千三百五十八 1.京浜急行の踏切事故、2.自転車の話
己亥、西暦2019、ヒジュラ歴1440/41年、紀元2679年、仏歴2562/63年
九月五日(木)
本日午前十一時過ぎに、京浜急行の神奈川新町駅と仲木戸駅の間の踏切で、ミカンを積んだ大型トラックが踏切で電車とぶつかり、電車は3両が脱線し、先頭車両は大きく傾いた。それと同時に、大型トラックから激しく黒煙が噴き上がり、テレビや、インターネットの写真、動画で大きく報道された。
トラックの運転手が死亡、電車の33人が負傷した。あまりの光景に、多くの人が、トラックの運転手は死んで当然だと感じたのではないだらうか。アメリカで銃を乱射した犯人が射殺されても、誰もが当然だと感じるのと同じだ。
京浜急行は京急川崎と上大岡の間が運休し、夕方は京浜東北線が、南行の蒲田と桜木町まで臨時電車を増発した。
この辺りは、かつて自転車でよく走った場所だ。あの踏切は何回も渡った。
九月六日(金)
今朝は始発から、京浜急行の京急川崎と横浜が運休と発表された。京浜急行は優秀だ。運休区間を短くとる。それと比べて、JR東日本は全線を運休にすることが多い。
全線を運休にすれば運用が楽だ。境界の駅での混雑もない。しかし乗換駅が混むことに気が付かないらしい。鉄道会社の使命は、運休区間を少なくすることだ。そして混雑情報を発表し、境界の駅で混まないやうにするべきだ。
踏切事故は、詳細がだんだん明らかになってきた。大型トラックが狭い道から曲がれず、20分ほど立ち往生し、そのあと踏切に無理に入り、切り返しを繰返すうちに間に合はなかったらしい。
昨日の時点では、電車に大型トラックが横から衝突したと報道されたが、それは間違ひだった。
九月七日(土)
鉄道の非常ブレーキは、一旦掛けるとすぐに解除することができない。通常ブレーキは、非常ブレーキより減速度が低い。この二つが、踏切緊急信号で非常ブレーキを掛けなかった理由かも知れない。
非常ブレーキがすぐ解除できない理由は、故障の場合に安全側に転ぶ仕組みが原因だ。今は電線を引き通す方式が多いから、すぐ解除できる車輛もあることだらう。まづ改良すべきは、通常ブレーキの減速度を非常ブレーキと同じにまで拡大することだ。
九月八日(日)
踏切の障害検知装置は、鉄道側が自主的に行ふものだ。自動車の運転者は、踏切に入る前は窓を開け一旦停止し、それから渡る。前の車が大丈夫でもこれらを実行することは、教習所で習った。
つまり警報機が鳴らないときでも、それは安全を意味しない。唯一の例外は踏切に信号機が設置してある場合で、青のときは鉄道側が安全を保障してゐる。
非常ボタンが役立たなかったのは、鉄道側が悪い。非常ボタンを押したら接近し過ぎた場合を除き、停止しなくてはいけない。接近し過ぎたか、或いは障害検知装置と同じ合図だと非常ボタンと運転士は認識しないかも知れない。
九月九日(月)
自己が起きた日は、ほとんどすべてのマスコミが時速120キロで衝突したと報道した。なかにはもっとひどい報道もあった。リアルライブによると
『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)の安藤優子アナウンサーのある発言が物議を醸している。(中略)「常識的に京急はとてもスピードを出すっていうことで知られている」「次の停車駅の横浜駅の3つ手前(の駅付近)でこの事故が起きました。3つ手前くらいというのは徐行に入るところでしょうか?」と発言した。
スピードを出すことは、一般には乗客サービスの向上だからよいことだ。安藤さんはよほどマスコミに不適格なのだらう。事実
視聴者からは、「常識的に京急がスピード出すってなに?電車を悪くしたいの?」「なんで京急がスピード出しすぎって印象にしたいのかな…」「語弊のある言い方。どの電車だって快速だったらスピード出るでしょ」といった批判の声が殺到している。
「(前略)番組では幾度となく『時速120kmに近かったか』『衝突直前にブレーキをかけたか』などというテロップを出しており、『電車の方が悪いみたい』『印象操作しようとしてるの?』と困惑する声も多く寄せられてしまいました」(芸能ライター)
翌日になって、電車はブレーキを掛けたことが明らかになった。フジテレビは完全に失格だが、時速120キロで衝突と報道した各社も、情報が少ないとしても灰色だ。
九月十日(火)
近くに浦島太郎伝説のお寺などがあり、何回も自転車で行ったことを思ひ出す。
数回だが、家から自転車で勤務先まで行ったこともあった。総持寺踏切は待ち時間が長いので閉口した。その数年後に踏み切りが朝夕は自動車通行止めになり、そのうち踏切自体が廃止された。
自宅から横浜みなとみらい地区に行くとき、この辺りをよく通った。京急鶴見、花月園前、生麦、神奈川新町は自転車の思ひ出が多い。(終)
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