千六百十四(和語の歌) 冷房の不要な生活を
辛丑(2021)
九月四日(土)
昭和五十(1975)年辺りまでは、今とは混雑度が違ふ超満員の通勤電車に冷房はなかった。一部車両に冷房があることはあったが、冷房車が特に混むこともなかった。
一般の家庭では、今は地球温暖化で冷房を入れることがほとんどだが、夜は切る家も多い。人類の長い歴史を見ると、暖房は必要でも、冷房は不要だ。職場はともかく、家には冷房がいらない。さういふ地球にしなくてはいけない。
冷房を不要にすることは、化石燃料の使用を減らすためではない。地球温暖化防止を、本気で考へるためだ。

九月五日(日)
木が多ければ涼しい。アスファルトや建物の屋根ばかりだと暑い。だから昭和四十(1965)年頃に、東京砂漠と云ふ言葉が現れた。大地を砂漠にしなければ、冷房無しでも過ごせる。
木々により 日を遮りて 葉の緑 滲み出た水が 空(そら)の気(いき) 熱を奪いて 雲へと戻す


九月八日(水)
人間は、部屋に冷房を入れることができる。野生動物はできない。野生植物もできない。だから人間は冷房を使ってはいけない。しかし個人で止めてはいけない。
人類全体でやらないと、一割の人が減らした分を、他の人たちが使ふ。人類全体で停止させる方法を考へよう。
生物的に見ると、別の理由もある。個人で止めた人は、健康がそれだけ悪くなるから、僅かだが繁栄する比率が下がる。何世代にも亘れば、意識の高い人の比率が下がって、ますます悪くなる。
人類の歴史を見れば、それが解る。産業革命で地球破壊を始めた人たちは、アメリカ大陸を占領し、オーストラリヤやニュージーランドも占領した。非西洋地域のほとんどを植民地にし、人類史上最悪の戦争犯罪、原子爆弾を二回使った。それに次ぐガス室や枯葉作戦も行った。そして今、地球を滅ぼさうとしてゐる。

九月十一日(土)
日の沈む 大きな陸(おか)の 西の端 住む人々が 鬼と化し 土(つち)風(かぜ)空(そら)を 汚しつつ 壊し始めて もも年二つ
(終)

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