千二百六(モリカケ疑獄百六十一) 加計さん記者会見の波紋
平成三十戊戌
十月九日(火)
Googleに読売オンラインが引っ掛からなかったのは、読売側が工作したからだ。読売オンラインの検索欄に「加計」と入れて「サイト内」ボタンを押すと、10月07日 20時57分付けの事実を書いた14行だけの記事が出てくる。先頭ページ、ニュース、政治、社会からリンクが張ってない。リンクを貼らないとGoogleには引っ掛からない。
ZAKZAKと云ふ産経新聞系のサイトがある。これまで盛んに安倍を持ち上げできたので、加計の会見は報道しなかった。多くのマスコミに載った記者会見の様子を読むと、つひ「花咲か爺」の替へ歌を作ってしまふ。

  「嘘つき爺」
学園の裏で ポチが鳴く
嘘つき爺さん ほったれば
忖度と 嘘答弁が
ザクザク ZAKZAK

首相とゴルフで 威を借りて
申請書類を 出したれば
出鱈目認可と補助金で
レイムダックだ ガラガラ


十月十日(水)
記者会見は極めて評判が悪い。「記憶にない」「記録に無いからなかった」に終始し、嘘をついたとされる事務局長は処分中を理由に出席しなかった。今回の収穫は、県の文書を読んでゐないと答へてしまった。これはいつまでも尾を引き、矛盾がたくさん出てくることだらう。
処分された事務局長が嘘をついたとされるのは、県の文書が根拠だ。文書を見ないで事務局長をどう処分したのか。

十月十一日(木)
三日間、Googleニュースの「すべての記事」ボタンを押してみたが、読売新聞は一回も出て来なかった。検索された記事を紹介したい。まづはBLOGOSに乗った猪野亨さんの記事だ。
加計学園疑惑 加計孝太郎氏の記者会見では政権関与の疑いは全く晴れない もういい加減に本当のことを話すべきだ

と云ふ見出しで、記事の中盤では
「首相」まで持ち出して、後からウソとばれたら大変なことになりますが、それに見合うだけのウソをつかなければならない強い動機が必要です。事務局長が一人の判断で行ったというにしてはあまりに大ウソをついたことになりますが、そうまでしたことの動機が問われているわけです。単に話しを前に進めたかったでは話になりません。今回の加計氏の記者会見はこうしたことに答えるものにはなっていません。

これは鋭い指摘だ。記事は後半で
現実に陳情などで政治が大きく動くことはありません。陳情などは形式です。1つの政策を実現するためには何度も何度も陳情に行ったりもしますが、それだけで動くものではありません。有力議員が決断して動くということがなければ実際に陳情が具体化されることはないからです。
それも一部の業界に有利な政策という意味であって、自分のところへの利益(業界全体という意味ではありません)ということになればさらに話は別です。今回の獣医学部新設は明らかに業界全体の利益とは全く反するものになっています。 

赤い部分は、原文も赤だ。記事は最後に
今回の加計氏の記者会見で疑惑は晴れないどころか、政権関与の疑惑は真っ黒になっています。誰も、政権関与がなかったなどと思ってはいないのです。安倍氏や加計孝太郎氏など関係者は、もういい加減に、すべての真相を話したらいかがでしょうか。


十月十二日(金)
次は同じくBLOGOSで、五十嵐仁さんの記事だ。
直接的には、説明責任を果たすことを求めた愛媛県議会の決議に応ずる必要があったためですが、(中略)アリバイ的な記者会見だということが見え見えで、かえって新たな疑惑の「幕開け」となってしまったように見えます。

そのとほりだ。特に県の文書をまだ見てゐないと答へた件は、今後尾を引く。
森友・加計学園疑惑で共通しているのは、疑惑を指摘する側は具体的な文書や根拠、事実を示しているのに、それを否定する側は具体的な根拠を明らかにせず、ひたすら記憶に頼って言葉で言い逃れるだけだという点にあります。今回の加計学園理事長の会見での説明も同様です。


十月十三日(土)
次はLITERAに載った
加計理事長会見で珍しく新聞・テレビ記者たちが徹底糾弾! 追い詰められた加計理事長がデタラメ言い訳連発

と云ふ記事だ。
あの史上最悪のゲス会見から約半年。本日14時より、加計学園・加計孝太郎理事長が、岡山理科大学獣医学部がある今治キャンパスで会見をおこなった。

確かに、前回の記者会見は史上最悪だった。大地震の翌日に、突然地元のマスコミに記者会見の連絡をFAXで流し、それでも何とか大坂から駆け付けたマスコミは、地元記者クラブ所属ではないとして、入場を拒否した。しかも25分で打ち切った。今回は
「(このままでは)市や県の協力も得られなくなるのではないか、そういうなかで、まあ、(渡邉)常務のほうが、勇み足をしましたと言いますか」
何度でも言うが、渡邉常務が嘘をついたというのがほんとうなら、これは詐欺的行為であることは間違いない。にもかかわらず、加計理事長はたんなる「勇み足」だったと言うのである。

質問の時間に入り
「私はその場にいなかったからわからないが、本人から聞いたところによると、県も市も半分諦めムードだったらしい。このままではこの話はダメになってしまうと」などと弁明。嘘をついて獣医学部新設にまでもち込んだことの問題をどう考えるのかと訊かれているのに「諦めムードだったから」とは、まったく答えになっていない。

県と市が諦めムードだったものが嘘によって実現したのなら、嘘を取り消して県と市を諦めムードに戻し獣医学部を一旦廃止しなくてはいけない。今後のことはそれから考へるべきだ。次に
加計理事長は今回の会見で、首相官邸で柳瀬首相秘書官と加計学園側が面談した事実について、報告を受けていなかったと主張した。しかし、愛媛県文書には、2015年4月2日の官邸訪問の事前打ち合わせの場において、渡邉事務局長が以下のように発言したと記録されている。
〈先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があったことに対し、理事長から柳瀬秘書官にちゃんと説明しておくように言われている〉
つまり、愛媛県文書の記載では、加計理事長は渡邉事務局長が柳瀬首相秘書官と面談する事実を把握しており、そのため「ちゃんと説明しておくように」と命じていることがわかる。加計理事長の主張と整合性がとれないのだ。


十月十四日(日)
Literaをもう一つ。次は
加計理事長のデタラメ会見に加計学園の職員も「ありえない」! 一方、NHKは安倍政権への忖度で完全に沈黙

と云ふ題の記事だ。
呆れ果てる会見を受けて、一部ではあるが、テレビのニュース番組もさっそく、加計理事長の発言の嘘や矛盾を指摘。厳しい追及の姿勢を見せた。
まず、「安倍首相と加計理事長の面談」が加計学園の常務である渡邉良人・前事務局長のつくり話だったという弁明について疑問を呈したのが、昨晩放送の『NEWS23』(TBS)だ。(以下略)
さらに、加計理事長の会見内容をひっくり返す新証言をぶつけたのは『報道ステーション』(テレビ朝日)だ。このところ、政権批判をほとんどやらなくなっていた同番組だが、この会見についてはトップで報道。(以下略)
掘り下げればいくらでも加計理事長による会見の矛盾や疑問が次々に湧いて出てくるが、こうして独自の視点を織り交ぜて加計理事長の会見を報じたのは、『NEWS23』と『報ステ』だけ。ツッコミどころは満載なのにワイドショーもことごとくスルーし、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)がわずかに触れた程度だ。
あまりに酷かったのがNHKだ。
会見では、NHKの記者も質問をし、厳しい追及をおこなっていた。(中略)このNHK記者の厳しい追及の模様は、『NEWS23』や『報ステ』でも放送されたのだが、しかし、NHKは会見が開かれた7日当日の18時と、翌8日の早朝6時の5分枠であるストレートニュースで短く伝えただけ。7日の『NHKニュース7』をはじめ、翌8日の『おはよう日本』や『NHKニュース7』『ニュースウオッチ9』で一切取り上げなかったのだ。
自局の記者が加計理事長の無責任な発言をいくつも引き出したにもかかわらず、それを放送せず、問題自体を報じない──政権批判を抑え込む体制に移った『報ステ』でさえトップニュースで伝えたというのに、公共放送であるNHKこそが、もっとも露骨な忖度を見せたのである。

記事は最後に次の結論を出した。
加計学園をめぐる疑惑は、今回の加計理事長の会見でさらに疑いが深まり、今後、3度目の会見実施や国会へ招致、そして出張記録の提出に向け、加計問題再燃の流れができあがりつつある。今後、加計理事長の嘘を証明する決定的な証拠が出てくる可能性もある。
 しかし、報道するのが『NEWS23』と『報道ステーション』だけというマスコミの体たらくをみていると、本当に安倍首相を追い詰められるとはとても思えない。マスコミは自分たちの報道の自由を取り戻すためにも、もう一度勇気を振り絞るべきではないか。
(編集部)

そのとほりだ。(終)

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