二百九、TPPは国を滅ぼすが、もう一つ騙されるな

平成二十三年
十月二十日(木)「国民を騙す策略」
TPPは国を滅ぼす。絶対に認めてはいけない。しかしTPPに国民の目を向けて消費税を増税しようといふ悪質な策略も見へてゐる。国民は騙されてはいけない。
TPPと消費税はどちらも根底が同じだ。弱者いじめの一方で、強者は笑ひが止まらない。これほどの不道徳はない。TPPと消費税はどちらも通してはいけない。国が滅びる。

十月二十一日(金)「国内の産業は壊滅状態になる」
日本が悪くなつた分岐点はプラザ合意だ。あれ以降国内の製造業と農林水産業はたいへんなことになつた。もちろんそれまで貿易黒字を放置した当時の与野党の政治家が悪い。
だから円高を解消しないことには国内の産業は救はれない。関税が原因で国内が困つてゐるといふ声はまつたくない。だからTPP加盟は利点がない。しかもTPPに加盟して関税を撤廃したら貿易黒字が増へてますます円高になる。国内の産業は壊滅的な打撃を受ける。

十月二十二日(土)「一将功成つて万骨枯る」
TPPでごく一部の産業はますます輸出を増やし、ますます円高になる。しかしそういふ産業は海外に進出することで利益を上げる。つまり国内の雇用にまつたく役立たない。
その一方で円高が進むから国内産業は倒産が続出する。つまり海外進出したごく一部の産業の上層部一%だけが莫大な利益を上げて、九九%は貧困層に転落する。こんな馬鹿な制度をなぜ導入するのか。

十月二十三日(日)「全国に広がるTPP反対集会」
秋田、福島、茨城、栃木、佐賀、鹿児島、沖縄などでTPP反対の集会が開催された。二六日には東京でも全国集会を開催するさうだ。
農業関係者が中心だから大都市ではまだ行われてゐないが、都市部もTPPで大きな被害を受ける。日本の労働組合は大手と公務員がほとんどで、これらは景気変動の影響を受けない。社会の大多数を占める中小勤務者や個人商店などはTPPで壊滅的な被害を受ける。組織化されてゐないから集会を開かないだけだ。
全国から反対の輪を広げよう。

十月二十四日(月)「財務副大臣五十嵐」
さつそく財務副大臣五十嵐が増税、増税と叫び始めた。まづTPPといふ観測気球を上げる。次に消費税を増税しようといふのだ。

TPPと消費税は根本の思想が同じだ。弱者を切り捨てて強者がますますいい思ひをする。五十嵐のやることは他にあらう。まづ議員の公費秘書三人を廃止させることだ。公費秘書がいなくなれば、国会議員は特権意識を持たなくなり国民の感覚に戻る。

十月二十七日(木)「大規模小売店舗法を復活させよう」
TPPは農業だけではない。地方経済に決定的な打撃を与へる。廃止された大規模小売店舗法を見てみよう。平成十二年にこの法律は廃止され、新たに大規模小売店舗立地法が制定された。どちらも大店法と呼ばれるが新大店法は交通量など周辺への影響を調べるだけだ。
その結果、郊外に大型店舗が続出し、市内の商店街はシヤツターを閉じる店が続出した。 旧大店法の廃止はアメリカの圧力による。平成二年のトイザらス、平成七年のコダツク紛争を経て平成十二年に廃止された。
今回のTPP騒ぎもアメリカの圧力が原因だ。こんなものを認めたら商店街の残りの店舗もシヤツターを降ろし、会社の倒産が相次ぎ、失業者が街に溢れよう。
TPPの反対だけでは不十分だ。大店法を復活させ二十年かけて大規模店舗を解体すべきだ。

十月二十八日(金)「なぜ大震災後に突然TPPが現れるのか」
大震災後の復興とその費用をどう皆で負担するかで政治家は本来手一杯の筈だ。ところが菅直人といふ悪質な政治屋が大震災後まで消費税を叫び続けたため、つひに首相を解任された。一応辞任したことになつてゐるが、あれはヤケクソ解散を避けるための与野党合作の芝居である。
せつかく野田氏が消費税を引つ込めて党代表に選ばれ挙党体制で首相に就任したのに、もう消費税、消費税と叫ぶ連中が現れた。今回は手が込んでTPPを叫ぶ連中まで現れた。財務省とマスコミに踊らされた勢力と、野田首相を窮地に追い込み次を狙う勢力がゐる。
と同時に大震災後の混乱が収まつてゐないのに日本に圧力を掛けてTPP騒動を起こさせたアメリカの非常識で傲慢な態度に日本は怒りの声を上げるべきだ。

十月二十九日(土)「仙谷は戦国時代なら打ち首だ」
前原派国会議員の研修会が軽井沢のホテルで開かれた。その豪華な会議室にまづ驚く。こんな豪華なところで研修会をやつても国民と感覚がずれたままだ。
仙谷が「農協はTPP反対でわめいて走っているが、物の分かる人を何人か捕まえて中立化する。あるいはこちらの応援団を中につくっていく」「自分たちの信念なのか、宗教的関心なのか知らないが、党内合意を形成させないよう動くことがあっては政党の形をなしていない」と講演した。仙谷は戦国時代の発想をやめるべきだ。前原が前に沖縄でカネで釣られる人間向けの政策を発表した。仙谷も戦国時代の内応者のやうな人間を作らうといふのだ。
TPPは農業だけの問題ではない。ごく一部の輸出業界だけがいい思いをして残りはすべて負け組となる。菅直人が自分の記者会見に手話通訳を付けたことがあつた。大震災直後だからそのようなパフオーマンスを考へる余裕はない筈だが菅は実行した。最も弱い者向けに目立つことをやつてそれ以外を誤魔化さうといふのだ。農林水産業に補助金をばら撒き、誤魔化さうとするから皆で警戒しよう。
このような戦国時代並みの離反策に引つ掛かる農協関係者は仙谷の皮算用でも数人だけだ。離反者は打ち首にしよう。

十月三十日(日)「TPPはどつちに転んでも国内は壊滅状態になる」
TPPに参加した場合は、次の三つが考へられる。
(一)TPPで予想に反して輸出が伸びなかつた。それでも国内には海外が入り込むから失業者が溢れる。
長期には円安になり国内産業の追い風になるが、円安に合った産業が復活するのに十年はかかる。それまで国内がもたない。
(二)TPPで輸出が伸びたが国内には予想に反して海外が入り込まなかつた。この場合は円高で国内産業は壊滅状態になる。
(三)TPPで輸出が伸びて、国内にも海外が入り込んだ。国内は失業者が溢れる。

どの場合でも、国内産業は壊滅状態になり失業者が街に溢れる。輸出産業が伸びるかどうかが不確定だが、伸びたとしても海外進出するだけだから国内の雇用には役立たない。こんな出鱈目なものを進めてはいけない。

十一月二日(水)「国内を一変させる政策をなぜ急ぐ」
今回のTPPは旧大店法廃止のときと同じだ。旧大店法を廃止した結果、商店街は閉店が相次いだ。TPPは商店街、地方、中小企業、個人企業を破壊し失業者があふれることだらう。こんな重大なことをなぜ急ぐ。今回の騒動で誰がアメリカのスパイなのか明らかになつた。アメリカ大使館員とどれだけ接触したか明らかにすべきだ。

十一月六日(日)「管直人の真似をするな」
国民はまさか民主党の政権交代が消費税増税に繋がるとはまつたく考へてゐなかつた。だから菅直人が消費税を言ひ出した直後の参議院選挙は大敗し、さんざんねばつたものの退陣に至つた。その間にTPPも言ひ出した。
消費税とTPPを真似してはいけない。それでは戦後の東久邇内閣や幣原内閣が戦前戦中の東條、小磯、鈴木内閣の真似をするようなものだ。(完)

(消費税反対その十一)へ (消費税反対その十三)へ

メニューへ戻る 前へ 次へ