50-2、民主党前原氏の問題点

平成十七年


10月21日
民主党は心配な政党である。若手がアメリカかぶれなのである。アメリカ留学組の民主党議員が外資系の関係者と六本木で飲んでばかりいて困ったものだと社民党の議員が語ったという記事を雑誌「発言者」で読んだことがある。
前原党首と小泉首相の討論で、前原氏は「ハッピー」「マネージメント」「トランスソーメーション」「フラストレーション」「ツープラスツー」「バックボーン」「マーケット」「コミットメント」「トータルパッケージ」とカタカナを連発していた。外来語を連発する人間にまともな人はいない。
小泉首相が靖国神社で合掌したことも非難していたが、前原氏は神仏習合という言葉を知らないのか。明治維新以前は私有や村有の小祠を除くほとんど全ての神社は寺院が管理していた。寺院から独立した今でも、そして明治時代に創設された靖国神社においても、日本人はおおいに合掌すべきである。


10月22日
前原氏の討論は
(1)アメリカへのごますり(最初の30分)
(2)本来の民主党の主張(その後10分間)
(3)靖国神社問題
の三つに分かれている。
前原氏の外来語連発は(1)の10分目から30分までに集中している。最初の10分は予め話す内容を考えているだろうから、前原氏に染み付いたものが出たとみるべきである。民主党は若手に染み付いたアメリカかぶれをまず直すべきである。
前原氏は(1)で中国の米中接近と日米分断を主張したが、米中接近は喜ばしいではないか。アメリカの第一の属国は日本だ中国にその座を奪われたら困るという嫉妬根性はやめよう。日本は中国とアメリカの仲を取り持つくらいになるべきである。
前原氏は日米分断を言うが、日本がアメリカから自立するのは日本のためである。アメリカもそのことを望んでいよう。日米軍事同盟は存在してもしなくてもかまわないが、存在することにより前原氏のようなアメリカかぶれが出てくるから困るのである。
前原氏のようなアメリカかぶれをなくすか軍事同盟をなくすか、どちらかにしてもらいたい。


10月24日
昨日の参議院神奈川補選では、自民党の川口順子さんが当選した。民主党候補はアメリカ弁護士ということを前面に出し大差で敗北した。当然である。
2人の子供の母、家事に奮闘中ということを前面に出し、経歴の一部としてアメリカ弁護士というのであれば理解もできる。そうではない。アメリカ弁護士を前面に出したのである。民主党前原執行部のアメリカかぶれは度が過ぎている。
党首討論後、片山さつきさんがテレビに「何回も言った話をコイツも言ってる」と語った。民主党役員が「公党の党首に対してコイツとはなんたることか」と批判した。敬称はその人の人格に比例する。立派な人には誰もコイツなんて呼ばない。党首をコイツ呼ばわりされたくないのなら、党首を交代するかコイツにアメリカかぶれをやめさせるしかない。


10月25日
自民党内の保守派は前々会の衆議院選挙では落選した人(高市早苗さんなど)も多かった。しかし信念を貫いたのだから立派である。古くは、自民党を脱退し与党の利権を蹴った羽田氏、小沢氏なども立派である。自民党をぶっ壊すと言って登場した小泉首相も立派である。更に古くは社会党が右転回するなかで左派を貫き落選した議員(名前は忘れたが高沢寅夫氏か)も立派であった。自民社会両党の狭間で頑張った管直人氏も立派である。
立派な政治家は一つおきに現れる。その理由は、自分の議席が優先なのか信念が優先なのかによって、点在する大きな勢力に群がる人とそうではない人に別れるためである。右や左で判断するのはもう古い。高市早苗さんから高沢寅夫さんまでを支持する理由はここにある。

そのような観点から見ると、前原氏はよくない。上昇志向、スタンドプレー、口先だけという印象を受ける。国民の冷たい視線はここにある。こういう上昇志向だけの人間が一番嫌いなのである。


10月26日
前原氏は、日米同盟が存在することによりアジアの国々がハッピーなのだという。この言葉には文化の観点がすっぽりと抜けている。欧米文明の世界への押し付けは、非欧米地域に不安定を招いた。日本は欧米の真似をして植民地獲得競争に参加し本家植民地主義の英米に敗れた先の大戦を思い出すべきである。ヨーロッパではその反省から人権などよほどのことがない限り他地域への口出しは近年は控えている。独りアメリカのみが押し付けを継続している。
前原氏はアメリカ料理を食べたことがあるか。実にまずい。ヨーロッパ料理のうちまずい部分を集めたのがアメリカ料理である。アメリカ文化も同じである。ヨーロッパは地域共同体や労使協調が今でも生きているが、そういうものを取り除き悪い部分を集めたものがアメリカ流経済、アメリカ流社会である。
そのようなものをアジアに押し付けてはならない。


10月27日
26日の第二回党首討論では、前原氏は野党の立場での発言であった。前原氏批判もこれで終了したい。
民主党に二つ注文がある。民主党は自由民主党や社会民主党など他党との党名環境から生まれたものであり、アメリカ民主党とは何の関係もない。アメリカ民主党は原爆投下など世界で最も醜い政党である。党名が似ているからと真似をしてはいけない。
二つ目に民主党はともすれば国柄を軽視しがちである。国柄を喪失すれば殺伐とした自殺率が高く出生率の低い国となり、それは現在の日本である。国柄の観点からも自民党を攻めてほしい。

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