千三百七十五(モリカケ疑獄百八十八の四) 1.河野の「雨男」発言、2.萩生田の「身の丈」発言、3.菅原辞任の安倍発言、を批判
己亥、西暦2019、ヒジュラ歴1440/41年、紀元2679年、仏歴2562/63年
十一月一日(金)
河野が防衛相失格の発言をした。毎日新聞のWebによると
「私はよく地元で雨男と言われた。私が防衛相になってからすでに台風が三つ」などと述べた自身の発言について(中略)陳謝した。そのうえで「自衛隊は災害派遣の要請を受けて業務にあたっている。その努力と処遇改善の必要性について申し上げた」とも述べた。

雨男や雨女を自称する人間にろくなのがゐない。世の中は自分が中心だと勘違ひしてゐるからだ。何かの行事があるときに、雨男と晴女と雨女とその他大勢が参加する。それなのに自分だけが特別だと勘違ひするから、かういふ発言が出る。
ここは河野の発言を信用して、河野が原因で台風が三つ来たとしよう。災害に会はれた膨大な数の人たちに対して、河野はどう責任を取るのか。防衛相辞任で済むか、国会議員辞任もするか。
河野の陳謝には変な部分がある。「自衛隊は災害派遣の要請を受けて業務にあたっている。その努力と処遇改善の必要性について申し上げた」と云ふが、雨男とどう云ふ関係があるのか。
河野は、安倍にべったりだから批判される。石橋湛山が首相の時に、総裁選の対抗馬だった岸信介を閣内に入れた。石橋の急病で、岸は棚からぼた餅で首相の座を手にするが、それは後の話だ。
閣内だからと言って、首相の言ひなりになってはいけない。それだと閣議は無意味だ。閣議は取締役会と同じで各大臣は国の運営に責任を持たなくてはいけない。

十一月二日(土)
河野の「雨男」発言と並んで、萩生田の「身の丈」発言もひどいものだ。朝日新聞の電子版によると
2020年度から始まる大学入学共通テストで活用される英語の民間試験について、萩生田光一文部科学相がニュース番組で「身の丈に合わせて」と発言したことについて、批判が相次いでいる。(中略)英検などの民間試験の利用で、受験生の経済状況や地理的条件によって不公平が生じないかと問われ、「それを言ったら『あいつ予備校通っていてずるいよな』というのと同じ」(中略)「自分の身の丈に合わせて、2回をきちんと選んで勝負して頑張ってもらえれば」と答えた。

萩生田の非常識には驚く。これに対し
菅義偉官房長官は28日午前の記者会見で、萩生田氏について「適材適所だと思う」と述べた。

結局は、英語民間試験の延期が決まった。これで萩生田の文科相辞任は避けられない。適材適所と発言した菅の辞任も避けられない。

十一月三日(日)
経産相菅原の辞任について、安倍は次のやうに発言した。産経新聞電子版によると
菅原氏から、『自らの政治資金の問題でさまざまな報道がなされ、大切な国会審議の時間が自らの問題に割かれる事態となってしまった。(以下略)』との申し出があり、受理いたしました。

つまり菅原は「自らの政治資金の問題」で辞任したのではなく「報道がなされ、大切な国会審議の時間が自らの問題に割かれる事態」になったので辞任した。国会審議の時間が割かれることについて、与党が質問するはずはない。
つまり菅原は、報道と野党が悪いので、自分が犠牲になって辞任すると言ったに等しい。それなのに安倍は辞表を受理してしまった。安倍の辞表受理責任は、任命責任の10倍は重い。

十一月四日(月)
七月二十二日のAERAに次の記事があった。 AERAdotによると
自民党内からも批判の声 安倍首相「フェアな精神」忘れトランプ流を貫く?

と云ふ題で
自分に都合の悪い質問に関しては、真正面から答えず、その質問の手法に疑問を呈し、メディアの印象操作と言う。トランプ大統領が、自分を批判した媒体の記者を名指しして「フェイクニュース」と決めつけ、激しい口調で恫喝する姿勢と重なる。

そして記事は最後に
自民党内のベテラン議員からは情けないと声があがる。
「かつての自民党が大切にしてきたのは、フェアな精神。派閥同士の議論でも、他党の議員に対しても、正々堂々と議論を戦わせる。党内であれば、議論を経て最終的な結論が出たならば、その時はノーサイドで一致団結する。この善良な政治風土を壊したのは、米国ではトランプ大統領であり、日本では安倍首相だ」


十一月五日(火)
Jiji.comに
身の丈発言「影響ない」=英語民間試験の延期で-萩生田文科相

と云ふ記事が載った。それによると萩生田は
1日の閣議後記者会見で、大学入試への英語民間試験の導入延期について、「私の発言が直接影響したということではない」と述べ、試験をめぐり「自分の身の丈に合わせて頑張って」と発言し、批判を集めた自身の責任は否定した。

あの騒ぎは、萩生田の発言が大騒ぎになって導入を延期した。それ以外に考へられない。もし偶然時期が重なったのなら「身の丈」発言の時に、「この件は文科省内で検討してゐる。内容は云へないが」と答へるはずだ。それがなかったのだから、「身の丈」発言の後に慌てて延期を決めたとしか考へられない。
今回の嘘は、学園事務局長が嘘を吐いたことになった事件に匹敵する「嘘つき事件」だ。

十一月八日(金)
衆院予算委員会で、安倍がやじを飛ばし、審議が中断した。Jiji.comによると
立憲民主党などの共同会派に所属する今井雅人氏は、学校法人「加計学園」による獣医学部新設をめぐる問題を追及。今井氏が文部科学省内で作成されたメモを取り上げ、「誰かが作った」と指摘。内容の真偽をただしていたところ、首相が自席から「あなたが」などと声を上げた。
今井氏は「なぜ私が作れるのか。失礼だ」と抗議。これに対し、首相は「誰か分からない中では、誰だって可能性があり、今井氏だって、私だってとなる。そういう趣旨をつぶやいた。申し訳なかった」などと釈明した。

まづ、誰か判らない中でも、可能性のある人とない人がゐる。安倍はそのことが判らないらしい。自動車の運転に例へれば、加速しろと云はれれば思ひっきりアクセルを踏むし、減速しろと云はれれば急ブレーキを掛ける。安倍の頭には、中間がない。ゼロかイチかのデジタル思考で、危ない男だ。
次に、つぶやいたとは呆れた云ひ訳だ。相手に聴こへるやうに云へば、つぶやきではなく発言だ。議会だと不規則発言だ。最近は、選挙のときにやじを飛ばすと警察官に排除される。安倍は首相の椅子を排除されたほうがいい。(終)

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