千四百十一 印象に残ったニュース(1.秩父鉄道、2.翔んで埼玉、3.太陽光送電費用、4.加藤日出男さん逝去)
庚子(仏歴2563/64年、西暦2020、ヒジュラ歴1441/42年)
一月十六日(木)
最近観たニュースで、印象に残ったものを幾つか紹介したい。まづは、秩父鉄道の高崎線への貨物連絡輸送が廃止になるニュースだ。しかも秩父鉄道内の貨物輸送も、当面は続けるといふことなので、いつかは廃止になるかも知れない。秩父鉄道は貨物の比率が多いと思ってゐたので、このニュースは以外だった。
秩父鉄道は、元は熊谷駅構内で貨車の授受を行なった。熊谷貨物(タ)駅ができて、そこに付け替へた。熊谷(タ)からはもう一本専用線があって、籠原駅の電車留置線の外側から民間の工場に向かった。秩父鉄道との連絡線と民間工場専用線、民間工場専用線と電留線は長い区間を平行なのに交差しなかった。
二十年くらい前だらうか間工場専用線が廃止になった。そして今回秩父鉄道との連絡線が廃止になる。

一月十七日(金)
二番目は「翔んで埼玉」が日本アカデミー賞の、優秀作品賞、優秀監督賞、優秀脚本賞、優秀主演男優賞、優秀主演女優賞、優秀助演男優賞に選ばれた。これは驚いた。
「翔んで埼玉」は主演の男がまづ男女不明の髪型だ。主演の女は、設定が男なので更に男女不明だ。話を車内のラジオで聴く形式にしたことや、浦和と大宮の争ひに与野が口を出さうとして無視されるなど、工夫があちこちにあり、その部分はそれなりに面白い。
空気の臭ひから東京の地域を当てるコンテスト、神奈川が東京に付く、千葉が埼玉を出し抜いて東京に媚びる。これらも面白い。熊谷は群馬みたいな言葉と言ったり、東京に住まうと思ったのに春日部になったと落胆するところも面白い。
だからと言って、男優の男女不明髪型と、女優の男女不明の欠陥は打ち消されないし、そもそもあのやうな設定が作品に何の効果があるのか。日本アカデミーのたくさんの章を受賞したことは、日本の映画界の薄さを示したのではないだらうか。
原作は1982(昭和57)年。埼玉南部の住宅化が進み、しかし繁華街にまではならない時代だった。今は開発され過ぎて田畑や林が無くなり、逆に埼玉を自虐しても問題のない世の中になってしまった。

一月十八日(土)
太陽光発電について、送電費用の負担を公平にする案が出た。日経新聞電子版によると
これまで電力の小売事業者が託送料金で負担していた送配電設備費用を発電事業者にも分担させる。(中略)ただFIT(再生可能エネルギー固定価格買い取り制度)の発電事業者については、追加コストと同水準を補填して調整する措置(調整措置)を置くことを検討することになっていた。FIT事業者が販売価格への転嫁ができないことに配慮した。

ここまでは反対が出なかった。ところが
「利潤配慮期間」と呼ばれる12年7月~15年6月に認定された電源については、買い取り価格自体が高額に設定されていることを理由に、調整措置の対象外という案が19年夏に浮上した。

これは当然だ。高額なのに補填では不公平だ。ここで言へることは、自然を破壊した太陽光発電は許されない。家屋やビルの屋上なら良い。山林や田畑は駄目だ。

一月十九日(日)
若い根っこの会会長の加藤日出男さんが、昨年12月22日に亡くなった。私は一回会ひに行ったことがある。厚労省の委員をされたので、中野サンプラザに机があったが、サンプラザの民営化で廃止されたことを話された。
加藤さんは作詞もされたが、三鷹淳に悪く云はれ、音楽学校出は鼻もちならないと話された。加藤さんは気さくで愉快な方だった。(終)

メニューへ戻る 前へ 次へ