23、2つの治療法


日本は、重症のガン患者である。治療せねばならぬのに58年間放置してきた。 治療法は二つ在る。手術即ち軍事立国、若しくは薬物即ち文化立国である。

1 軍事立国
国家の第一義は、国民が平和に暮らせることであり、それには軍事力が必要である。 従って、軍事力の第一義は国を纏める為にあり、世界中が此の方法で国を纏めている。 アメリカに軍事力を依存した戦後の日本に於て、アメリカかぶれが多数出現し、亡国寸前に至ったのも当然である。 私はこれまで、アメリカかぶれの人たちを非難してきたが、 彼らは、国は軍事力でまとまるという世界の法則に従っただけなのである。

2 文化立国
日本文化の保守を以って国の独立を保つ方法もある。 この方法で成功した国は未だ存在しない。 しかし戦争の反省に立ち平和な日本を築くと決意した以上、 試してみる価値はある。私は可能だと見積っている。

3 此の道は何時か来た道
アメリカ軍の若いスタッフが短期間で作ったようなインチキ憲法は全面改正すべきである。 明治憲法の欠陥を放置したために、軍部が暴走し国を滅ぼした歴史を 我々は忘れてはならない。銃剣を背中に突きつけられ制定したインチキ憲法をいつまでも保持し、 再び国を滅ぼしてはならない。しかし新しい憲法は、軍事に関しては自衛権のみを認めた平和憲法たるべきである。

4 気楽な職業
日本で一番楽な職業は政治家である。選挙がたいへんだ、と反論する人もいよう。 しかし選挙は仕事の準備であり仕事ではない。 「私は毎朝、混んだ電車で通勤します」と言っても何の意味もなさない のと同様に、選挙にいくら努力してもまったく意味がない。 本来政治家は、5年もやったら身心がぼろぼろになるくらい大変な 職業である。憲法を改正もせず、欧米のサル真似ばかり繰り返し、 世代を超えて日本のことを考えない。 政治家は平成15年を境に本来の政治家に戻ってもらいたい。

5 大山の大天狗
神奈川県伊勢原市の大山阿夫利神社に「大天狗の碑」がある。 横に立てられた天狗講の説明文によると、米軍占領下で軽薄な世相が氾濫するのを憂い、 戦争反対、民族融合、平和を祈願、日本民族の心と未来を守ることを、 大山阿夫利神社宮司、平塚市長、東京作家クラブ、浅草の会等と呼びかけ、 賛成した政、官、財、文化人、芸能人は700人を超え、 昭和32年に建立された、と在る。日本が目指すべきは、この辺りであろう。

6 2つの治療法
軍事立国と文化立国は、正反対の道である。 しかし、ガンの治療を手術にするか薬物によるかという手段の相違に過ぎない。 タカ派とハト派に争点はない。競って日本の心と未来を守り軽薄な世相を退治すべきである。

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