車両の床とホームの高さ

平成20年10月

1 線路からの高さ
旧国鉄時代は、ホームの高さは次のように決まっていた。
1.客車と気動車用:760mm
2.電車専用:1100mm
3.共用:920mm
客車と気動車は扉の外側(従来客車)または内側(新系列客車と気動車)にステップが1段あり、ホームは更に1段下である。つまり乗車するには2段上ることになる。
通勤電車はホームが車両の床とほぼ同じ1100mmである。

2 交直流用電車
特急用と急行用の交直流用電車はステップが1段付いていた。近郊型(例えば上野発の常磐線普通)はステップが付いていなかった。電車化が交流電化区間でも進むにつれてステップ付きの普通型も現れた。

3 共用ホーム
客車や気動車と電車の両方が停車するホームの高さは920mmで、これはステップ付きの車両とほぼ同じ高さであり、電車にとってはホームは1段下がった。例えば新宿駅の快速ホームは920mmのため、ラッシュ時は乗客が転倒する恐れがあり車内放送で注意を促していた。

4 例外
181系電車(特急ときに使われていた)は高さが、他の一般の車両の床とステップの高さの中間くらいだった。つまり共用ホームにしか停車しないことを見越して、しかも走行性能を向上させるために車体の高さを少し下げたのだろう。
あるいはたまたま乗った車両の車高が低いだけだったとも考えられるがそうではないと思う。

駅の例外としては、山手線と京浜東北線の> 鶯谷駅はホームの高さが電車専用と共用の中間くらいだった。国鉄時代はホームの側面にH=1100とペンキで書かれていて、鶯谷だけは値が970か1020くらいだった。おそらく小さな駅で乗降客が少ないので昔のままを放置していたのだと思う。私は首都圏の多くの駅のホームの高さを調べたが、この中途半端な値は鶯谷のみであった。

5 外のステップ
入換えのときに運転係(操車担当)が従来客車に乗って旗を振るときは、ほとんど扉を開け中に立っていた。しかし福島駅だと思うが、車外のステップに立って閉めた扉に寄りかかり操車している職員がいた。このようなやり方を見たのは全国でもここだけである。

6 中長距離列車のホーム
最近は中長距離列車のホームでも電車専用の高さにする駅が多くなった。臨時列車や団体列車から客車がほとんどなくなったことも原因ではあるが、都市化が通勤ラッシュを生み、ホーム高さの原則が破られたと言える。

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