千三十六(その五十三) 騙されてはいけない、自民党は敗北した
平成二十九丁酉年
十月二十三日(月)
今回の選挙で、自民党は勝利してゐない。議席数を減らしたからだ。連立与党の公明党も減らした。騙されてはいけない。企業で社長が交代したとしよう。今までの経常利益が100億円だったのに95億円になったら減益と経済紙に大きく書かれる。毎年減益を繰り返したら社長交代になる。決して95億円儲けましたと自慢はできない。
今回の自民党も同じだ。解散して議席が増えるなら解散すべきだ。減るなら解散すべきではなかった。ましてや森友、加計隠しなのだから安倍の責任は重大だ。
十月二十四日(火)
加計学園の獣医学部を認可するのかどうかが、まもなく出て来る。国民が結果を見てから投票したのならこれは許容範囲だ。結果を見ないで投票したのだから、万一認可になった場合は再度解散すべきだ。国会の冒頭で解散すると云ふ非常識な安倍だ。それに比べれば再度の解散は常識の範囲内だ。
尤も今すぐだと野党に不利だ。まづ国会で森友、加計問題を十分に審議する。行き詰ったところで再度解散する。これが一番よい。
十月二十五日(水)
選挙が終ったからと云って、解散の是非をうやむやにしてはいけない。日経ビジネス10月2日号には『解散、「評価せず」が6割』と題して次の記事が載った。
北朝鮮情勢が緊迫し、学校法人「「森友学園」や「加計学園」問題の説明が不十分と野党が批判を強める中で、(中略)このタイミングでの解散の決断について「評価する」と回答した人はわずか16.6%にとどまり、「評価できない」の61.3%を大きく下回った。
61対17と圧倒的に批判の多いなかをごり押しした選挙だ。ましてや野党が混乱する中、台風が近づく中での選挙だ。こんなものは暫定国会と呼ぶべきだ。
朝日新聞オンラインに『自民幹部「首相が一番嫌われていたが…小池さんに感謝」』と題して次の記事が載った。
朝日新聞の世論調査で、内閣支持率と不支持率が並び、安倍晋三首相の続投を「望まない」との回答が51%にのぼる中で、安倍政権にとっては決して順風とは言えない選挙戦。
閣僚経験者は「自民には投票するが、安倍さんは嫌いという人が結構いる」。首相に近い閣僚でさえも「演説では『安倍政権』と言わず、『安定政権』への支持を求めた」と漏らしたほどだった。
首相自身も公示前、抗議活動やヤジを警戒して演説日程を非公表に。第一声もヤジを避けるように、福島市の田園地帯を選んだ。
「内閣支持率が下がっているが、自民党が多くの議席を頂いた」
石破茂・元幹事長は22日、選挙戦で得た感触と今回の結果とのずれを記者団に指摘した。
勝因はなにか。
一つは小池百合子・東京都知事率いる希望の党の失速だ。
まったくそのとおりだ。石破さんだけではない。国民のほとんどがさう思ってゐる。安倍は国民を馬鹿にするのもいいかげんにしろ、とヤジを飛ばしたくなる。
十月二十五日(水)その二
毎日新聞Webページには『初閣議、閣僚からも「謙虚」相次ぐ』と題して次の記事が載った。
衆院選後初めての閣議が24日、首相官邸で開かれた。安倍晋三首相が前日の記者会見で「謙虚に政策を進めていかなければならない」と述べたためか、閣議後、閣僚からは「謙虚」発言が相次いだ。
まづ安倍は仕事人内閣などと称して改造内閣を発足させた。ところが仕事をしないうちに解散した。森友学園、加計学園の丁寧な説明も反故にした。選挙が終った今、内閣は次の国会で首相を指名するまでの居残り組だ。「謙虚」を発言すること自体が傲慢だ。(完)
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