千百七十四 1.(モリカケ疑獄百四十六)石破さんと野党はTPP脱退で大逆転を、2.行動経済学が解く日米開戦の謎
平成三十戊戌
八月十五日(水)基本産業
TPPは日本の農業を決定的に衰退させる。食糧自給率が14%に激減すると云ふ試算もある。当ホームページはこれまで基本産業と云ふ言ひ方を用ゐてきた。農林水産業、流通業、生活必需品工業のことだ。
首都圏を離れると、基本産業の比率が高い。TPPは基本産業を衰退させ、全国を衰退させる。アメリカを見倣ひ、TPPの脱退を掲げて、石破さんと野党は大逆転しよう。
八月十六日(木)1都1道2府43県全体の維持
多くの国民が、1都1道2府43県全体の維持を願ってゐる。しかしこれまで首都圏だけが異常に膨張してきた。
この状態でTPPが発効すると、首都圏が更に膨張し、しかし全国の人口は減少する。名古屋、関西は少しの減少に留まるとしても、残りの1道38県は大変なことになる。今こそTPP脱退を掲げるべきだ。
八月十七日(金)最新の行動経済学
日経BizGateに
最新の行動経済学が解く日米開戦の謎
と題して、牧野邦昭さんのインタビューが載った。それによると
開戦すれば高い確率で日本が敗北、という指摘自体が『だからこそ低い確率に賭けてリスクを取っても開戦しなければならない』という意思決定の材料になってしまったと考えています。
なぜそんなことになったかと云へば
A 確実に3000円支払わなければならない
B 8割の確率で4000円支払わなければならないが2割の確率でゼロになる
とA・Bの選択肢があるとします。Bの期待値はマイナス4000×0.8=マイナス3200円ですが、実際にはBを選ぶ人が多いことが実験結果で分かっています。人間は損失を被る場合にはリスク愛好的な行動を取るのです
TPPはまさにその典型だ。日米開戦ですべての将兵が戦死した訳ではない。空襲で都市の住民がすべて亡くなった訳ではない。
同じやうに、TPPですべての産業が駄目になる訳ではない。輸出を増やす産業はある。しかし多数の産業が犠牲になる。
八月十八日(土)北朝鮮に拉致された日本人を取り戻す方法
アメリカはTPPを脱退した。それなのに日本が中心になって、残存した国でTPPをまとめてしまった。アメリカが日本を快く思ふはずがない。それが米朝会談に表れる。そして北朝鮮は、日本に冷淡な態度を取る。
拉致された日本人を取り戻すには、TPPの脱退しかない。安倍が脱退しないなら、国民は石破さん或いは野党に期待する。
八月十九日(日)都市部の生活も悪くなる
都市は周囲に田畑や森があるから、健康的に生活できる。私が中学高校生のときは東京の足立区、世田谷区、練馬区には田畑が広がってゐたし、国道17号中山道の戸田橋から先は、あたり一面が田圃だった。
これは中小都市でも同じで、40年前の写真では田んぼの中にあったお寺が、今は民家や倉庫に囲まれるやうになった。人間は長い間、緑に囲まれて生活してきた。広大な市街地に住むことは、生活の質を下げることになる。
農業の職業選択肢を残すことも重要だ。人には農業が向く人、製造業が向く人、商業が向く人などがゐる。今の制度は親が農業ではないと農業に就くことは難しいので、今後は株式会社化などで農業に就業したい人にはその機会を与へるべきだ。
昭和20年から平成元年辺りまでは、工場勤務が農業に適する人を吸収してきた。しかしプラザ合意のあと、工場勤務は激減した。そして都市部の治安や生活の質は悪化した。あるお寺では入口の仏像に「浄財」と書かれた頑丈な金属製の小箱があった。20年程前の早朝、その箱が道の中央にころがってゐた。誰かが中を盗んだのだらう。そのとき世の中の治安悪化を強く感じた。今でも小箱は付けられてゐない。
TPPで農業を縮小すると、都市部は大変なことになる。
八月二十日(月)地球温暖化を防ぐためにもTPP脱退を
TPPは海運、陸送、空輸で物品が移動することを前提とする。イギリスのEU脱退は、深層心理では輸出入に伴ふ二酸化炭素の排出に抵抗を示したのかも知れない。表面の心理では移民の増加だが。
ドイツ、フランス、イタリアは、フランク帝国の国王が三人の子供に分割相続したことで建国された。EUはこの3国を中心に、周辺国が加はったものだから、準国内と云ふ感覚がある。だから域内運送に伴ふ二酸化炭素の放出に、それほど抵抗はない。
日本はイギリスと同じで島国だ。イギリスは英仏海底トンネルがあるが、それでもEUを脱退した。海底トンネルがあるから、移民が流入した背景はあるが。余談だがEU内でも国境を超えるときに域外人と思はれるときはパスポートの提示を求められる。私はドイツからオランダに鉄道で超えるときに、国境が見へないかとデッキで外を凝視してゐたら、入国管理の職員にパスポートの提示を求められた。
地球温暖化を防ぐためにTPPを脱退する。これで石破さんは勝利できる。石破さんが惜しくも及ばないときは、野党が勝利できる。(終)
前、(モリカケ百四十五)へ
次、(モリカケ百四十七)へ
メニューへ戻る
前へ
次へ