千二百九十三 1.学校法人でも信用できるとは限らない、2.頭が腐ると全体が腐る
平成三十一己亥年
四月十三日(土)
学校法人を名乗っても信用できるとは限らない。首相の名が県の文書に書いてある件は事務局長の嘘だったと発表があり、それでゐて首相官邸は学校法人に抗議をせず、文部科学省は学校法人に解散命令を出さない事件でも明らかだ。
今回はそれとは別の事件で、或る福祉大学の留学生大量失踪事件を挙げたい。その理由は私が三十年前に勤務したコンピュータ専門学校の隣に、この福祉大学の前身の専門学校があり、コンピュータ専門学校が廃校になった後に校舎をこの大学が買ひ取り、そのまま使用したから私が授業を行った教室も残った。
拡張したときは、大学の威力はすごいと驚いた。大学となれば或る程度の基準が守られると世間からは見られる。専門学校みたいに入学者を集めるのに苦労もない。私の勤務する専門学校は三十年前に入学者を集めるのに苦労してゐた。高校卒業者数がピークのときにこの有り様では、将来経営が苦しくなることは目に見えてゐた。雲泥の差があると驚いた。
その一方で、三十年前からこの大学と前身の専門学校を信用することはできなかった。その理由は、ここの校長だか理事長が、私の勤務する専門学校の校長といっしょに香港を旅行したと云ふ話を聞いたからだった。

四月二十日(土)
私の勤務する専門学校の校長はよくなかった。卒業後の女子学生と性的関係があり、校長と親しい数名(組織の長は全員を公平に扱はなくてはいけないから、親しい数名をえこひいきするだけでもこの男は校長失格だった)がそのことを雑談で校長に云ふと、関係するなら卒業後にしろよ、と言ったさうだ。教育者とは云へない品性下劣な話だ。
似た話で、或る女性教師(既婚)が、何々先生と何々先生は、後ろを通るときにお尻に触る、と話した。私はさういふことをしないから話してくれたのだが、今ならセクハラだと騒ぎになるところだ。
もっと下品な話がある。専門学校の卒業生で二年間実験助手をさせたあと、教員に採用することがあった。法律では専門学校や短大卒は四年間の実務経験、大卒は二年間の実務経験がないと教員資格がない。つまり在学と実務合はせて六年間だ。だから専門卒で実務二年は違法なのだが、私の勤務する専門学校は違法だらけだったから、こんなことがまかり通った。
そんなことで採用した新人教員を、先輩教員たちが買春に連れて行った。その教員の学生時代に担任の女性教員(既婚)が翌日「あらやだ、何々君、本当に行ったの」と大笑ひするなど、とんでもない職場だった。
そんな校長といっしょに海外旅行するとは、ひょっとして同じレベルなのかと思って三十年経過し、今回の騒ぎになった。

四月二十一日(日)
これ以外に、理事長脱税事件もあった。私が採用された三か月ほど後に、予備校と専門学校を経営する理事長の脱税事件として各紙が社会面で報道した。この当時、私は分校舎勤務だったが、その日の夕方に本校舎の事務局長から電話があった。私が電話に出ると「xx先生(注、私のこと)だとちょっとまづいな。xx君(事務局長の教へ子で、当時は実習助手)はゐますか」と云ふので、すぐに呼んだ。電話が終ったあと、10分ほど外で何か作業をした様子だった。
戻ったあと尋ねると、脱税が新聞に載ったので看板を外すやう指示されたさうだ。分校舎があることは、東京都には無届だった。一つの専門学校が別校舎を持つことは、東京都から許可されなかった。
三年後に専門学校から転職したが、つくづく思った。上に立つ人間は不道徳なことをしてはいけない。組織は頭から腐る。(終)

メニューへ戻る 前へ 次へ