千百五十一(その百二十八) 金一族とトランプがトクをして、日韓中が損をした(安倍の最低外交を批判)
平成三十戊戌
六月十四日(木)
米朝会談は世界中を失望させた。特に日韓中が損をした。日本と韓国は近隣に危険な状態が続くし、中国は世界共産主義の評判を回復できなかった。
金正恩が権力を握り叔父と兄を殺害したとき、世界中が金正恩を非難した。特にアメリカは北朝鮮を強く批判したため、金正恩はむかっとしてミサイルを発射した。批判が続いたため、頭に来て獣医学部全国展開発言をした安倍とそっくりだ。どちらも三代目でこれもそっくりだ。
米朝会談の結果、トランプは金正恩を誉め、今後は批判しないことになった。つまり金正恩はミサイル発射の戦果があり大勝利だ。もう一人トクをした人間がゐる。トランプだ。まづあの人は目立つことが好きだ。二番目に米韓軍事演習を中止して、多額の経費を節減した。将来は韓国の米軍を撤退するか、或いは国連軍を理由にその経費を世界中に払はせるつもりだらう。その前段階として、北朝鮮非核化の経費は韓国と日本が負担すると明言した。
惨めなのは安倍だ。共同声明には、アメリカ兵遺骨問題は入り、日本人拉致問題は入らなかった。遺骨は緊急を要しない。拉致問題は生存者だから緊急を要する。安倍はG7の海洋プラスチック問題でトランプに同調して取り入ったものの、軽くあしらはれた。

六月十五日(金)
中国、ベトナム、キューバが今後すべきことは、世界中が共産主義を賞賛するやうな政治を展開することだ。それには二つが必要になる。まづヨーロッパと協調して地球温暖化、海洋プラスチック問題の先端を行くべきだ。二番目に、北朝鮮に一族独裁を止めさせるべきだ。委員長を任期制にして、金正恩は一期か二期で最高顧問になる。あとは党に任せるべきだ。
それなのに米朝会談の結果、金一族の支配が続くことになった。北朝鮮は中国も頼ったから、短期では中国も勝ち組だ。しかし北朝鮮は二か国を天秤に掛けただけで、長期では中国などの負けだ。
それでも短期には勝ちだからまだよい。安倍は短期も長期も負けだ。そろそろ首相交代の時だ。

六月十六日(土)
日経ビジネスオンラインに
トランプ流は外交の教科書に失敗事例として載る

と題して宮家邦彦さんの対談が載った。宮家さんは外相秘書官、中東第一課長、日米安保条約課長などを歴任した。
今回の米朝首脳会談で最も注目したのはどんな点でしょう。

宮家:一つは、交渉の進め方。「ディール・メーカー」「交渉の達人」を自賛するドナルド・トランプ米大統領の外交交渉が自滅したことです。(中略)セオリーを軽視し、無手勝流を通したつけが回ったのです。将来、外交の教科書に失敗事例として載るのではないでしょうか。
セオリーに則っていないとは、どんな行動を指しますか。
宮家:例えば、切り札を最初に切ってしまいました。首脳会談は本来、最後に切るカードです。実務者が協議して内容を詰めた末にやる。まして今回のケースでは、北朝鮮側が切望している会談ですから。
さらに、首脳による1対1の協議を冒頭に持ってきました。(中略)金正恩(キム・ジョンウン)委員長とは初対面です。まずはみんなで会って、どのような人物かを見極めるべきです。
二つ目は共同声明の内容について。北朝鮮は非核化について、従来からの主張を守り通し、一切譲ることがありませんでした。(中略)攻める米国があまりに稚拙だったので、救われた部分もありましたが。

今後アメリカは挽回できるのか。それについては
宮家:第1ラウンドは北朝鮮の「粘り勝ち」でした。米国がこれを挽回することは相当難しいでしょう。(中略)北朝鮮にとっては95点の出来だと思います。
北朝鮮は非核化に取り組む意図がそもそもあるのでしょうか。
宮家:私は恐らくないと見ています。仮にあったとしても、最後の最後に切るものとして温存するでしょう。北朝鮮の方が外交交渉のセオリーに則っています。
非核化は本来、動くはずのないものでした。「段階的な非核化」と「CVID(完全で検証可能かつ不可逆的な非核化)」は相反するもので妥協の余地がありません。

トランプの言ひなりになるだけの安倍は、絶体絶命だ。(完)

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