千三百五十六(モリカケ疑獄百八十六の三) 依怙贔屓の戦後最悪例は中曽根の国鉄民営分割だ
己亥、西暦2019、ヒジュラ歴1440/41年、紀元2679年、仏歴2562/63年
九月七日(土)
戦後最悪の依怙贔屓は、中曽根の国鉄民営分割だ。貨物の操車場経由の輸送は廃止され、赤字の原因は無くなった。あとは余剰人員をどうするかと云ふときに、労働組合のうち最も国民から嫌はれた組織を寝返らせてから、雇用の依怙贔屓を行った。
所属労組による差別は大問題になり、国鉄精算事業団を引き継いだ鉄建公団と、その後継の鉄道建設・運輸施設整備支援機構に対しての訴訟は、争議団側が勝利した。
自民党政権である中曽根の戦後最悪依怙贔屓は、現総裁である安倍が引き継ぐ。だいたい安倍のやり方は、中曽根にそっくりだ。
まづは、モリカケの依怙贔屓。二番目に、タカ派でありながら中曽根の別名と同じで「風見鶏」だから、出したり引っ込めたりする。三番目に、アメリカに過度の諂ひ。
中曽根はレーガンと、ロンヤスの関係と呼ばれた。安倍はトランプ来日で、ゴルフカートの運転と大相撲にソファー持ち込みを行った。中曽根は日本列島不沈空母発言でロシア(当時はソ連)との関係が悪化し、安倍は、北方領土交渉でロシアとの関係が近年で最悪となった。

九月八日(日)
牧久さんの著書『暴君』(小学館)について、東洋経済オンラインが紹介してゐる。
松崎氏は“JRの組合のトップ”という表の顔の裏に、極左組織・革マル派の最高幹部の顔を持っていたのだ。

インタビューでマスコミが今まで黙ってゐた理由を問ふと
――恐怖心?

そうです。決定的となったのは、1994年にJR東日本管内のキヨスクの売り場から『週刊文春』が全部排除された問題です。小林峻一氏の「JR東日本に巣くう妖怪」と題する連載記事にJR東日本の労使が激しく反発、キヨスクでの販売拒否という信じがたい行動に出たのです。
あの当時は新聞も雑誌の駅売りの比率が非常に高く、キヨスクで販売できないと経営的には非常に痛い。キヨスクに『週刊文春』だけ並ばないという状態が3カ月も続きました。結局文春が「全面降伏」して事態は収束しましたが、こうなるとマスコミの側で自己規制が働き、松崎明氏や異常な労使関係の問題は扱いづらくなってしまいました。

JR総連だけではない。会社側も同罪だ。93年に上場したとは云へ、それまで株は政府が所有してゐた。歴代自民党政権の責任は重大だ。国鉄精算事業団の債務は鉄道建設・運輸施設整備支援機構が引き継いだのと同じで、その責任は現総裁の安倍が引き継ぐ。

九月九日(月)
記事は続いて
2006年には『週刊現代』でジャーナリストの西岡研介氏が「テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」を連載しました。しかし、この記事は松崎・組合側から50件もの訴訟を受けたのです。(中略)メディアがこの問題を扱うのはどうしても慎重にならざるをえない。だからJRの内部で起きていることが世間に伝わらなかったのだと思います。

50件もの訴訟を受けること自体が異常だ。なぜマスコミは訴訟の件を報道しなかったのか。キヨスクで販売できないことを恐れたとすると、これはJR東日本の会社側に重大な責任がある。
JR東日本の言論妨害を放置してきた政府の責任は重大だ。この責任は現自民党総裁の安倍が引き継ぐ。

九月十日(火)
朝日新聞に「好書好日」と云ふ欄がある。そこにノンフィクション作家野村進さんによる
牧久「暴君 新左翼・松崎明に支配されたJR秘史」 労組を牛耳った男の不気味さ

と云ふ記事が載ったので、これも紹介したい。
本書の帯には、〈巨大企業を恣(ほしいまま)にした「暴力と抗争」〉とある。(中略)日本最大の公共交通機関・JR東日本の労働組合に君臨し、「JRの妖怪」と恐れられた松崎明という人物である。私は本書を通じて、現代の日本につい最近までバリバリの革命家がおり、大企業の実権を握って、将来の共産主義革命に備えていた事実を詳細に知った。

記事は続き
もはや昔話だが、JRの前身の“国鉄”には、“国労”“動労”“鉄労”の三大組合があった。動労の松崎は、昭和末の国鉄民営化が不可避とみるや、「コペルニクス転換」を遂げる。それまで敵対してきた鉄労に頭を下げ、最大労組の国労を切り崩しにかかるのである。
そこには深謀遠慮があった。JR設立後、国労に取って代わって労組を牛耳り、経営にも参画しようというのだ。作戦は図に当たり、JR東日本の「影の社長」と呼ばれるまでになるが、彼の実践を支えていたのが、徹頭徹尾、新左翼組織“革マル派”の革命理論であったことを知ると、不気味さを禁じえない。

そんなJR東日本を今まで放置した歴代自民党政権の責任は重大だ。債務は安倍が引き継ぐ。

九月十四日(土)
三十二年前の民営分割が、今でも悪臭を放つ理由は、当時の国労、動労、鉄労のうち、鉄労と労使協定を結んだのなら、誰もが納得する。鉄労は昔から労使協調だったからだ。それなのに最も過激で、最も国民から嫌はれた動労と協定を結んだからだ。こんな出鱈目な依怙贔屓は無い。
そして昨年二月まで、加入しないと職場で少数派になるから、実質はユニオンショップに近いJR総連が、労使そろって出版言論妨害をしてきた。
こんな出鱈目の筋書きを立てたのはJR東海の葛西さんで、しかし葛西さんはJR総連とは手を切ったからセーフだ。葛西さんと仲が良い安倍はアウトだ。なぜなら、中曽根の猿真似が多い上に、依怙贔屓の本家だからだ。(終)

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