千百十四(その百五) 安倍のほくそ笑みは終り
平成三十戊戌
三月二十六日(月)
改ざん騒動で安倍のほくそ笑みは終りだ。トランプさん式に云へば「こんなに長い間、国民をうまくだませたなんて信じられない」とほくそ笑んでゐるが、そんな日々はもう終はりだ。
新聞やテレビニュースの見出しには「安倍首相、文書改ざん問題を改めて謝罪」(TBS News)、「安倍首相、自民党大会で陳謝…文書書き換え問題」(読売新聞)、「3選に陰り… 安倍首相“改ざん問題”陳謝」(日テレNEWS24)、『安倍首相がおわび「責任の重さ痛感。全容解明し、二度と起こらぬよう組織立て直す」』(サンケイスポーツ)と謝罪、陳謝、おわびの洪水だ。
これらの言葉が空虚なのは行動を伴はないためだ。謝罪、陳謝、おわびをしたのなら、責任を取って首相、総裁を辞めるべきだ。謝罪、陳謝、おわびだけで誤魔化し、ほくそ笑むことは許されない。

三月二十七日(火)
自民党大会に高木美帆選手が登場した。 デイリー新潮によると
3月25日に開催された自民党大会では、スピードスケート女子の高木美帆選手(23/日体大助手)がサプライズで登場。森友公文書の改ざん問題で陳謝した安倍晋三首相(63)の影が薄くなるほど話題になった。

このあと登場の場面が続き
意外なことに出席者からは高木選手の登場に否定的な声が上がっていたという。しかも、その理由が「高木選手が、かわいそう。気の毒だ」というのだ。

野党も、高木選手を出席させたのは安倍政権が追ひ詰められてゐるからだと見た。

三月二十八日(水)
十五日の日経ビジネスオンラインで、田原総一朗さんが「マスコミが安倍政権への忖度を続ける不思議」と題する記事を読んだ。よいことが書いてあった。財務省の公文書改ざんについて
気になるのは、新聞各紙の報道の仕方だ。財務省が決済文章の書き換えを認め、調査報告書を国会に提出したのが12日(月曜日)。その翌日(3月13日)の主要紙に目を通すと、まるで安倍内閣に忖度しているのではないかと思わざるを得ないほど大人しい書きぶりだった。

それはどんな書きぶりなのかと云ふと
朝日新聞は「財務省 公文書改ざん」、産経新聞は「森友書き換え 理財局指示」、読売新聞は「森友文書15ページ分削除」、毎日新聞は「森友14文書 改ざん」、そして日経新聞は「答弁に合わせ書き換え」──。僕には、すべて穏やかな表現と感じた。

これらについて田原さんは
これはどういうことなのか。今回の事件は、民主主義の根幹を揺るがす大事件である。問題は極めて根深く深刻だ。メディアはもっと批判すべきである。

そしてもう一つ問題がある。
森友学園の前理事長・籠池泰典氏が昨年7月に逮捕されて以来、いまだに拘置所に勾留されていることだ。僕は、これは明らかに人権蹂躙だと思う。彼をこんなに長い期間、拘留する必要など全くない。 なぜ、彼を拘置所から出さないのか。理由はただ一つ。拘置所から出せば、昭恵夫人の関与を発言してしまうと恐れているからだ。

結論として
僕は、下手をすると内閣総辞職もあり得ると見ている。少なくとも、9月に控える自民党総裁選挙は前倒しになる可能性が高い。安倍首相や麻生財務相はどのように説明し、責任を取るのか。
公文書偽造は、犯罪である。今、安倍政権には最大の危機が訪れていると言えるだろう。

そのとほりだ。

三月二十九日(木)
国税庁長官を辞職した元理財局長への証人喚問が行なはれた。 スポニチアネックスによると
「刑事訴追の恐れがある」を理由に証言拒否を連発。スポニチ本紙集計では4時間超で231回の質問のうち、その回数は54回にものぼった。

刑事訴追の恐れがある人間を適材適所だとして国税庁長官に任命した安倍の責任は重大だ。これだけで辞任に値する。元理財局長までトカゲの尻尾切りに使はれてしまった。
しかしまだ残った人間が三人ゐる。首相政務補佐官と安倍夫人と加計学園理事長だ。この三人の逃げ切りを許してはならない。

三月三十日(金)
Yahooによると週刊文春3月22日号に加計学園問題でも公文書書き換え疑惑と題して、次の記事が載った。
森友学園に続いて加計問題でも、公文書の書き換え疑惑が浮上している。
疑惑が持ち上がったのは、今治市職員による市長宛の復命書。2015年6月5日に東京出張した際、内閣府で国家戦略特区ワーキンググループ委員から受けたヒアリング内容を報告したものだ。ところが不思議なことが起きた。
「私は何度かこの文書の開示請求を行いました。ところが同じ内容の復命書のはずなのに、明らかに異なる2つの文書が出てきたのです」
そう語るのは開示請求を行った今治市民ネットワーク共同代表の村上治氏だ。
(中略)不審に思った村上氏が復命書の起案者である市企画財政部の課長補佐に尋ねたところ、驚くべき答えが返ってきたという。
「その職員は、『内閣府の指示を受けて書き換えた』と言うんです」(村上氏)

疑惑が次々と出て来る。いよいよほくそ笑みは終りだ。(完)

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