千三十九 初めてJリーグの試合を観戦
平成二十九丁酉年
十月二十二日(日)
昨夜は、初めてJリーグの試合を観た。私はプロ野球も中学生のときに東映対南海、東映対西鉄戦を後楽園球場で、30歳くらいのときに西武戦(相手がどこかは記憶にない)を西武球場で観ただけだ。昔、後楽園から3Kmくらいのところに住んでゐたので、父が会社で年間買ひ上げシートのうち南海戦など人気のないものをもらって来た。
Jリーグについてはまったく観る機会がなかったが、妻が二人分の入場券(一人2300円)を買ってきたので観に行った。当日は雨で、夜間は強く降るとの予報だったが、小降りで済んだ。場所は日産スタジアムで、丁度二十五周年なので日の入り後にまづ打ち上げ花火が上がった。
試合は横浜Fマリノス対鹿島アントラーズで、ホーム側観客席だったので、横浜を応援した。結果は横浜が3-2で辛勝した。接戦だったのは点数差だけではない。鹿島アントラーズはパスが前に進む。横浜Fマリノスはパスが後方に進む。つまり横浜は攻撃できない。
それでも試合開始すぐに一点先取し更に一点追加した。しかしパスが先に進まないから鹿島の攻撃が続き、後半は同点に追ひつかれ、敵失の一点で辛勝した。
十月二十四日(火)
場内は横浜Fマリノスと同じ柄の応援服を着た人が多い。熱心な人たちだと感心した。選手とチームの役員、職員とスタヂアム関係者は、熱心なファンに感謝しなくてはいけない。我々一般の観客も、熱心なファンがたくさんゐるから試合を観ることができる。私も熱心なファンに暖かい目を向けた。
スタヂアムへの入場は、年間入場証を持った人は待たずに入れる。普通の切符だと長い列を途中折り返しで往復した。私はあれだけで疲れた。一見の観客を固定客に誘導するのは悪い戦略ではない。インターネットで年間シートを調べたら、或る大学のスポーツ関連学科の学生の論文が検索され、固定層以外の開拓が必要とあったが、私は固定層への誘導のほうがよいと思った。それは一般層もこれだけ長蛇の列なのだから。
十月二十五日(水)
横浜Fマリノスのゴールから少し離れたところでボールの取り合ひになり、横浜の選手がボールを場外に出した。ここで拍手が起こる。しかしこれは変だ。ボールは鹿島アントラーズだからだ。観客からすれば、ゴール前の攻防が止まったから拍手したのだらうが、数秒後には鹿島のボールで再開される。数秒の猶予に拍手してはいけない。
私は二回離席した。一回目は妻が外で花火を打ち上げてゐると云ふので観に行った。二階席は実際には七階だ。一階席が四階。七階から観ると花火が正面ややや上に見える。壮観だった。場内を見て廻り、アトラクションは一階席を覗いたりして見た。試合開始の前に席に戻った。
二回目は後半に入り一階席の入口に立って観た。一階席は選手の大きさが二倍はある。拍手や声援も専門化してゐる。一階は熱心なファンが年間会員か早く並んで入ったやうだ。雨だったので一階前方の屋根の無い部分は空席があった。後半になるとここも埋まった。かなり経ってから席に戻ったところ、連絡が無いので心配したと云はれた。
入場のときに一人倒れてゐた。医務室で回復するのか救急車で運ばれたのかは不明だが、目を開いたまま後ろに倒れ、しかし背中に荷物があるので頭が30cm浮いた状態で強打しなくてよかった。横浜Fマリノスのデザインを着てゐた。そんなことがあったので後半の半分くらい席を外すと確かに心配だ。ホーム側通路の先端はビジターからも入れるさうだ。実際には誰も来ないが。売店なども見て廻った。(完)
十月二十七日(金)
私は今まで、サッカーより野球のほうが日本の気質に合ふと思ってきた。野球は類を進め点を取る。サッカーは一挙にボールを取り返す。こつこつ点を取るほうが日本に合ふからだ。しかしサッカーもボールを奪っても点に結びつく訳ではない。そこには攻防があり見応へがある。
野球の欠点は硬球が危険なことだ。観客に当たったなど事故がときどきある。長いこと日本のプロスポーツは野球しかなかった。Jリーグは全国に展開するし、J1からJ3まで昇格と降格がある。野球はセとパが固定だし、大学野球も3リーグが固定だ。最近は巨人人気にあぐらをかいて来たセリーグがパ・リーグに抜かれたと云ふ記事が最近あった。これからは野球ではなくサッカーだ。そんな感想を持った。(完)
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