千七十三(その八十四) 外国はかうだと云ふ人間は腹に一物ある(1.メガバンク、2.お推大臣)
平成三十戊戌
一月十日(水)
昨年の末に、大手メガバンクが、外国の銀行は預金口座に手数料を取ることから、日本でも導入するか検討を開始する。そんなニュースが流れた。実に悪質な話だ。
丁度その少し前に、経済専門家の話が載った。銀行はバブルのときに大量入行した人が高給取りとなった。本当ははるか前から対策をたてなくてはいけないのに立てなかったため、今になって騒ぎ出した。そんな内容だった。
だからメガバンクは、高給取りの帳尻合はせに外国の都合のよいところを取り入れ利用者に負担させたいだけだと判る。日本でこれまで続いた制度には、それなりに理由がある。その理由が不適切だから変更すると云ふのなら判る。外国がかうだから日本も変へると云ふのは、それが本当の理由ではない。外国の都合のよいところを取り入れたいだけだ。
私は子供の学費をねん出するため自宅を売却し、残金で賃貸用に不動産を購入した。入ってくる家賃から、我が家が居住して支払ふ家賃を引くと赤字になる。これは自宅を売却したのだから想定範囲内だった。
毎月家賃を振り込んでもらふメガバンクの口座を昨年開設したが、もし口座が有料になったらメガバンクは解約し信金に移動させる。毎月振込手数料を払ふのはばかばかしい。多くの国民も私と同じ考へであらう。

メガバンクと同じことを云ひ始めたのがお推大臣だ。外国に比べて首相の委員会出席回数が多いから減らすと云ふ。冗談ではない。日本が参考にすべきは日本のこれまでの経緯だ。お推大臣はとんでもない俗物だ。

一月十一日(木)
お推大臣の猿真似は西洋に留まらない。吉田松陰の猿真似まで始めた。産経ニュースによると
山口県下関市で開かれた地元後援会主催の「新春の集い」で挨拶し、「栄辱によって初心に負(そむ)かんや」という同県出身の幕末の思想家、吉田松陰の言葉を引用し、改めて憲法改正に意欲を示した。

吉田松陰は、世界中が西洋列強の植民地になり、清国もアヘン戦争でイギリスに負けた。世界中が非常事態の中でああ云ふ行動を取り最後は刑場の露と消えた。
翻って今は非常事態か。勿論北朝鮮の核ミサイル問題がある。地球温暖化問題もある。しかしお推大臣はそのことを言ってはゐない。産経ニュースによれば
デフレ脱却、人づくり革命、生産性革命のほか憲法改正

を挙げただけだ。そもそもお推大臣にとって非常事態はモリカケ問題だ。

一月十二日(金)
お推大臣と同じ派閥の官房副長官西村康稔が西洋猿真似の単語を使った。Jiji.comによると
10日、福島県を訪れ、東日本大震災で事故を起こした東京電力福島第1原発などを視察した。西村氏は、同原発の廃炉に関し「溶け落ちた核燃料(デブリ)の除去を考えると、廃炉までものすごい年月を要する。大変困難でチャレンジングな作業だが、環境整備をしっかりと行っていきたい」と強調。

話は時と場所をわきまえなくてはいけない。大量の放射線の中で作業をする人たちのことを考へれば「チャレンジング」なんて奇妙な単語を使ってよいはずがない。
西洋猿真似の単語を使ふから批判されたのだが、お推大臣と同じ派閥だから批判された。心ある議員は派閥を岸福田派の思想重視派と、お推大臣派に分裂させるべきだ。
前回の衆議院選挙では間に合はなかったが、次の参議院選挙と衆議院選挙では、お推大臣派は落選運動で半減させよう。(完)

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