察がそこを追及していくと政権に大きな打撃になる」

なるほど黒川問題がここまでこじれたのは、かう云ふ理由があった。

六月十一日(木)
閣議決定して定年を半年伸ばした。そのあと検察庁法改正案を出した。その強引なやり方の裏には、隠したい何かがある。誰もがさう思った。それが河合夫妻の1億5000万円だった。

六月十二日(金)
記事は後半で
出身派閥である清和会幹部は、コロナ問題の特殊性と政権への打撃を次のように分析する。 「(前略)『モリ・カケ』も『桜』も確かに倫理的には許せない。でも、多くの国民が当事者というわけではない。コロナは違う。国民全員に降りかかり、一人一人が当事者だ。(以下略)」
コロナで露呈したのは、有事の対応のまずさである。 一例は、スピード感が皆無の緊急経済対策だ。

取材した事業主の声も載る。
毎月の家賃は計約120万円。5月21日になり、ようやく自民党が家賃支援策をまとめたようです。でも(中略)手元にお金が来るのは、早くて7月後半です。4月から自粛で売り上げはほぼゼロ。いよいよ一部店舗をたたまざるを得ません。金融機関と思っても今、金融機関の融資の申し込みは長蛇の列です」


六月十三日(土)
次はNewsポストセブンに載った週刊ポスト2020年6月5日号の
安倍首相が黒川氏をどうしても検事総長にしたかった事情とは

と云ふ記事だ。
黒川の事務次官時代は、モリカケ問題の時期に重なる。加計学園問題で文科大臣の下村博文の裏献金疑惑、森友学園問題では財務省の役人たちによる公文書の改ざんまで発覚し、いずれも検察の捜査は不発に終わった。黒川がどう立ち振る舞ったかは明らかになっていないが、首相官邸が恩義を感じてきたのは間違いない。

人事問題では
法務省が、今年2月8日に63歳の定年を迎える黒川東京高検検事長の後継人事案を提出し(中略)林を総長に据える意思を官邸に示したことになる。
だが、首相官邸はこれを差し戻した。

その背景は
検事総長の稲田伸夫が黒川の63回目の誕生日である2月8日の前に退任し、後継総長として黒川が1月中に就任するというシナリオである。

ところが
稲田は退任せず、そのシナリオは頓挫。挙げ句、安倍政権は検察庁法に存在しない検事の定年延長を1月31日に閣議決定する。そして今国会でそれをあと付ける最長3年の定年延長の法改正を持ちだしたのである。

そして、国内は大騒ぎになった。
定年延長という浅はかな発想を持ちだしたのは誰か、あと付けの法改正をしようとしたのは誰か。いまや官邸内はその責任追及で火花を散らしているという。ある官僚に聞くと、こう打ち明ける。
「黒川といえば、一般に菅(義偉)官房長官に近いイメージがあるかもしれません。しかし、菅さんは昨秋以降、重要決定の場から外され、総理から遠ざけられています。黒川さん自身他に官邸人脈がありますから、動いたのはそちらでしょう」


六月十四日(日)
検察庁の元をたどれば、明治時代の大日本帝国憲法下、裁判所内の「検事局」として発足している。終戦を迎え、裁判所法と検察庁法が整備され、裁判所から分離して今の検察庁と改編された。このとき検察官定年を63歳と定め、検事総長を65歳とした。
一方、国家公務員法は検察庁法に遅れて47年5月に制定され、ずっと定年はなかったが、1980年代に定年制を設け、定年延長も許されるようになる。検察官は国家公務員ではあるが、定年延長がないのは、誰がやっても捜査や起訴に公平性がなければならないからだ。

安倍のやらうとしたことは、これらに反する。
過去、安倍政権は2016年9月と2018年1月の2度、法務省人事に介入してきた。いずれも黒川のライバルの林を事務次官にしようとすると、官邸が差し戻し、林に代わって黒川が事務次官を務めてきた。したがって今度は3度目の政治介入となる。が、過去の事務次官はあくまで法務省人事であり、検察庁人事ではない。

今回は悪質だ。

六月十五日(月)
一ヶ月前の東洋経済のホームページに
安倍首相はなぜ、「言い間違い」を連発するのか

と云ふ泉宏さんの記事が載った。一ヶ月前なので
やはりというか、結局というべきか。新型コロナウイルス対策のための緊急事態宣言が5月31日まで延長された。
安倍晋三首相は5月4日、当初の期限である5月6日に解除できなかったことを「責任を痛感しており、国民にお詫びしたい」と沈痛な表情で語り、8割接触削減などの努力を改めて国民に訴えた。

安倍に騙されてはいけない。5月6日に解除するはずのものが1ヶ月伸びた。これは安倍の責任だ。その間の飲食店、観光関連、小売店個人商店などの困窮を考へれば、安倍の責任は重大だ。

六月十六日(火)
持続化給付金の給付開始時期を「8月から」と言い間違えるなど、コミュニケーション能力が改めて問われる事態となった。(中略)左右に設置されたプロンプターに映し出される発言要領と、手元のメモを見ながら約23分間続いた。テレビ画面では身振り手振りで熱弁しているようにみえたが、ネットのライブ中継では「がっかり」「悲しい」などという不満や落胆の書き込みが続いた。
熱弁のふりをしても、「8日から」を「8月から」と言ひ間違へるやうでは、単なる棒読みだ。自民党内部からも
この言い間違いに気づかなかったのは「まったく考えられない事態」(閣僚経験者)だ。(中略)「そもそもこれは間違うはずがない。メモ読みばかりに集中して、伝えるべき内容は上の空だったのでは」(自民長老)との慨嘆も広がった。
(終)

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