千四百二十六(モリカケ疑獄百九十三の五) このままでは「第二の湖北省になる」
庚子(仏歴2563/64年、西暦2020、ヒジュラ歴1441/42年)
四月二十日(月)
Wedge5月号のホームページに
台湾の研究者が日本の新型コロナ感染拡大を試算、5万人感染で「第二の湖北省になる」と警告
と題するジャーナリスト野嶋剛さんの記事が載った。
台湾大学化学部の徐丞志准教授が、(中略)新型コロナウイルスの感染者数の今度の動向について試算を行った。
その結果、「悲観的シナリオ」としては、日本の感染者数のピークは4月26日前後になり、日本全体の累計感染者総数は5万人に達する可能性があるという試算となったという。
湖北省の感染者数は約6万8000人だったから、5万人と云ふのは大変な数値だ。徐さんについては
中国・湖北省や韓国のケースで予測が的中に近い形となり、英雑誌『エコノミスト』にも紹介され、台湾のメディアなどから注目されるようになった。
かうなった原因について
日本と台湾は2月から3月にかけて、同じように、感染者は低いレベルを維持していました。しかし、3月下旬から現在まで、日本の感染者数は大幅に増加した結果、台湾とは大きく差が開くことになっています。あくまで個人的な見方ですが、日本は3月下旬の春分の日の三連休など休日の外出が制限されたなかったことと、大きな関係があるのではないでしょうか。(行楽地などへの)大規模な人の移動が、新型コロナウイルスの拡散を引き起こした可能性があります
三連休に、私は上野公園、浅草を調べに行った。上野公園は宴会禁止のため通行人の間隔が空き、これは安全だった。浅草は路上や境内で人が密集する場所があちこちにある上に、道端の食堂ではたくさんの人が飲食し、危ない状況だった。
しかしその光景を見て、そのときは安心した。国や都が、規制や行政指導をして、それがこの状態なのだから日本はまだ安心だ、と。ところがその後、感染者が激増した。三連休が悪かったと云はれ出したが、あとの祭りだった。
四月二十一日(火)
三連休で悪化したのは、安倍の責任だ。
(1)2月24日に「この1~2週間が感染拡大のスピードを抑えられるかどうかの瀬戸際だ」と発言
(2)全国の学校を一斉休校
(3)三つの密を防ぐと発表し、接触感染を無視した
(4)50代以下は、高齢者のため外出しないやうにと云ふ間違った情報を広めた
このうち(1)と(2)で、まづ国民が緊張した。しかし緊張はいつまでも持続できない。(3)では、接触感染を無視するとともに、密は三つ揃はなければ大丈夫だと云ふ錯覚を与へた。短時間以外は二つでも駄目だし、長時間は一つでも駄目だった。(4)では、59歳以下が在宅勤務をしなくてもいいやうな錯覚を与へたし、夜間の飲み屋や風俗営業に行っても大丈夫なやうな錯覚を与へた。
四月二十二日(水)
支給する10万円は免税ださうだ。これだと高額所得者ほどトクをする。消費税ができてから、庶民の所得税は極めて安くなった。免税してもほとんど効果がない。免税は高額所得者ほどトクをする。
公務員や大企業正規雇用者や年金受給者は、コロナウィルス騒ぎでも収入に影響がない。残業手当が減った、乗務手当が減ったなどあっても、他の産業では支払はれないものだから、本来に戻っただけだ。
それに比べて、飲食業、小売業、娯楽産業などの個人経営やその従業員は大変だ。さういふところにこそ支給すべきではないのか。中小企業では、業種によって大変なところとまだ大丈夫なところがある。私の勤務する会社は、5月6日までは在宅勤務だが、それを超えると自宅待機になり、給料が減額されるらしい。
全員に10万円をばらまくなんて、絶対にやってはならない。
四月二十三日(木)
今からでも遅くはない。10万円ばらまきを中止させよう。国の財政は消費すればよいと云ふものではない。費用対効果が大切だ。
NewsWeek日本版に載った小幡績さんの
日本はコロナ危機ではなく人災だ
によると、まづ
世論は政府に現金給付を求め、政府ができないというと、自治体が現金を給付することとした。東京都は50万、あるいは100万円を配る。そんな国は世界中どこにもない。
なぜ日本だけができるのか? 危機が他の国ほど深刻でないからである。米国でやったら、あっというまに国家破産である。
記事は続けて
一方の政府も危機感がないから、世論対策で消費者を含む全国民に14兆円を配ることにした。もし危機が深刻なら、14兆は消費者に一円も配るべきではないし、その余裕はなく、すべては失業者、倒産防止のための資金繰りの金融支援に投入するべきだし、そうしないと持たない。
四月二十四日(金)
人々も10万円を政府に配らせて勝利だというネット世論が盛り上がるぐらい余裕があるのである。危機ならばカネはすべて医療と失業者に集中させなければいけない。
ここまで同感だ。更に
経済的な悲鳴が出ているのは、危機ではないのに、中途半端に危機だと煽った、政治家、メディア、人々が多数派であったからである。そのために、余計な対策ばかりに奔走し、マスクや10万円を配るという危機感のない対応をすることなり、知事たちも政治活動に熱心で、休業をお願いするのにカネを配るという世界的に例を見ない、人々に媚びた対応をしたのである。(中略)本当に危機なら、休業は必須だし、カネをもらわなければやらないというような行為は許されないはずだ。今のパニックはコロナによるものでなく、真の危機感のない人々が大騒ぎしたことによって起きた人災だ。
ここで危機感のないことについて、記事の始めに戻ると
日本のコロナ危機は、世界でもっとも深刻度が低いものであったからだ。
死者が出ているから、このような発言は避けるのが普通だが、そのため誰も言えなくなっているが、あえて言うと、日本のコロナ危機は相対的に深刻でなかったし、いまだにそうだ。死者は増え続けているが、いまだに300人弱であり、米国の約200分の1だ。対応を絶賛されているドイツですら死者は5000人を超えている。
カネは医療と失業者に集中させるべきだ。10万円給付は中止せよ。(終)
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