千百六十六(モリカケ疑獄百三十九) 続、上が腐ると下まで腐る
平成三十戊戌
七月二十日(金)
16日Literaに
安倍首相が災害放置をごまかすために“やってる感”演出に必死! でも実際はカジノ審議優先、河野外相はフランスで大はしゃぎ
と題する記事が載った。
安倍政権の危機管理能力のなさが露呈した西日本豪雨だが、初動対応に向けられている批判をかわすためか、安倍首相は遅すぎる「リーダーシップ」を発揮(してる感をアピール)するのに躍起になっている。
具体的には
安倍首相は昨日も同会議に26分間参加したあとは私邸に帰宅。本日も官邸で16分間、小此木八郎・防災担当相や菅義偉官房長官、杉田和博官房副長官らと面談したあとは、同会議に21分間出席すると、やはり私邸へ帰っていった。
この行動原理について
安倍首相は以前、政治学者の御厨貴・東京大学名誉教授に対し、「『やってる感』なんだから、成功とか不成功とかは関係ない」と語ったことがあるという(『政治が危ない』御厨貴、芹川洋一・著/日本経済新聞出版社)。数十分の会議で強い言葉だけを残し、公邸ではなくすぐに私邸に帰宅してしまう態度は、まさにこの「やってる感」でしかない。
七月二十一日(土)
BLOGOSに
安倍首相がもっとも頻繁に会う男は「諜報のプロ」だった
と題する記事が載った。
本誌は、直近一年ぶんの首相動静を調べ、安倍晋三首相(63)と面会した人物をランキング。主要官庁の幹部、“お友達” 政治家、重鎮議員……。
そんなお歴々を押さえて、126日を記録して1位だったのは、K(記事は実名)内閣情報官(61)だ。日数の多さから、首相の信頼ぶりが窺える。
まづ首相は諜報活動の専門家と会ふ必要もあるだらう。本当は官房長官など別の人間に任せるべきだが、直接会ふことが必要な場合もある。しかし126日は多すぎる。自民党非安倍派と野党は、首相がこれだけ会って何を話し合ふのか想像力を働かせるべきだ。そして絶対に脅迫に引き下がってはいけない。脅迫に屈しないことは政治家の必要条件だ。
七月二十二日(日)
K内閣情報官は警察官僚の出向(だと思ふ。警察庁を退職して内閣情報官になった可能性もあるが)だから法を遵守しなくてはいけない。というか大臣や秘書官などすべての公務員は遵守しなくてはいけない。
内閣情報官と126日も会って個人情報を話し合ったりしなかつたか、自民党非安部派と野党は検証及び国会で質問すべきだ。自民党各派である人への支持表明をした人は何か弱みでも握られたのではないかと、勘繰りたくなる。この点の調査も必要だ。
七月二十三日(月)
話を最初のLiteraに戻すと
『日曜討論』(NHK)では、自由党の森ゆうこ議員が、(中略)「いまこうやって与野党集まって話しているだけでも、相当いろんなことを検討できるわけですよ。だから、カジノをやっている場合じゃないですよ。(中略)自民党と公明党。カジノやめてください、災害対策に集中してください」
(前略)この森議員の発言に対して、自民党の参院副会長である愛知治郎議員は、こう言い放ったのだ。
「カジノというお話がありましたけれども、これはカジノだけではなくIR法案、総合リゾートの推進法案でありますから、それはしっかり議論していくべきだと考えております。(中略)災害対応は急務であり、最優先で取り組むべきでありますけども、その災害が起こったからといって、ほかの課題をまったく無視していいわけではありません」
「カジノじゃなく、カジノを含むIR法案だ!」などとできの悪いご飯論法みたいなことを言ったかと思えば、「災害が起こってもカジノは無視しない」と断言するとは……。
総裁が悪いと参院副会長まで悪くなる。災害の最中にカジノ法案をごり押しした。これは次の選挙で大いに宣伝しよう。
七月二十四日(火)
記事はまだ続く。次は首相が悪いと外相まで悪くなる例だ。
河野外相は14日、フランス・パリでおこなわれた革命記念日の軍事パレードに出席。安倍首相が8日になるまで非常災害対策本部を設置せず、その上、外遊取りやめを9日になるまで決断しなかったのは、自衛隊も参加するこのパレードに是が非でも出席したかったからではないかとも囁かれているが、渡仏した河野外相は安倍首相の分まで楽しもうと思ったのか、フランスから連続ツイート。それは、仏外務省内にあるという豪華絢爛な「王の寝室」のレポートだった。
〈フランス外務省には、王の寝室と呼ばれる部屋があります。イギリスのジョージ六世が訪仏した時の寝室に用意された部屋だそうです〉
〈王の寝室には金のバスタブが。〉
〈女王の寝室と銀のバスタブもありました。フランス外務省、おそるべし。〉
いま、広島や岡山、愛媛県などの被災地がどんなことになっているのか、河野外相が知らないわけがない。避難者は体育館の固い床や段ボール製のベッドでの生活を余儀なくされているというのに、この閣僚は「王様」のベッドに横たわった自身の様子などを大はしゃぎで投稿しまくったのである。
この男、「フランス外務省、おそるべし」と言ひながら、日本の外務省も大臣室と応接室を立派にしろと暗に主張した。過去には外相専用機の一件もあった。これで伊達や酔狂男に首相の可能性は無くなった。
七月二十五日(水)
記事は更に続く。
被災者の気持ちを逆撫でしようとするのは、河野外相だけではない。山陽新聞の報道によれば、被災地・岡山の自民党県議たちは13日、〈安倍晋三首相(党総裁)を応援する有志の会〉を立ち上げ、岡山市内で設立総会を開いた、というのだ。こんな最中に、である。
そればかりか
12日付の共同通信の記事によると、11日に岡山県倉敷市の避難所を視察した安倍首相に同行した伊原木隆太・岡山県知事は、〈首相の指示でクーラーが設置されたと強調する場面もあった〉という。クーラーを設置するのは暑さによる二次被害を出さないためにも必須のことだが、なぜそれをことさら「安倍首相の指示だ」と強調する必要があるのか
記事は結論として
こうした数々の下劣な言動が止まないのは、安倍首相の「やってる感」が蔓延しきっている証拠ではないのか。とりあえず「やってる感」を演出さえしておけば、あとは災害中にどんちゃん騒ぎをしても、災害対応よりもカジノの審議を進めても、フランスでハメを外しても、被災地で露骨な動きを見せても、国民から批判されることはない。(以下略)
ようするに、この国の政治は、安倍首相の舐めた手法によって、もうすでに腐りきっているのである。(終)
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