平成20年6月7日に、都電荒川営業所にて路面電車の日のイベントが行われた。
(1)工場部分の見学会、(2)留置線での切り絵展示車両、鉄道映画女優「史絵」号、(3)5501、7500が展示してある広場でのゲゲゲの鬼太郎と都電のクイズ大会、(4)入出庫線での都電撮影会、(5)工場入口左の空き地での都電グッズ販売と地元商店街、都立農芸高等学校による物品販売、(6)工場右奥での線路曲げの実演と説明、(7)変電関係の事務所先での線路走行用の案内車輪が付いている作業用自動車の展示、(8)その左奥での発条式分岐の展示と説明、(9)留置線手前でのNゲージと実に盛り沢山だった。営業所のトイレも自由に使え、参加者も子供連れが多く住民と共に歩む都電を目指す印象が強く残った。都電も荒川車庫前の停留所では「満員なので次をお待ちください」と発車する電車もあった。もっとも40年前の上野公園から根津宮永町の夕方の混雑に比べればあの程度ならあと15人は乗れたかな。王子駅でかなり降りて立つ人が10人くらいになった。
- 車庫の現状
- 入出庫の4線(屋内)の入庫検査の詰所の前までと、その後方で写真撮影時間と交互。庫内は線路の下に潜れるのが2線、うち左側の線は屋根の高さの台が付いている。奥にはトラバーサも見える。
- 入出庫線の左側は留置線が3線(不確実)と洗浄線が1線。一番左の留置線には古い台車も2つ置かれてあった。乗務員用に線路と線路の間がプラットホームのようにかさ上げされ屋根も付いていた。初めて見たときは臨時ホームかと思った。臨時ホームにしては横幅が狭いが。
- 入出庫線の右側は月検査の2線(不確実)。1線ずつシャッターが閉まるようになっていて、土曜のためすべて閉まっていた。(平成21.9.27追記)3線あり月検査と車庫での修理に使用する。
- その右の2線は塗装。ここも1線ずつシャッターが閉まるようになっていてすべて閉まっていた。閉めているのは行事があるためではなく、土曜だからであろう。
- その右の1線は今回見学会が開かれた全般検査、重要部検査用。電車は床からのクレーンで持ち上げ仮台車に乗せる。台車などをはずして天井からの2台のクレーンで右側へ。そこで分解修繕。仮台車は8000型の曲線の機能を除去したため枕木2つの上に車体を載せる。
- 塗装と全般重要部の3線はトラバーサから電車が降りたところで架線は終わる。あとは手で押して屋内に入れる。今は新車搬入のクレーン用に全般重要部の1線は架線を撤去。塗装の1線は架線に太い絶縁を巻き架線としては使えない。
- トラバーサは2台。1台は予備か。全般重要部の線に止めていた。もう1台が稼動していた。除雪装置を片側につけた車両をちょうどトラバーサに乗せていた。今回の行事用に装着したものだろう。
- 工場の入ってすぐに発行者東交電車部、編集者車庫支部技術研究委員会、昭和32年発行の車両の資料を展示していた。1000型のページを展示していた。
交通局ではなく労働組合がこういう資料を作るのは、労働者がいないと生産はできないが、資本家はいなくても生産はできる、という考えが労働界では一般的だったためであろう。昭和35年の三池炭鉱争議以降、この考え方は少なくなり昭和61年の国労分裂、総評解体で幕を閉じた。
| 改1000 (二段式) | 改1000 (広) | 改1000 (三段式) |
| 1001~1014 1020~1032 | 1015~1019 | 1033~1062 |
自重 | 13.8 | 13.7 | 13.5 |
乗降段 ケ上り | 上段 | 360mm | 360mm | 235mm |
中段 | - | - | 245mm |
下段 | 520mm | 380mm | 380mm |
有効 ケ込 | 上段 | 300mm | 300mm | 265mm |
下段 | - | - | 270mm |
制御器 | KR-8 RB-200A | KR-8 | KR-8 K-14 |
電気ブレーキ | 界磁交換 | 界磁交換 | 界磁交換 均圧接続式 |
台車形式 | | D#10 | D#10 | D#10 | B27A B27B |
固定輪軸距離 | 1270 | 1270 | 1270 |
車輪長径 | 660 | 660 | 660 | 790 |
- 2つの方向幕が展示されていた。
回送車 | 回送車 |
大塚駅 | 四谷見附 |
回送車 | 回送車 |
王子駅 | 神保町 |
早稲田 | 岩本町(九段回り) |
荒川車庫 | 新宿駅 |
赤羽 | 新宿(角筈) |
三ノ輪橋 | 大久保車庫前 |
神谷三丁目 | 秋葉原回り岩本町 |
町屋一丁目 | 秋葉原駅西口 |
| 飯田橋 |
| 牛込北町 |
| 若松町 |
| 水天宮 |
- 保線の方にお話を伺った「発条式分岐はバールで発条に逆らってこじ開けスコッチを差し込むと逆に走行できる。事故や故障用。保線に連絡があると行って行う。運転手も研修では行うが(普段やっていないから難しいだろう)。」
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