駿州吉原宿及びその近辺訪問記(都電編)

平成20年10月

都電7000型
7000型は正面の左右二つの窓と車掌が最後尾ではなく中間やや後方にいることと、扉は下部も透明なガラスなことが特徴だった。そしていろいろなグループがあった。
車両番号制御台車とバネ新造/改造
7001-7019直接制御D18、オイルダンパ付きコイルバネ新造
7020間接自動TT-101、コイルバネ新造
7021-7030直接制御D10又はD16、板バネ1000型及び1100型の改造
7031-7050間接非自動D20、コイルバネ新造
7051-7093間接非自動D20A、コイルバネ新造
これだけ異なっているのに7000型を名乗ったのは、車体の形が同一なことと、同一の予算だったためであろう。
このうち7021-7030は試作車の7020とともに第一次廃止(三田車庫などが廃止)のときに廃車になった。

7024
この10両しかなかった改造車の1台が駿州吉原の小学校に保管されていて、ご好意で見せていただいた。
制御器は直接式。ブレーキハンドルと合わせて左半分に収まっている。
ブレーキハンドルの右に空気指令式の主ブレーカがある。
床は木製、椅子は背もたれを含めて緑色のビニール。
正面窓は左が一枚、右は2枚の下側上昇式。
天井には縦に一列の通風路が張り出し、4箇所くらいの室内との換気口が開いている。
運転台の左横の木には扉を手動で開閉していたときの名残りのくぼみがあった。
車掌台には引っ張るとチンと鳴るスイッチ、ブザー、ドア開閉スイッチ、ビューゲルの紐を入れる箱と巻く棒、箱の中にタンブラスイッチが入っている。使途は不明。ドア開閉スイッチの左に鉄が3cmくらい突起していて何かのハンドルと思われるものがあるが、これも使途不明。
外側の車両番号、全般/重要部検査の年月は書かれていない。再塗装のためやむを得ない。書かれていたとしても後世に書いたものであり走行時のものではなく、予算の都合もある。それよりこのように完璧に近い状態で保管している関係者各位のご努力に心から敬意を表したい。

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