千百七十二 最近見つけた三つの優れた記事(1.星野リゾートの「教科書通り」経営、2.武田氏滅亡の主因川中島の合戦で信繁を失った信玄、3.脳科学で分類"4タイプ別")
平成三十戊戌
七月二十八日(土)
最近三つの優れた記事に出会った。まづは日経ビジネスオンラインの
深化する星野リゾートの「教科書通り」経営

と題する記事だ。星野リゾートがなぜホテルを再生できるのだらう、或いは新しい型のホテルを立ち上げられるのだらうか。私にとって謎だった。しかしこの記事を見て納得することができた。私が一番感心したのは
教科書は部分的に採用してもダメだということです。全体をトップが先頭に立って徹底するのが重要です。会社全体で取り組まずに「この部署だけで」などとやろうとしても、教科書はうまく使えないと思います。

まづ、経営者の中には自分に都合のよい部分だけを真似する人が多い。成果主義がよい例だ。だから全体を採用することに感銘した。また会社全体に採用することも重要だ。経営者はとかく除外する人を作りたがる。
「できるところからやっていこう」は、それなりに効果があるかのように聞こえるかもしれません。しかし、実際には効果がありません。だから私がそうすることはありません。

これは貴重な経験則だ。
フラットな組織でフラットな議論が行われているからといって、私が「社員に意見を出していただき、自分は思っていることを言わない」わけではありません。私もフラットな組織の1人。だからどんどん発言しますし、そう簡単に議論で負けるとは思っていません。私に従うのはあくまでも言っていることが正しいからであり、ポジションによるわけではありません。フラットな組織とはそういう状態です。

これは見事な自信だ。星野リゾートの秘訣はここにある。

七月二十八日(土)その二
NTT東日本のホームページに
甲斐源氏嫡流・武田氏滅亡の主因川中島の合戦で信繁を失った信玄

と題する加来耕三さん執筆の記事がある。これも貴重な情報だ。この記事を読む前の私の意見として、川中島の戦ひは関東各地の戦ひと連動するもので、結果として織田の台頭を許し武田、上杉双方の負けと云ふものだった。しかし記事によると、武田はこのあと大変なことになる。
信繁を失った武田家は、柔軟性を欠き、脆弱(ぜいじゃく)になっていく。やがて信玄と義信は方針を巡って対立。信玄は嫡子を死なせる。

なるほど信繁の死は、武田滅亡の引き金となった。

七月二十八日(土)その三
President onlineに、都立駒込病院脳神経外科部長の篠浦伸禎さんの記事がある。
脳科学で分類"4タイプ別"性格診断テスト

と云ふ題で、人間には左脳型と右脳型があるさうだ。
左脳は「理性の脳」で、人や物の境界をはっきりさせることに快感をおぼえます。攻撃的な傾向があり、たとえば西洋人は個人と個人の境界が明確で、自己主張も強くて左脳型といえます。

そして
右脳は「関係性の脳」で、人や物の境界をできるだけなくすことを心地よいと感じます。全体の調和を重視する半面、何か問題が起こると逃避的な傾向を示し、日本人は右脳型といえるでしょう。

ここまでなら、これまでもよくある分類だ。篠浦さんはこれと組み合はせて、2次元か3次元で分類する。まづ脳に入った情報が1次元、「好き」「嫌ひ」などの情動を加へて情報の一部分を狭く深く見ると2次元、情報全体を俯瞰すると3次元になる。左脳 は
【智】考える人:左脳3次元
本質を見るスピードや考え方の変化が速い/目的・目標が明確で、結論から考え始める/情動的な関わりが苦手:織田信長、徳川家康、大久保利通
【信】支える人:左脳2次元
原理原則にこだわって人間関係に問題を起こす/緻密な情報をもとに、物事や考えを整理整頓するのを得意とする:石田三成、明智光秀、江藤新平

右脳 は
【勇】行動する人:右脳3次元
空間のなかでの動きが速い/思考と発言が同時/周囲を巻き込む力が強い/常に自由で楽しいことや刺激を求める:豊臣秀吉、高杉晋作、桐野利秋
【愛】尽くす人:右脳2次元
相手に合わせすぎて主体性を失いがちになる/狭くて濃い人間関係をつくる:前田利家、西郷隆盛、坂本龍馬

左脳の3次元と2次元は仲が悪く、右脳の3次元と2次元も仲が悪いさうだ。また、同じ次元の左脳と右脳も仲が悪い。と云ふことは同じタイプか、左右たすき掛けがよいのか。篠浦さんは、左脳3次元と右脳2次元を好相性とする。
記事は以上だが、だからと云って同じタイプばかりが集まると、大変なことになる。仲は悪くてもいろいろなタイプがゐるのがよい。仲の悪さを吸収する仕組みが必要だ。(終)

メニューへ戻る 前へ 次へ