壱千一(その二十) 「警視庁いきもの係・捜査開始」の巻
平成二十九丁酉年
七月十六日(日)
先週の日曜夜から、フジテレビ系で「警視庁いきもの係」と云ふ番組が始まった。警視庁総務部総務課いきもの係と云ふ架空の部署が新設された。「獣医学部卒の動物マニア女子・薄圭子(うすき・けいこ/22歳)巡査」(フジテレビのホームページより)が採用され逮捕拘留された容疑者のペットを保護する。そこに捜査一課から刑事が療養を兼ねて配属され、この二人が動物の特性に基づき、事件を次々に解決する。
第一週は見逃がしたので、昨日フジテレビの見逃がし配信(特定番組を一週間無料)で観た。手乗りジュウシマツは普通のジュウシマツといっしょにすると手乗りの特性を忘れてしまふ。それなのにいっしょに飼育されてゐる。そこには殺人事件の犯人が絡んでゐた。違法なカスミ網、防音室での違法な野鳥鳴き比べ競技。動物が次々登場し前評判に恥じない内容だった。
と云ふことで警視庁いきもの係も、獣医学部問題を捜査することになった。

七月十七日(月)
ここからは番組を離れて当ホームページの独自創作になる。ジュウシマツとよく似たジュウシウソと云ふ架空の鳥がゐる。この鳥はある化学物質を放出するため、周囲の人は25日に1回良心が麻痺する。つまり年に14回嘘をつく。そのため法律で飼育が禁止されてゐる。
議員会館内でこの鳥を違法に飼育する人たちがゐるらしい。或る化学メーカーと共同でこの物質に反応する試験紙を開発した。部屋に出入りする他派閥の人たちにお願ひし、ポケットに試験紙を忍ばせて入室してもらった。そして関係者は全員逮捕された。全員の所持品から「お友達会員証」が発見された。

七月十七日(月)その二
ここから番組に戻ると、昨日の第二回は、ペンギンを飼育する食品会社の会長が飼育室で亡くなった。しかし遺体の指にペンギンに噛まれた跡がない。普段飼育室に入らない会長がなぜこの日は入ったか。
餌の魚は金属探知機で調べる。釣り針を飲み込んだ魚は危険だからだ。会長は死ぬ直前に犯人を知らせようとした。しかし犯人に気付かれてはいけない。そこで魚の口に犯人のカフスボタンを入れた。これなら翌日の餌やりで気付くからだ。

警視庁いきもの係の薄圭子は22歳。つまり獣医学部の卒業だが獣医学科ではない。加計学園の落とし所はここだ。
四国限定の免許はどうか。この場合は、四国で現に開業中の獣医師が不利にならない対策を講じるべきだ。四国から移転を希望する人には移転費用、廃業を希望する人には獣医施設の譲渡斡旋、金銭補償。政策はここまで考へなくてはいけない。頭にきたからと決めてよいものではないし、全国展開発言で落とし所は消滅したとも云へる。

七月十七日(月)その三
ここから当ホームページ版になると、ペンギンに似たペンマガリと云ふ架空の動物がゐる。この動物の尿から発散されるガスを吸うと、文章を書くときに偏向してしまふ。だから法律で飼育が禁止されてゐる。
今回の獣医学部騒ぎでは、「前川は官僚のクズ」などの記事を書き続けるヨンケー新聞と云ふ架空の新聞社がある。警視庁いきもの係ではこの新聞社の下水を何回も調べたが、物質は検出されなかった。
近くの地下掘削現場で、作業員がでたらめな報告書を書いたため落盤事故が起こり、死傷者が出た。地下水を調べるとこの物質が検出された。新聞社を貼り込んだところ、社長室長がこっそり土に浸透させてゐたことが判り逮捕した。今回は重過失致死傷が加はった。

七月二十四日(月)
ここから番組に戻ると、昨日の第三回は、ヘビを飼育する人が四日前に自殺した。ところが三日前に脱皮したヘビの抜け殻が無い。今回は番組内でヘビ友と云ふ言葉が出て来た。アベ友ならぬヘビ友だ。
遺言状でヘビはヘビ友が貰ふことになってゐた。ところがヘビ友は10年前の古物商強盗致傷事件で指名手配中だった。飼育許可申請を役所に提出できない。時効までもう少しのため、自殺死体を千葉県の海岸に投棄した。ところが四日で海岸に打ち上げられてしまった。
これだけだと死体遺棄だけで、ヘビへの熱意を持つ人なのに可哀さうだと思ふが、犯人はその前に池袋の国際ヘビフェスタを見た帰りにラーメン店で無銭飲食をした。そのときの指紋から指名手配中が露見した。僅かな金額でもそんなことをしてはいけない。やはり改心せず自業自得と云へる。

ペットショップの名前、コーンスネーク以外のもう一匹のヘビの種類、十年前の事件を確認するため、番組をインターネットでもう一度見た。ラーメン店は無銭飲食ではなく、無銭飲食した客が来る前にたまたまテーブルに座ったため検出されたのだった。確かに時効まであと僅かなのにそんなことをする筈が無い。

七月二十五日(火)
主人公の薄圭子はヘビ愛好組織の0番会員で、これは7人しかゐない。いきもの係の入る警察博物館の受付女子職員はヘビ好き。と云ふことは、今回がこの番組の一つの山場なのだらう。
さてヘビと云へば、文部科学省前事務次官の前川さんが6月3日次のやうに発言した。毎日新聞によると
「権力を持っている人がお望みになっていることを、周りの人間が実現させる関係ができているのかもしれない」。学校法人加計(かけ)学園の獣医学部新設を巡り、3日に毎日新聞の取材に答えた文部科学省の前川喜平前事務次官(62)は、学部新設の動きが進んだ背景に、官邸の力が強まり与党や省庁とのパワーバランスが変わった問題があると強調。官邸をヘビに例え、「総理のご意向」と記された文書の存在を認めない文科省の立場を「ヘビににらまれたカエル」と表現した。
このやうな関係になった原因は、三年前に内閣人事局を設置し各省庁幹部の人事権を握ったためだ。これで各省庁は首相官邸への忖度をするやうになってしまった。そして森友事件と加計事件が起きた。早く内閣人事局を廃止しないと、今後このやうな事件が続発することになる。(完)

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