千三百五十九 1.昼食の話題、2.おばあちゃんの知恵袋
己亥、西暦2019、ヒジュラ歴1440/41年、紀元2679年、仏歴2562/63年
九月五日(木)
昼食は、野菜を持って行くことが多くなった。一時、500円で弁当を買ふことが続いたが、いつの間にか、戻ってしまった。戻る理由はあった。浮いたお金でタイ料理やミャンマー料理の店に行くのだ。しかしどうも後付けの気がする。飽きたのが正解だ。
野菜は、コショウを掛けることが多くなった。これは期限切れのコショウがあるからだ。しかも二本ある。一本は6月に切れて、まだ少し残ってゐる。もう一本は5月に切れて、中は満杯だ。おばあちゃんがボケて買って、そのままにしたのだらう。
後者はもったいないから、お昼の野菜に掛けて会社に持って行く。野菜にコショウを掛けても美味しくはならない。しかしまずくもならない。インターネットで調べると、コショウは体に良い。
九月六日(金)
家の近くで買ひ物をするときに、生協は取引禁止店に指定した。それは会員カードが1枚しかないから妻が所持し、私が買ったときレシートを後日持っていけばポイントが付く扱ひにした。それなのに妻が持って行ったら、期間が過ぎたためが、駄目だった。
ただし取引禁止店は私が買ふときだけで、妻は普通に購入してゐる。これは会員カードが1枚なのも影響してゐる。
先日、ビッグAで卵1パック10個などを買った。生協と同じでビッグAもポリ袋が無料で付かない。ビッグAは代はりに空の段ボール箱を自由に使へる。段ボールを両手に持ち、僅かだが雨が降るので傘を持った。家の手前で、手が滑って段ボールが落ちた。卵が五つくらい割れた。
家に帰り卵を調べると、八つ割れた。しかしパックの中なので、殻を取り除き母と相談して、かき混ぜてフライパンで炒めた。醤油を少し入れた。母が更に鍋で加熱して何か入れた。
これが豆腐の料理みたいで美味しい。夕食で半分食べて、翌朝残りが全部無くなった。母が云ふには、どんなものでも調理を工夫すれば、美味しくなると云ふ。なるほどおばあちゃんの知恵袋だ。
九月七日(土)
母は、最近起きたことに対して、物忘れがひどい。プラごみ用の袋に紙を捨ててはいけない、と言っても捨てるし、プラごみはゴミ箱に入れては駄目だ、と言っても入れる。
先々月は、本人も参加したケアマネージャーとの打ち合はせで、脳外科の検査をしてもらふことになった。それなのに当日になって、行かないと言ひ出した。尤も翌週になって気が変はり、病院に連れて行くことができた。
しかし古いことはよく覚えてゐる。母の姉(私から見れば伯母)は電電公社に務め、二番目の姉は中部電力ださうだ。母は松本電鉄、妹は松本電鉄系タクシー会社だから、姉妹そろってずいぶんいいところに就職したものだ。
それに比べて男の兄弟は、なんてことは口が裂けても云へない。今風に云へば、指が裂けてもキーボードから入力できない。
妹が前に、鯉のゐる家に伯母や従姉と行って宿泊したことがあった。母と私はそのとき東京に残ったので、母に尋ねると祖母(母の母)の親戚で、伯母とは別の婚姻関係でも親戚らしい。百瀬の姓で、祖母は「ももぜ」(太字は高いアクセント)と発音するさうだ。今は「ももせ」と発音する人が多いが、祖母の発音が正しいのだらう。
祖母の実家は製糸業で、祖母は住み込みの女工たちの食材を買ひに市内まで通ったさうだ。祖母が前に、横田まで松本市内だと言ったことを思ひ出したが、横田の地名が思ひだせない。母が桜橋かと云ふが違ふ。地図で見ると、山辺から松本に行くには桜橋を通る。母の昔の記憶は正確だ。(終)
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