千二百三十九 JR東日本は公共交通の資格がない(高輪ゲートウェイ駅)
平成三十戊戌
十二月七日(金)
JR東日本が、品川と田町の間に作る新駅を「高輪ゲートウェイ」駅と発表した。これに対して批判が大量に出てゐる。JR東日本は国民を馬鹿にしてゐるのか。こんな変な駅名を付けてよいはずがない。
日本に来た外国人が、移動に最もよく使ふのは鉄道だ。団体客は観光バスを使ふが、個人だと鉄道が一番多い。それなのに東京で一番よく使ふであらう山手線に「高輪ゲートウェイ」駅なんかがあったら、それこそ国恥ものだ。

十二月八日(土)
JR東日本が変な駅名を付けた理由は、周辺の空き地だ。かつては客車操車場(懐かしい呼び方である。東海道新幹線が建設された頃から車両基地と云ふ変な名称が出てきた)があった。その跡地を開発するのだが、変な駅名を付けることで有名にしようとした。
場所から見て、変な駅名にしなくても人気が出ることは間違ひない。鉄道会社は公共交通が第一の使命だ。それを放棄して土地で儲けるのなら、鉄道事業はJR東日本から取り上げるべきだ。

十二月九日(日)
武蔵野操車場が機能廃止となった翌年に新三郷駅が開業した。しかし広大な操車場跡地は長いこと売れず、国鉄清算事業団が解散し、かなり経過してから売却された。その翌年に吉川美南駅の新設が発表された。
武蔵野線は駅の間隔が長く、速いことに特長がある。だから中間に駅を新設してはいけない。途中に駅を作ったことによる地球温暖化の増加(力行時の電力消費から減速時の回生電力を引き、ブレーキ片の摩耗分の原料制作電力を加へる)は大きいし、乗車人員の時間の無駄は膨大な量になる。
鉄道会社に関係する土地の高価売却のために、新たに駅を作る。「高輪ゲートウェイ」駅とそっくりだ。

十二月十三日(木)
駅名そのものが悪い上に、駅名を決定する手続きも悪かった。J-CASTニュースによると
「2020年に誕生する新しい駅の名前を、私たちは皆さまと一緒に考えたいと思います」
今回の新駅命名にあたり、JR東日本が発表した呼び掛け文の一節だ。駅の名前を、一般から「公募」したのは、JR東日本としては初の試みである。深沢祐二社長も「新しい駅だけでなく、新しい街も同時に作る今までにない事業なので、名前も公募することにした。広く応募してほしい」(当時のNHK報道より)と述べるなど、広く門戸を開く姿勢を示していた。

それなのに
選ばれたのはわずか36票、130位にとどまった「高輪ゲートウェイ」だった。

ちなみに1位「高輪」、2位「芝浦」、3位「芝浜」。どれも響きのよい駅名だ。
「高輪ゲートウェイ」が発表されてからというものの、世間はまさにブーイングの嵐だ。(中略)「Jタウンネット」がサイト上で実施した緊急アンケートでは、実に95.8%(1551票中)が「別の名前に変えた方がいいと思う」と回答するという、異例の結果となった。


十二月二十一日(金)
サンスポ.COMに
志らく、高輪ゲートウェイに激怒「絶対ヤラセ、今から撤回すべき」

と題して、立川志らくさんの発言が載った。
「芝浦とか芝浜で良かったと思うんだけど。山手線の歌ってあるんですよ。うちの娘が幼稚園で歌う。これ歌いにくいじゃないですか」と不満を述べた。
新駅の名称は一般からの6万件を超える応募をもとに検討が進められ、「高輪ゲートウェイ」の応募は36件(130位)だった。これについても「今から撤回すべきですね。絶対ヤラセですもん。36票なんて入れるわけがない。世間の人は入れないですよ。絶対関係者が入れた36票」


十二月二十二日(土)
最近、車内放送と駅の放送で気になる口調に遭遇した。語尾を「でーす」と伸ばす言ひ方だ。通常の運転状況なら、まだ我慢もできる。しかし「10分ほど遅れまーす」と云はれると、迷惑をかけておきながらその言ひ方は何だ、と不満を感じる。JR東日本はきちんと指導しなくなったのではないか。この傲慢さはJRが発足して三十年を経過したことによる堕落から来る。(終)

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