千四百二十九 伝統破壊の暴走、国際化の暴走
庚子(仏歴2563/64年、西暦2020、ヒジュラ歴1441/42年)
五月二十日(水)1.(伝統破壊の暴走、旧本門宗X寺派)編
伝統破壊が暴走する。日本の宗教界で最大の活動信者数を持つXX会が所属した旧本門宗X寺派における1965年から30年間の騒動は、まさにそれだった。
65世貫首堀米日淳が急死するまで、XX会の布教により信徒数が激増したものの、教義やお寺の様子にほとんど変化はなかった。
この宗派は、貫首が大変な権威を持つ。しかし宗務院、宗会、参議会、監正会が機能し、貫首は非常時における、教義と宗務の裁定に留めることは、七百年間の智慧だった。貫首は選挙で決め、貫首は学頭(次期貫首候補)を任命し、七年の任期だった時代もあった。
それなのに妻帯準僧侶Xが66世に就任して以来、七百年間の智慧を破壊してしまった。XX会が妻帯準僧侶Xさんの時代に布教を完成すると発言したことも大きかった。妻帯準僧侶Xさんもその気になってしまった。七百年の智慧は二度と回復できないだらう。

五月二十一日(木)2.(伝統破壊の暴走、国内全般)編
伝統破壊はXX会とX寺派だけではない。日本の宗教で、神仏習合と云ふ千数百年の伝統を破壊してしまった。比丘は妻帯しないと云ふアジア二千数百年の伝統も、国内では破壊してしまった。

五月二十三日(土)3.(国際化の暴走、国内全般)編
薩長幕府による日本史上最悪の政策は神仏分離、二番目は岩倉使節団であらう。明治四年から一年九ヶ月も欧米に出掛ければ、当時は産業革命度が異なるから、拝西洋になることは目に見えてゐた。
西南の役は、征韓論の西郷と延期論の大久保などの戦ひと云はれてきたが、本質は国内にゐて思想が変はってゐない西郷と、拝西洋になった大久保の違ひだ。大久保は決して、平和主義でも親朝鮮でもない。

五月二十四日(日)4.(国際化の暴走、旧本門宗X寺派)編
岩倉使節団は、自分達よりはるかに贅沢な生活を目にして、拝西洋になった。同じことがXX会とX寺でも発生した。XX会会長の布教隊長XさんとX寺法主細井妻帯準僧侶Xさんが、仲良くアメリカやヨーロッパを訪問し、拝西洋になった。
拝西洋が悪い理由は(1)こなれた伝統美が破壊される、(2)自分たちに都合のよい解釈、(3)心に安らぎを与へない。
お寺には伝統美がある。ところが欧米を訪問し、カトリック寺院やプロテスタント教会を目にすると、伝統美を破壊してもいいと勘違ひしてしまふ。カトリック寺院やプロテスタント教会にも伝統美があることに気付かない。
数学で云ふと下方に閉じた放物線のグラフと同じ形だ。左が日本のお寺、右が西洋のXX教で、左右が高く中間が低くなる。日本人が西洋にかぶれても、完全に西洋と同じにはならない。だから左と右の間に留まる。これは低い位置だから醜い。私がときどき、西洋の真似をするのなら言語を印欧語に変更しXX教に改宗し食事も肉食にして、そのあと何世代も経過しないと駄目だと主張する理由はこれだ。しかしそこまで非西洋国はもたない。
正本堂はその典型で、周囲と調和しなかった。新興宗教の建物みたいで、心に安らぎを与へない。妻帯準僧侶Xさんも晩年はそのことに気付いて、信は荘厳より起こる、と一回だけ言った。
昭和三十年代のXX会は、すべての国民を信者にすることを目的にしたが、昭和四十年頃にインドの故事「舎衛の三億」を持ち出して、国民の三分の一が信者になれば布教完成と変更した。三分の一なら、できない数字ではない。ところが昭和四十五年に言論出版妨害事件が起きて、XX会は布教を中止し、失敗に終はった。
失敗の理由は、表面的には言論出版妨害事件だ。しかし本質的には、堀米日淳までの伝統を排し、法主絶対、会長絶対を国際化の名のもとに進めたことが原因とみた。法主が細かいことまで口を出すやうな宗教が、もし三分の一に広まったら国内が大変なことになる。
法主絶対と会長絶対を国際化の結果と呼ぶ理由は、それまでの伝統を破壊した。この当時は米ソ対立があり、アメリカ側にも蒋介石親子や朴正熙の独裁など、独裁を含む。世界の宗教では更に独裁がある。
国内で布教を進めると同時に、世界にも広まったとする。その場合に、世界のことはそれぞれの国に任せるのがよい。日本側が変更する必要はない。それなのに国内を変更するから、布教に失敗した。

五月二十五日(月)5.(作家X、石原莞爾との整合)編
最近になって、昭和四十五年以降に僧Xを信仰すると性格が悪くなると主張を始めた。作家Xや石原莞爾を称賛することと、どう整合をとるのか。
まづ、作家Xや石原莞爾が僧Xを信仰したのは、昭和四十五年より前だし、当時の世界情勢を見れば、これは当然のことだった。
次に、僧Xを信仰しても、例外に入れば悪くはならないことを示した。特にX宗やXX会のやうな巨大組織以外は、門祖、派祖の伝統を引き継ぐことで例外に入れることを示した。
作家Xと石原莞爾の信仰した国柱会は、旧本門宗北山本門寺と関係が深く、北山本門寺は末寺と塔中が40に満たなかった。(終)

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