千八十八 国民は醜い出し物を見飽きた(貴乃花親方を全面支持)
平成三十戊戌
二月二日(金)
貴乃花親方が理事選に立候補したのは当然だ。もし立候補しなければ、定員だから選挙は行はれなかった。
暴力騒ぎと云ひ立行事のセクハラと云ひ、相撲協会はこれまで余りに醜かった。これで八角親方が無投票で理事長再選だったら、国民は目を三角にして怒った。
結果は貴乃花二票だった。これで国民の怒りは親方全体に向かふ。ここでタイトルにある醜い出し物とは、相撲協会の理事選と、肥満者の土俵上の振る舞ひだ。

二月三日(土)
白鵬の張り手とかち上げは、およそ相撲とは無縁だ。昭和六十三年まで理事長を務めた元横綱栃錦の故春日野親方は、「お母さんが小さい子に『お相撲さんを見なさい。行儀よくしてゐるでしょ』と云へるやうに行動しなくてはいけない」と言った。誰だか忘れたが同じく理事長を務めた親方が、「相撲は格闘技だが、見終ったあと、すがすがしさが残らないといけない」と語った。
それらと比べて、白鵬の相撲は単なる乱暴者だ。今回の暴力事件をきっかけに白鵬への批判がでたが、もしこの事件をうやむやに片づけてゐたら、白鵬は張り手とかち上げを先場所も繰り返したに違ひない。貴乃花は白鵬の醜い取り口を明らかにした功労者だ。

二月十日(土)
親方になるには株が必要だ。株と云ふ名称は余りにも高額の印象を与へるため、今は名跡と呼ぶやうになった。しかし実態は同じだ。親方になることは、特権階級入りを意味する。だから既得権維持派になる。今回の理事選は、一門の締め付けが厳しかった。万一、よその候補に投票したら、いつまでも詮索されると週刊誌は書いた。
自分の意思に従はないで投票する事は、公正な選挙ではない。こんな団体に公益法人を名乗らせてよいのか。こんな団体はすぐに解散させるべきだ。

二月十二日(月)
相撲は、部屋がありここが師弟関係の根本になる。その上に一門があり、これはかつての興行主だ。その上に相撲協会を設立した。つまり相撲協会は連合体だ。貴乃花親方の騒動の牽引委の一つに、入門者は協会に入門し、協会が部屋と委託契約を結ぶやうになったことがある。貴乃花は最後まで反対し、契約書の提出を渋った。これは協会の設立課程を考へれば正論だ。
相撲協会は野球のセリーグ、パリーグみたいに二つに分かれたほうがよい。次々に起きる不祥事を考へればこれ以外に解決法はない。双方の勝者で最終戦をやればよい。(完)

メニューへ戻る 前へ 次へ