千四百六(モリカケ疑獄百九十一の四) 安倍友批判
庚子(仏歴2563/64年、西暦2020、ヒジュラ歴1441/42年)
一月二十一日(火)
麻生が地元の新春国政報告会で講演を行った。そこで次の発言をした。
2000年の長きにわたって一つの国で、一つの場所で、一つの言葉で、一つの民族、一つの天皇という王朝、126代の長きにわたって一つの王朝が続いているなんていう国はここしかありません

昨年五月に施行された「アイヌ民族支援法」ではアイヌ民族を先住民族としてゐる。アイヌ民族支援法はともかく、今から数十年前まではまだアイヌ語を自然に覚へた人がゐた。
麻生の発言は悪質だが、その後の言ひ訳のほうがはるかに悪かった。
誤解が生じているならお詫びの上で訂正します

誤解は生じてゐない。つまり麻生は、お詫びをしてゐないし訂正もしてゐないことになる。

一月二十二日(水)
麻生の発言にもう一つ悪い部分がある。「一つの天皇という王朝」だ。天皇は王朝ではない。王朝を任命する立場だ。鎌倉幕府など三つの幕府は、客観的に見れば王朝だ。戦国時代の独立大名も、幕府への帰属意識の有無にもよるが、一般には王朝だ。それに対し天皇は、王朝を任命する立場だ。
また、室町時代の初期に南北朝があったのは、厳然とした歴史の事実だ。だから「一つの天皇」は正しくない。まだある。一つの王朝が今でも続くとなると、日本は国王制なのか。麻生は今の日本が国王制なのかどうかと、国王は誰なのかを国会で答へなさい。

一月二十三日(木)
MAG2ニュースに
ここにもアベ友の影。無茶な「リニア新幹線」がゴリ押しされる訳

と云ふ記事が載った。
ジャーナリストの高野孟さんは今回、自身のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で、各新聞や雑誌でも指摘されている自然破壊問題や技術及び安全面のリスクを挙げ、リニア新幹線を「乗客・乗員の命を守れるのかどうかも疑わしい未成熟なレベルの代物」と結論づけています。

まづ糸魚川静岡構造線について
日本列島を東西に二分するほどの大きな断層線が通っている。それはユーラシア・プレートと北米プレートとがせめぎ合いを繰り返して極めて複雑な地層の入り組みを形づくり、今なお年間4ミリの隆起が続いているところである。(中略)頑丈な鉄筋コンクリートで固めれば、どんなところでも大丈夫とJR東海は考えているのだろう。

次に大井川の水量変化について
「南アルプスのトンネル工事で減少する水量は最大で毎秒2.67トン」という根拠不明の試算を持ち出し(中略)ところが、これは工事現場で流出する水量の話で、工事によって地下水の水脈を切断してしまうと、その上流の川の水源が枯渇し、イワナなども絶滅する可能性が高い(以下略)


一月二十四日(金)
記事は続き、『選択』19年12月号「実用技術“完成”は嘘八百/JR東海がひた隠す“リニア・リスク”」を紹介し
第1に、リニアは、灯油を燃料とするガスタービン発電装置で車内の照明などの電力を賄うことになっていたが、(中略)余りにも危険。そのためJRはリニアのレール部分から非接触で電気を取り込む画期的な技術を開発したが、これはまだ実験段階に留まっている。
第2に、「すれ違いの恐怖」問題である。(中略)営業運転に入った場合には頻繁に時速500キロの車両が(中略)スレスレの近距離ですれ違った時に何が起きるかは「人類にとって未知の領域」で、(以下略)
第3に「クエンチ」問題がある。これは前々から言われていることで、車両を浮上させる超電導磁石は、マイナス253度で電気抵抗のない状態を実現するが、それが微小な部分で超電導が破れると急激に磁石全体が常電導となり、これを放置すれば巨大な爆音を伴って急激に極低温冷却液が沸騰して突然に磁力を失う。(以下略)
第4に、非常時に車外に脱出した乗客の電磁波被害という問題がある。(中略)事故が起きて乗客が急ぎ脱出しなければならないという時に、車外の強い電磁波がどういう影響を及ぼすかについてJR東海は口を閉ざしている。


一月二十五日(土)
「もっと速く」という20世紀的思想の時代遅れに加えて、リニアの「超電導」という技術の原理的な無理無茶と実際的な未成熟があり、それでも「安倍首相のお友達」ということだけで推進されてきたのがリニア新幹線である。突き放して見れば、すでにほとんど実現不可能のようにもみえる(以下略)
これは重大な問題だか
実はJR東海は最初から、「そういうこともあろうか」と覚悟していたのではないかと上記『選択』は指摘する。
▼もしJR東海が超電導リニア開業を断念しても、中央新幹線は現在走っている鉄輪方式で開業させることが可能な構造になっている。
▼トンネルの大きさは、東海道新幹線の車両が通行できるようなサイズで作られており、経路勾配も最大40バーミルに制限され、鉄輪式車両が通行可能。(以下略)
▼国の財政投融資資金も投入されている。これで単なる鉄輪式新幹線の建設ということになれば、やっていることは「融資詐欺」と変わらない……。

記事は結論として
リニア新幹線は、文明論的には全く以て二重に時代錯誤であり、技術論的には「穴だらけ」で(中略)こんなものを安倍首相と葛西がお友だちだからと言って、公費まで費やして強行するなどあり得ない。今年の「こんなもの要らない」リストの筆頭がこれである。

文明論的とは、今やネットワークの時代だから、急いで東京から名古屋に行く必要はない。テレビ商談で充分だ。ましてやリニア新幹線、新幹線、在来線の三つを一つの会社が経営するのは、利用者の利益にならない。
人口減少期を迎へ、日本列島全体のことを考へれば、東海道沿線に人口と産業をこれ以上、集中させてはならない。(終)

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