千四百三十五(モリカケ疑獄百九十四の五) 内閣人事局支配の終焉
庚子(仏歴2563/64年、西暦2020、ヒジュラ歴1441/42年)
六月五日(金)
NEWSポストセブンに
コロナ対策で総理への視線が変化 霞が関が隠す最大級の爆弾

と云ふ記事が載った。
2つとも共同通信によるものだが、一つ目の5月25日のものは、〈首相官邸に報告した法務省は、国家公務員法に基づく懲戒が相当と判断していたが、官邸が懲戒にはしないと結論付け、法務省の内規に基づく「訓告」となったことが24日、分かった。複数の法務・検察関係者が共同通信の取材に証言した〉とある。

そして
もう一つは、スピード承認に前のめりになっていた「アビガン」に関するものだ。共同通信は5月20日の配信で〈(アビガンについて)国の承認審査にデータを活用できると期待された臨床研究で、明確な有効性が示されていないことが、分かった。複数の関係者が共同通信に明らかにした〉と報じた。

安倍は
第一次政権当時、社会保険庁改革を打ち出した途端に「消えた年金問題」が発覚(2007年)して支持率が急落、(中略)そうした教訓から、首相に返り咲くと官邸に「内閣人事局」を設置して各省庁の幹部人事を一元的に掌握し、忖度官僚を出世させ、気に食わない官僚は容赦なく左遷する“恐怖政治”で官僚をおさえつけてきた。

これらについて
寺脇研・京都芸術大学教授が語る。
「コロナ対策で霞が関の総理への視線が明らかに変わった。総理は全国一斉休校を文科省の反対を押し切って法的根拠もなく実施し、クルーズ船への対応でも、厚労省内からおかしいという批判があったが、聞き入れなかった。挙げ句にアベノマスクというアホな政策に466億円。さすがに霞が関の官僚もこのままでは危険だと考えている。
これまではモリカケ問題などスキャンダルに口をつぐんできたが、総理の独断を止めるために過去の不祥事の決定的な証拠が明らかにされる可能性もある」


六月六日(土)
ロイターのホームページに
コラム:安倍政権、コロナ対策「大盤振る舞い」でも人気低下

と云ふ記事が載った。
新型コロナ対策の1次・2次補正予算の事業規模は総額200兆円を超え、(中略)日銀はすでに無制限の国債買い入れ策を表明。企業の賃料支払い支援や雇用確保に向けた雇用調整助成金制度も導入している。
ただ、こうした大盤振る舞いは首相の政治的立場の押し上げにはほとんど貢献していない。(中略)毎日新聞が23日行った世論調査で、内閣支持率は27%と今月初めから急低下。

記事の内容はそのとほりだが、一つ気になった。安倍が私費で行へば「大盤振る舞い」だが、国民の税金を使用してどこが「大盤振る舞い」なのか。使ったお金は、国民が返済することになる。まったく無駄だったアベマスクを含めて。

六月七日(日)
デイリー新潮に
コロナ禍に田中角栄が首相だったら――元側近ら語る「マスク2枚は配らない」

と云ふ「週刊新潮」2020年6月4日号の記事が載った。
「布マスクを配布するなんてね、田中先生だったらそんなバカみたいなことはやるはずがない。秘書官に言われるがまま実行に移すなんて、国のリーダーとしてあり得ません。田中先生なら経済活動と国民の命を同時に守る、バランスの取れた政策を取ったはずです」
鉄の結束を誇った角栄の後援会「越山会」元幹部の馬場潤一郎氏はそう語る。

布マスクの配布は、本当に筋が悪い。
角栄の元番記者で新潟日報社長の小田敏三氏も、
「角栄さんならマスク2枚配布は絶対にしないだろうな、と安倍さんの発表を聞いた時に思いました。角栄さんならまず、自分が泥を被ってでも大型の財政出動を最優先したはずです」

もう一つ、筋の悪いのが10万円だ。これについては
「田中先生なら一律の給付ではなく、明日食べられない人にお金を渡すような政策にしたでしょう。雪国に育った田中先生、オヤジさんは、冬になると収入がなくなったり、家族を置いて出稼ぎに行く人を間近で見てきた。だから新型コロナで職を失い、命を絶つ人がいるということもすぐに想像できるのです」
そう語るのは、角栄の元秘書の朝賀昭氏である。


六月八日(月)
自民党の石破茂元防衛大臣も、
「角栄先生の真骨頂というのは、困っている人を見捨てないところでしょう。(中略)弱い立場の人の気持ちが角栄先生には自分のこととして感じられる。今回のコロナ関連で言えば、テナントが家賃の支払いに困っている、といったことにもすぐに対応されたでしょう」

それだけではない。
また、角栄には金の配り方にも哲学があり、常々、
「金は受け取る側が実は一番つらい。だから、くれてやるという姿勢は間違っても見せるな」(中略)「今回のような支援策でも、角栄先生なら、『政府がみなさんにお金をあげますよ』という姿勢ではなく、苦しい思いをさせてすまない、どうぞ受け取って下さい、という姿勢を徹底されたと思います」(同)

次の首相は石破さんに決まりか。

六月九日(火)
安倍のコロナ対策失敗は、(1)全国一斉休校、(2)全国緊急事態宣言、(3)アベマスク、(4)10万円。この四つを並べれば、安倍自民党は選挙で大敗だ。
それに加へて黒川問題。黒川問題だけでも、安倍自民党は大敗だ。二つの大敗問題で、安倍政権はもはや崩壊寸前だ。(終)

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