千二十四(その四十一) 安倍は理想よりカネ勘定を優先させる男だ
平成二十九丁酉年
九月二十五日(月)
一ヶ月ほど前、ダイヤモンドオンラインで元朝日新聞の山田厚史さんが書いた「加計白紙化で臨時国会冒頭解散の観測、窮地の安倍政権がすがる奇策 」を目にした。これによると
前回、加計学園の獣医学部新設を白紙撤回することが政権内部で検討されていることを書いた。いくつかのメディアでも「白紙撤回」が論じられ始めた。政権不信の泥沼から抜け出すには、国民が納得する禊(みそぎ)が欠かせない。さらに安倍政権が模索するもう一つの奇策、それが年内解散だ。

これならまだ筋が通る。そもそもの原因は森友学園、加計学園であり、このうち森友学園は前理事長夫妻が逮捕された。学園も債務超過になった。それなのに加計学園は理事長は雲隠れ。安倍は丁寧な説明を反故にした。それで解散なんて許されない。しかし新設を白紙撤回しての解散ならあり得る。支持率急落の原因を除去した上で、国民に信を問ふからだ。しかし白紙撤回はあるだらうか。

九月二十六日(火)
山田さんは記事を次の文章で締めくくった。
時間が経過すれば森友も加計も収拾がつかなくなる。籠池夫妻を罪人にして財務省を放免すれば、世論は納得しないだろう。払い下げを不当としたら政権は致命傷を負う。
 加計も同じ。来年4月開校すれば「無理が通り道理が引っ込む」。有権者は、加計理事長の高笑いを聞く気分になる。
 残された道は白紙撤回。野党の準備が整わないうちに総選挙に打って出るなら「身を捨てて浮かぶ瀬もあれ」だろう。決断する度量が安倍首相にあるのか。これも不確かだ。

そして安倍は白紙撤回せず、総選挙だけを決断した。

九月二十七日(水)
安倍が理想よりカネを優先させることを国民は見抜いた。森友学園と加計学園の現状が余りに異なるからだ。理想を優先するなら、森友学園こそ救済すべきだった。しかし森友学園はトカゲの尻尾切りみたいに切り捨て、それでゐて加計学園は隠蔽した。丁寧な説明を反故にした。
安倍がそんな対応しかしないのなら、国民は団結して対策を立てようではないか。まづ加計学園の補助金問題を掘り返す。これは愛媛県民、今治市民が運動を進めてくれた。
次に加計学園の認可を阻止する。万一、認可されたときは卒業生の就職を阻止する。そもそも愛媛県振興が目的なのだから、愛媛県以外に卒業生が就職することは理屈に合はない。愛媛県以外に卒業生を就職させることを阻止しよう。範囲を広げて四国でもよい。この場合は残りの三県に開業する動物病院への補償を行った上で、四国以外への就職を阻止する。六年間で廃校に追ひ込もう。

九月二十八日(木)
PRESIDENT誌の9月18日号に、唐仁原俊博 さんの「必ず得する"安倍首相との接待ゴルフ"の謎」が載った。これによると
夏休みは別荘とお気に入りのゴルフコースがある山梨で過ごすのが安倍晋三総理大臣の常。ただ今年は、少し事情が違った。(中略)10日ほどを予定していた滞在期間を短縮し、ゴルフは一度もプレイしなかった。

で始まる記事は
15年12月24日に昭恵夫人が「クリスマスイブ。男たちの悪巧み……(?)」と題してフェイスブックに投稿した写真に総理、加計氏とともに収まっていたのが当時三井住友銀行副頭取だった髙橋精一郎氏だ。次期頭取候補の一角だったが、昨年末に発表された新人事ではその選から漏れた。しかし、この7月、金融庁の参与に迎えられる。

更に
13年10月、国土交通省は翌年夏に増枠される羽田空港国際線の昼間発着枠のうち、ANAホールディングスに11枠(日本航空5枠)を一方的に配分すると発表した。この前の月の9月14日には、ANAホールディングスの石坂直人調査部長(当時)らと総理がゴルフに興じた。発着枠を決定する重大局面でのゴルフだった。今年6月に取締役執行役員へと出世した石坂氏は前月の5月にも総理とコースを回っていた。

更に
日枝久フジテレビ前会長はゴルフ仲間として首相動静に頻繁に登場するが、14年春には、岸信夫氏の次男、つまり総理の甥がフジテレビに入社。同年8月20日には日枝氏と一緒の組でのプレイ中に広島で土砂災害が発生し、野党からは被害を知りながらゴルフを始めたことに批判が出たが、本件も含め、産経紙面での安倍ゴルフへの批判は確認できない。

加計さんとは
第二次安倍政権発足以来、加計学園理事長の加計孝太郎氏と、会食やゴルフなど、14回の接触があったことが明らかになったが、そのなかで獣医学部新設の話題は一切出なかったと総理は説明した。
しかし、ゴルフをプレイした経験があれば、総理の答弁を疑問に感じるはずだ。フルコースを回り、昼食を挟めば、1回のプレイで5~6時間はかかる。

結論として
総理には好きなゴルフでリフレッシュする権利もあるだろう。しかし、総理との深い関係を示すゴルフを「お仲間」が利用する可能性を考えれば、最高権力者としてゴルフの相手を選ぶべきではないか。猛省が必要だ。
(完)

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