千百五十一(その百二十九) 安倍が辞任に値する重大発言
平成三十戊戌
六月十七日(日)
安倍がつひに、辞任に値する発言をした。読売オンラインによると
首相は「核の脅威がなくなることによって平和の恩恵を被る日本などが、費用を負担するのは当然」と語った。「拉致問題が解決されなければ経済援助は行わない」とも述べ、経済援助と非核化費用の負担は区別して考える意向も示した。

核やミサイルの脅威は、金正恩が叔父と兄を殺害し、アメリカが特に金正恩を批判したため、むかっとしてミサイルを発射し核実験も繰り返したものだ。核の脅威がなくなったたげでは叔父殺害前に戻るだけで、日本に何の恩恵もない。
トランプさんは、拉致問題を口頭で金正恩に伝へたことを記者会見で発表し、併せて核廃棄の費用は日本と韓国が負担すると述べた。つまり拉致問題と引き換へに費用負担すべきなのに、もう安倍はカードを切ってしまった。安倍は辞任に値する。

六月十八日(月)
北朝鮮が非核化したことをどう検証するのか。今後の米朝実務者会談を待つしかないが、期待薄だ。(その百二十八)で紹介した日経ビジネスオンラインの宮家邦彦さんを再び引用すると
北朝鮮側の実務者が誰であれ、金委員長を説得することはできません。つまり実務者協議の結果が尊重されることはないということです。(中略)北朝鮮で譲歩できるのは金委員長だけです。誰であれ、説得しようと試みれば命に関わることになりかねません。

日本の交渉相手は北朝鮮だけではない。アメリカも交渉相手だ。会談が行はれてしまったのだから日本としては、会談結果を歓迎すると発表しながら、拉致問題が解決したら喜んで非核化費用を負担したいと述べなくてはいけない。アメリカも牽制対象だ。それなのに安倍はアメリカにもカードを切ってしまった。
安倍が首相に居座る限り、北朝鮮とアメリカの両方から馬鹿にされ無視される。一刻も早く首相から引き摺り下ろさないと、拉致被害者は永久に帰ってこない。

六月十九日(火)
金正恩の叔父殺害、兄殺害は北朝鮮の内政問題だと云ふ人も居よう。北朝鮮が「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」をするのであれば、国際社会は最大限譲歩して、これらを不問に付すだらう。しかし米朝会談では「段階的な非核化」しか話し合へなかった。
一度は会談中止をアメリカは発表したが、その直前まで北朝鮮は独善的な主張を続けたことを忘れてはいけない。そんなことさへ判らないのが安倍だ。

六月二十日(水)
今回の米朝会談を歓迎する人も野党内には多いだらう。戦争の危険が遠のいたからだ。しかし政局は野球の試合と同じだ。ヒットが好きな人もホームランが好きな人も、相手の弱みに合はせてバントや盗塁をする。今は米朝会談を批判し、安倍を批判するときだ。
幕末に討幕勢力は、まづ攘夷を決行し、維新後は開国した。全ての野党と、自民党内の非安倍勢力は、今回の安倍発言を突破口に倒閣できる。(完)

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