二千八百三十九(朗詠のうた)下の子結婚式(父親話し止め)
乙巳(西洋発狂人歴2025)年
七月七日(月)
先日、下の子の結婚式が明治記念館であった。入籍は何ヶ月も前だが、神前の挙式及び披露宴を、遅れて行なった。或いは、高校時代の友人が結婚式を行ったので、自分たちも挙げたくなったのかも知れない。
神前の挙式は、親戚のほか友人など全員が参列し、神職によるお祓ひ、神(み)子による神楽、神職により鈴を参列者へ鳴らすなど盛り沢山だった。さすが明治神宮の系列である。神前に全員参加はよいことだ。
宴会で、新たに分かったことも多い。お嫁さんは高校の時に、福井県代表として国体に出場し、八位以内なので五位と思ってゐる話もあった。小生は十六位以内なのか八位以内なのかあやふやだったので、分かってよかった。
新郎は小学校と中学英語の教員免許だが、新婦は小学校と中学体育の教員免許。更に最近はヨガのインストラクターも取得した。
新郎の従兄妹による乾杯の発声は、企画がよかった。ビデオ上映もあり、インド人が英語であいさつする場面もあった。新郎の友人は、英語専攻が多かった。新郎自身は学校教育専攻だったが。
最後の挨拶は小生が務めた。大勢の前で話をするのは、これで最後にしようと決意して話した。上の子は、手間なので挙式は省くさうだ。だから、二人の子供の前で公演は、これが最初で最後だ。親の背を見て育つと云ふので、話し方の実演ができてよかった。内容は
xxでございます。私は、昔。コンピュータ専門学校の教師をしておりまして。教師をしてゐると職業病で、教へ好きになる。労災保険が利くかな、いや、利かないと思ふのですが。
今日お話しするのは、人生がうまく行く方法。これは、怒らない。つまりいかることをしない(起こらないと聞き間違へやすいので)。しかし二つ、条件があります。いやな人がゐたとして「あの人、嫌だな、もう嫌だな。ああよかった、怒らなかった」。これは、心の中で怒ってゐるので駄目なのです。
二つ目は、例へば熱いヤカンに触って「熱い」と手を引っ込める。これは条件反射ですが、これと同じで、何か言はれて、咄嗟に言ひ返す。これは条件反射なので、怒った訳ではない。
この、怒らない。そして二つの条件。これで、人生はうまく行きます。
(ここで口調を変へて)さて、新郎新婦は卓球で知り合ったのですが、卓球は、卓球台から少し離れたり、近くにゐたり、遠くにゐたり、三つの方法があります。このうちの遠くにゐると、距離が長いため、逆回転で打ち返す。カット、と云はれる方法ですが、カットを掛け続けるうちに、相手が失敗する。この方法は、先程の怒らない、の応用になります。
卓球は競技なので、勝ちと負けがある。人生は試合ではないので、両方が勝つことができるし、両方が負けることもある。怒らず、人生がうまく行ってほしいと思ひます。
本日お集まりくださった皆様は、新郎新婦と縁の深い人たちですので、困った時は助け、自分が困ったときは助けてもらひ、末永いお付き合ひをお願ひいたします。ありがとうございました。(正面だけではなく、左右にもお辞儀をした)

録音した訳ではないが、ほぼこのやうに話した。
終へたあと中の庭にはたいまつが空明るくも時経つを知る
帰宅後に、席の名札の内側に、ひと言添へてあることに気付いた。

偶然、小生の挨拶を背に見てほしいと願ったことと、同じ表現だった。
話にて 来て下さるの方々に 中身と技を子のほかに伝へることを 神の館に

反歌  話し方背を見て習ふやり方に親が伝へる技に心が(終)

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