三千六(うた)短編物語「フルシチョフ失脚せず」
乙巳(西洋地球破壊人歴2025)年
十一月二十一日(金)
第一章 穏健に引退
ソ連は、フルシチョフがスターリン批判をしたものの、十一年後に解任された。これは宣伝効果として最悪で、批判をしなかった場合よりも更に悪い。それではどうすればよかったのだらうか。
まづ、フルシチョフは長く権力の座にゐてはいけなかった。自身がスターリンの下で同じ事をしてきたのだから、若い人たちを引き立て、党外からも登用し、適度な時に同輩の人たちと共に引退すべきだった。
自らの手も血で染めたフルシチョフ同輩たちと短き任期


第二章 共産主義国際組織
あとは、育成をした若い人たちにやらせる。西側以上に魅力の在る国家群を構築すべきだ。国家群とは、ソ連だけではなく、すべての東側(アメリカや西欧から見て、の話だが、現在は中国やベトナム、ラオスが共産主義国なので、東側は便利な言葉だ)諸国を含む。それにはソ連が他国に命令をするのではなく、協調が必要だ。
ベトナムのホーチミンは、その役割に最適だ。当初は、チェコスロバキアが東側からの離脱を表明したが、取り消した。尤も、離脱する国が出ることは、織り込み済みだった。事実、東ドイツとポーランドが離脱した。
欧米の帝国主義を批判する老いてはゐるが若手の星に


第三章 第三世界を仲間に
その代はり、第三世界に仲間にした。唯物論者のフルシチョフでは無理だが、ソ連の若い人たちは、ロシア正教や、ソ連構成共和国ではイスラム教、仏法など多彩だった。だから第三世界は、共産主義にはならないものの、親共産主義になった。
赤き星白きと共に輝けば黒き星なぞ敵には非ず

ホーチミンも、此の頃唯物論を捨てて、ベトナムの仏法へ復帰した。そしてアルファベットを基本としながら、漢字を混ぜる書き方を公認した。これは日本語の仮名と同じである。これで仏法勢力がホーチミンを支持し、ベトナム戦争は一気に南ベトナム解放民族戦線が勝利した(ベトナム戦争は、建て前は南北の戦争ではなく、南側の政府軍と解放民族戦線の内戦だった)。

第四章 資本主義の欺瞞を突く
とは云っても、アメリカと西欧は豊かだった。アメリカが豊かなのは、先住民と野生生物の財産である自然資源を奪ったことだ。自然資源には、石油石炭鉱物と水力、開発可能な農地が含まれる。西欧が豊かなのは、植民地から富を吸ひ上げたことと、将来の野生生物と人類の生存権を搾取してゐるからだ。
多数決については、正しい政治を目指しての多数決ではなく、アメリカと西欧の多数決は私欲に基づく。また多数による少数の圧迫があり、アメリカの少数民族や、欧州のユダヤ人問題、それとは別にイスラエルでの多数ユダヤ人による少数パレスチナ人差別を批判した。次に、ソ連邦や中国の少数民族保護の特長を示した。
多数決は、人類の欲望に随ふので、地球破壊に繋がることも示した。
以上により第三世界を味方にして、共産主義側は資本主義側と、互角となった。
資本主義その本質は唯物論星と生物人類滅ぶ
(終)

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