千六十一(その七十三) 自民党国会議員の皆さん、安倍の外交は欺瞞ですよ(トランプのエルサレム首都承認を許すな)
平成二十九丁酉年
十二月六日(水)
トランプは二回悪質な政治を行った。一つはパリ協定離脱で、全生物への犯罪と云ふべきだ。しかし発効するのは大統領の任期が終了の後なので、次期大統領がうまく処理して地球滅亡を防いでくれるだらうと、トランプを容認した。
ところが今回、イスラエルの首都がエルサレムだと認めるさうだ。これは許し難い。そもそも今は北朝鮮問題で世界が団結し、北朝鮮が譲歩することを期待すべきだ。それなのにわざわざ波風が立つことをする。北朝鮮は地球を滅ぼす訳ではない。トランプは地球を滅ぼす。
私はこれまで金正恩を倒すことはやむを得ないと考へてきた。勿論本人が改悛すれば別だが、正気に立ち返るはずがないからだ。しかしトランプは地球を滅ぼさうとし始めた。金正恩以上に悪質なのがトランプだ。
そしてトランプをその気にさせたのが安倍だ。しかしトランプの発言を見ると、安倍を信用はしてゐない。自民党国会議員の諸君。安倍外交は欺瞞だ。騙されてはいけない。

十二月八日(金)
トランプがアメリカ大統領になったとき、世界は懐疑の目で眺めた。そんなとき安倍がのこのこトランプ詣でを行った。あれでトランプに承認を与へてしまった。思ひ出して見よう。あのあともトランプ政権は内部に強硬派を抱へて、毎週のやうに騒動が報道された。安倍が訪問した時は、安定する前だった。
安倍は一番乗りを果たしたので、本人だけ、或いは日本国内でだけ、お手柄のやうに思はれてきた。しかしトランプが来日し、挨拶で内情を暴露した。トランプはすぐにと安倍に云ったが、意味するところはもっと先だった。ところが安倍はすぐに来た。まるでアスクルだ。
トランプは予定を聞いて断りの電話を入れたが繋がらない。繋がったときは安倍が飛行機の中だったとユーモアの一環で話したが、話の中に内情が埋めてあった。

朝日新聞ワシントン支局の記者の書いた記事を見よう。朝日新聞Digitalによるとトランプは
貿易赤字に関し、日本を念頭に「我々はとても裕福な国を何の対価も無く守っている。(中略)何年も前に戦争に負けた時から守っているが、すでに強く金持ちになっているのに、今も同様に守っている。何で誰も見直そうとしなかったのか」と語った。

これはトランプさんに同感だ。同感ではあるが、日本にとっては悪い話だ。防衛費を劇的に増加させ、その分は増税で補ふことになる。

十二月八日(金)その二
週刊金融ジャーナルMoney Voiceは報道されぬ「日本完敗」トランプとのゴルフ外交に賭けた安倍官邸の大誤算=近藤駿介と題して、もっとはっきり書いた。それによると
トランプのアジア歴訪、その最大テーマは北朝鮮ではなかった。日本国民は、トランプにとって日本は「ビジネスツール」でしかないという現実を知る必要がある。

で始まり
「日米のゴルフ外交は、私たちが初めてではありません。ちょうど60年前、私の祖父とアイゼンハワー大統領とのゴルフが最初であります。プレーの後、アイゼンハワー大統領は、大統領になると嫌なやつともテーブルを囲まなければならないがゴルフは好きなやつとしかできない、と語ったそうであります。(以下略)」

という安倍総理の挨拶に象徴されるように、トランプ大統領に対する一連の「お・も・て・な・し」は、(中略)安倍総理とトランプ大統領の個人的な親密さをアピールすることを目的にしたものばかりだったという印象は否めない。
しかし、安倍総理の「お・も・て・な・し」に対するトランプ大統領の返礼は、安倍総理の希望するものではなかったようだ。

その結果
日本では安倍総理とトランプ大統領の「蜜月関係」を歓迎する報道一色となっている。しかし、トランプ大統領が就任して真っ先に駆け付けたときの安倍総理と今の安倍総理では、トランプ大統領にとって利用価値が異なってきている可能性は否定できない。
先の10月総選挙で圧勝したとはいえ、高い支持率を誇り2021年まで総理を続けられる可能性が高いと思われていたときと比較すれば、安倍政権の安定性はかなり低くなっている。
(中略)
安倍一強体制が揺らぎ始めたことで、安倍総理とトランプ大統領の関係が「蜜月関係」から、蜂(トランプ大統領)が蜜(安倍総理)を吸い尽くす「蜂蜜関係」に変わっていっても不思議なことではない。

そのとおりだ。安倍政権は極めて不安定と、外国からは見られてゐる。(完)

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