千百七十五 東急・批判
平成三十戊戌
八月四日(土)
東急東横線の菊名駅が先週の日曜から悪くなった。今まで改札は(1)上りと下りのホームの間と、(2)上りホームの北側の二箇所にあった。(2)はJR横浜線との連絡通路が廃止になった代替だから、乗り換へ客が多少大回りになったものの、まだ許容範囲だった。つまり昔からの歩行者の動線を踏襲する。
先週の日曜から新たに旧連絡通路の頭上に改札ができた。乗り換へ客が大回りしなくて済むから、これは良い事だ。ところが今まであった二か所の改札のうち(1)が廃止された。これは歩行者の動線を無視した悪い設計だ。
判り易い例を挙げると、JRと東急上りホームの間に6車線の幹線道路がある。ここに4車線の道路が合流するものの、下りホームに行くには6車線を横断しなくてはいけない。道路が空いてゐるならよいが、交通量の多い時に6車線を横断したら渋滞や事故を起こす。
予想どほり三日目くらいから警備員が合流部に立つやうになった。しかし警備員が立っても、列が膨らむだとか、最後尾の位置を示すためではないから何の役にも立たない。
解決法は、廃止した上りと下りの間の改札を復活させ、その代はり上りの北側の改札を廃止するしかない。これは昔からの動線だ。更に云へば二十年くらい前までの、JRと東急の間に改札機が無かった時代の動線でもある。

八月四日(土)その二
その数日後の朝、東急東横線に乗ったところ「前から二両目は床と座席が汚れてゐます。途中の駅で清掃するまでご注意ください」と車内放送があった。日吉駅で清掃を行ひ数分遅れで出発した。この電車は次の元住吉で通勤特急の通過待ちをするから、日吉を定時に発車して清掃は続けて元住吉で通過待ちをすればよい。それなのに遅れて出発するから後続の通勤特急も遅れ、元住吉で抜かれるのも遅れ、その先でも前を走る通勤特急が混んで遅れるから駅の手前で停車した。
ここまでならまだ許容範囲だ。ところがその先で「前から二両目は床と座席が汚れてゐます。渋谷駅で清掃するまで、ご注意ください」と社内放送があった。つまり日吉駅を数分遅れて発車したのに、時間が足りなかった。清掃したのは日吉駅の駅員だらうが元住吉まで行ってはいけない理由はない。

八月五日(日)
平成26(2014)年2月15日は大雪だった。深夜の0時半ころ、元住吉駅で追突事故を起こし重傷1名、軽傷71名だった。この事故の後、東急電鉄は過度な対策を取るやうになった。東急電鉄は、過ぎたるは猶及ばざるが如しのことわざを知らないらしい。大風、大雨、大雪のときに過度に減速運転する。
あと通常の気候のときに、扉を閉めるときに駆け込み乗車があったり扉に物が挟まると、一旦開けたあと発車音楽を再度鳴らしてから閉める。開けるのはよいことだが、発車音楽を再度鳴らすことは余計な操作だ。
以上の二つにより東急は、天候の悪い時は極度に遅れるし、天候が普通のときもラッシュ時は遅れやすい。このことはインターネットの乗り換へ検索ページの乗車時間には反映されないし、不動産の都心までの乗車時間にも反映されない。しかし確実に遅延時間が他社より多い。つまり沿線の乗客は見えないところで不利益を被ってゐる。

八月六日(月)
三か月ほど前だらうか、東急電鉄の車内に、東急保険コンサルティング株式会社の広告が載った。
1日10円、年3650円。通勤通学の思いがけないトラブルに「わたしの弁護士」という保険

通勤通学でトラブルが起きるとすれば、混みすぎるのが原因だ。その解決をせず弁護士に年3650円払へと云ふのは、公共交通の使命を放棄したものだ。菊名駅みたいな動線にすれば、必ずトラブルが起きる。東急保険コンサルティング株式会社を儲けさせるためではないかと勘繰りたくなる。

八月十一日(土)
東急セキュリティと云ふ会社がある。菊名駅の合流部分の警備員が東急セキュリティなのかどうかは不明だが、一般の警備会社と比べて東急セキュリティが不当利益を上げてゐないかどうか監視する必要がある。鉄道事業は公共性が高いから、一般の警備会社が参入できるのかどうかも監視する必要がある。
私は鉄道会社が副業を行ふことには賛成だ。だから東急が電気事業に参入したことに敬意を表する。過去に、JRグループが電話に進出したことがあった。日本テレコムである。成田空港とJR函館駅には日本テレコムのクレジットカード式の公衆電話があったので、海外旅行に行くときは成田空港から家に電話を掛けたし、寝台特急「北斗星」で函館駅に到着したときは、ちょうど妻が出産で実家に帰省中だったので、自宅に留守電がないかリモートで調べたことがあった。
クレジットカード式の公衆電話は、その後の携帯電話の普及で廃れてしまったが、もし携帯電話が流行しなければよいアイディアだ。(終)

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